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ツカザキ病院眼科 疾患説明シリーズ Part20 色覚異常について ツカザキ病院眼科 疾患説明シリーズ Part20 色覚異常について

はじめに
先天色覚異常って、どんな病気? 先天色覚異常って、どんな病気?
色の見え方や感じ方は、万人が同じではなく個人差があります。
その個人差が他の人と比べて大きく、以下で述べるような色覚検査で他の大多数の人と異なった結果を示す人が医学的に「色覚異常」と診断されます。
先天色覚異常は色を感じる錐体視物質の遺伝的な異常によっておこります。
症状は?
先天色覚異常では、全く色が分からない訳でも白黒の世界を見ている訳でもなく、色の区別が普通の人より困難な状態です。
誤認しやすい色の組み合わせが存在し、右はその一例です。照明が暗い場合や対象が小さい時に誤認しやすいと言われています。
誤認しやすい色の組み合わせ例
検査方法は? 検査方法は?
色覚異常検査方法 色覚異常検査方法
治療法は?
残念ながら、先天色覚異常の治療は今の医学では不可能です。ただ、悪化する心配もありません。
色覚異常は色の見え方が少し他の方とは異なるので、自分の色覚の特性を知っておくことが生活の上で重要です。(具体例;焼けた肉と生肉が区別しにくい。熟れた赤いトマトと緑のトマトが見分けにくい、など)
また就職などに際し、厚生労働省は色覚異常者に対して根拠のない採用制限を行わないよう指導をしていますが、色覚異常があると採用を制限される職種も存在します。
気になる症状があれば、一度受診の上、ご相談ください。

緑内障について

  • 田淵
    今回は、日頃から網膜色素変性症を中心とした遺伝性眼疾患をツカザキ病院眼科で担当していただいている大杉英子先生に色覚異常について教えていただきます。
    早速ですが、色覚異常というのは遺伝するのでしょうか?
    大杉
    そうですね。色覚異常の中でも最も頻度の高い先天赤緑色覚異常の場合、原因は遺伝子で、伴性劣性遺伝という形式をとります。
  • 田淵
    ちょっと難しい話になるかもしれませんが、色覚異常は女性よりも男性が多い理由というのは、遺伝形式から説明できるのでしょうか?
  • 治療法は?
    大杉
    伴性劣性遺伝では、原因となる遺伝子は性染色体上にあります。
    正常の性染色体をX、色覚異常のものをX´とすると、男性の場合、X染色体を一つしか持っていませんので、色覚異常の遺伝子を持っていれば「X´Y」となり色覚異常を発症します。
  • 大杉
    一方、女性の場合、X染色体を二つ持っていますので、「X´X´」となれば色覚異常になりますが、「XX´」の場合、保因者ということになり、色覚はほぼ正常です。このため、先天色覚異常は圧倒的に男性の方が多く、日本では男性では20人に1人、女性では500人に1人と言われています。
    治療法は?
  • 田淵
    なるほど。遺伝的に規定されていても、実際に症状が出るか出ないか、その違いがあるのですね。
    大杉
    はい、そうです。保因者は女性全体の約10人に1人といわれています。 
  • 田淵
    それでは、遺伝とは無関係な色覚異常というのもあるのでしょうか?
    大杉
    色を感じるのは網膜の錐体細胞の働きによるものです。錐体細胞が欠損していたり、十分に機能しない場合、色覚に異常が起こると考えられます。ですので、遺伝とは無関係に、網膜剥離などの眼疾患の一症状として色覚異常が起こることがあります。
  • 田淵
    色を感じる細胞が後天的に障害されれば当然ながら色が異なって見えるようになるわけですね。
    でもその場合は他の病気の症状のひとつとしての位置づけになって、通常は遺伝性の生まれつきの色覚異常のことを「色覚異常」と呼ぶわけですね。
    大杉
    はい、一般的に「色覚異常」と呼ぶ場合、「先天色覚異常」を指すことが多いです。

緑内障について

  • 田淵
    色覚異常とは具体的にどのような症状がでるのでしょうか。
    大杉
    色覚異常は以前「色盲」という呼び方をされていたため、色が全く分からない、白黒の世界であると思う方がいますが、それは間違いです。色覚異常の人は、色の区別が普通の人より困難な状態です。
  • 田淵
    お子さん自ら症状を訴えることはあるのでしょうか?
    大杉
    先天的な色覚異常は生まれつきのもので、ほとんどの方が色覚異常以外の視機能の異常は認めません。
    色覚に異常があるとは、色の判別がしにくい状態ですが、本人にとっては生まれながらにしてその色覚であるため、自分で自覚できる症状というのは特にありません。
  • 田淵
    なるほど、自覚症状は特にないわけですね。となると、何らかのテストによって初めて色覚異常だと診断されるわけですか。
    大杉
    そうですね。
  • 田淵
    今、学校で色覚検査がより積極的に行われる体制になったのですよね?
    大杉
    はい、H26年4月の学校保健安全法施行規則の一部改正に伴い、健康診断の実施に関わる留意事項として色覚検診に関する指導強化の内容がしめされました。要約すると概ね以下の2点を推進する内容となっています。
    1)保護者に対し先天色覚異常と検査の周知を図り、希望者に検査を行う事。
    2)教育者は色覚に関する正確な知識を持って色覚異常に配慮し、適切に指導を行う事。

    このように、色覚異常の児童が自身の色覚特性を知らないまま不利益を受ける事がないように努めること、また保健調査に色覚の項目を設けることなどにより、積極的に保護者への周知に努めるといった対応が学校側に求められる内容になっています。
  • 田淵
    一度は学校現場での色覚検査施行が後退した後の復活劇という側面もあるようですが、その背景は一体どんな理由があるのでしょうか?
    大杉
    かつて小学校4年の児童全員に実施されていた色覚検査が平成15年度より健康診断の必須項目から削除されました。
    任意での施行という名目ですが、学校での検査が差別につながるとの声もあり、実際はほぼ行われていなかったという現状があります。
    しかし、日本眼科医会による先天色覚異常の受診者に関する実態調査では、進学、就職にあたり色覚に関する様々な問題が起きている事、また学校生活においても先天色覚異常の子供に対する十分な配慮がなされていないことが明らかになりました。
    今後、それらの問題は増加していく事が予想され、それが今回の色覚検査の実施の指導強化につながっているのだと思います。
  • 田淵
    就職での問題は確かに避けられるなら避けた方がよい気がしますね。
    大杉
    そうですね。
    近年では、就職に際し色覚検査を実施している会社はそれほど多くはないのですが、やはり正確に遠方の信号灯の色の判断を迫られるような職業、例えば航空機のパイロットや鉄道運転士、船舶航海士などの職業は、色覚が正常であることを求められます。自分に色覚異常があるかどうかを知っておくことは、将来の職業選択の上でも重要ではないかと思います。
  • 田淵
    実際に色覚異常を疑った時、どのような検査をするのですか?色覚異常には、異常か正常かの診断に加えて、重症か軽症か、さらにはどのタイプの色覚異常なのかという段階別の検査があるのですよね?
    大杉
    上記の学校検診などでスクリーニング的に用いられているのが、石原式色覚異常検査です。国際的に広く使用されており、色覚異常の有無を調べるにはもっとも簡単で検出力の高い検査といわれています。
  • 石原式色覚異常検査

    石原式色覚異常検査

    ※色覚異常の方が読めない表。
    正常と色覚異常の方とでは読み方が違う表があります。
    左写真はコピーで実際の色合いと微妙に異なりますのでご了承ください。
  • 大杉
    しかし、石原式検査では色覚異常の程度や型を判断することは出来ませんので、軽度の色覚異常か中等度以上の色覚異常かを調べるためには色相配列検査が必要となります。
    色相配列検査の代表的なものはパネルD15といい、色相環に沿って、少しずつ色の違った色票をばらばらの状態から順に並べてもらう検査です。
    色覚異常のある方でも、軽度であればある程度正しく並べる事ができますので、異常が中等度以上かどうかを判断できます。
    1型色覚異常と2型色覚異常では色の見え方の特性が違いますので、程度が強い場合は、並べ方の特徴で色覚異常の分類が可能です。
  • パネルD15

    パネルD15

    一番左の色標は固定されており残りの15色を順々に並べて検査。
  • 大杉
    さらに、中等度と重度の区別、正確な色覚異常の分類を知るためには、アノマロスコープという検査が必要となります。671nm(赤)と546nm(緑)の色光の混合比を調整し、589nm(黄)と等色する検査です。その混合の割合(等色点)から色覚異常の型と程度を正確に判定する事ができます。
アノマロスコープ アノマロスコープ
  • 田淵
    なるほど。ツカザキ病院眼科ではその全ての検査を施行していますか?
    大杉
    はい、全て施行する事ができます。
    特に、アノマロスコープは少し特殊な検査になりますので施行できる病院は限られてきますが、ツカザキ病院では熟練した検査員のもと施行しております。
  • 田淵
    色覚異常に対する治療法は存在しているのでしょうか?
    大杉
    残念ながら、先天的な色覚異常の治療法というのは存在しておりません。色覚補正のためのメガネというのも存在しますが、これも正確な色が見えるようになるメガネではなく、効果も個人差があります。
  • 田淵
    心配がある方は受診して、きちんとした診断を受けていただきたいですね。
    大杉
    そうですね。色覚異常といっても、日常に全く支障のない軽度の色覚異常から、重度の色覚異常まで様々です。軽度と重度ではかなり日常生活の不自由さが変わってきますので、正確な診断や重症度を知るためにも、眼科受診にて詳しい検査をすることをお勧めいたします。
  • 田淵
    当科の色覚異常領域の担当者として、展望をお教えください。
    大杉
    色覚異常は前述のとおり、現在のところは有効な治療法はありません。
    ですが、色覚異常を病気ではなく、個人の色の見え方の特性であると考えますと、重要なのは色覚異常の方がいかに日常で生活に不自由なく暮らしていけるかという事なのではないかと思います。
    その為にはまず、色覚異常の当事者および周囲の方に対し、誤認しやすい配色を自覚していただき、配慮していただけるような具体的な説明およびカウンセリングなどは個々の眼科医が積極的に心がけていかねばならないと思います。
色覚異常の方が区別しにくい配色の例 色覚異常の方が区別しにくい配色の例
  • 大杉
    さらに、色覚バリアフリーという考え方があります。
    これは第一に「色覚異常に対する誤解、偏見のないこと」、第二に「色覚異常であっても生活の中で支障がない色環境であること」という考え方です。上記にも述べましたとおり、男性の約5%が先天色覚異常であり、さらに後天的な病気や加齢に伴うものも含めると、色覚異常の方は決して珍しいものではありません。
    しかし、現状では学術、サービスなどでは、色にたよった情報伝達が多く、それが色覚異常の方には障壁(バリアー)となる事があります。
    社会全体として色覚異常に対する正確な知識を共有すること、さらに、色覚異常の有無にかかわらず、情報をより多くの人に正確に伝える為に区別しにくい配色を避けたり、色のみに頼らない情報伝達をこころがけること、それらを社会に啓蒙する事も眼科医としての努めなのではないかと考えております。
  • 田淵
    ありがとうございました。
色覚異常でお悩みの方は、どうぞお気軽に当科を受診下さい。
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どうぞお気軽に当科を受診下さい。
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