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Top > 診療のご案内 > 眼科 > 加齢黄斑変性について > 加齢黄斑変性について2
  • 疾患説明シリーズ Part1 緑内障について
  • 疾患説明シリーズ Part2 網膜前膜について
  • 疾患説明シリーズ Part3 流涙について
  • 疾患説明シリーズ Part4 加齢黄斑変性について
  • 疾患説明シリーズ Part5 多焦点眼内レンズと乱視用眼内レンズ
  • 疾患説明シリーズ Part6 網膜血管閉塞疾患について
  • 疾患説明シリーズ Part7 円錐角膜について
  • 疾患説明シリーズ Part8 糖尿病網膜症について
  • 疾患説明シリーズ Part9 強度近視眼底
  • 疾患説明シリーズ Part10 網膜色素変性症について
  • 疾患説明シリーズ Part11 飛蚊症と網膜剥離
  • 疾患説明シリーズ Part12 角膜疾患
  • 疾患説明シリーズ Part13 斜視について
  • 疾患説明シリーズ Part14 ドライアイについて
  • 疾患説明シリーズ Part15 黄斑円孔について
  • 疾患説明シリーズ Part16 ぶどう膜炎について
  • 疾患説明シリーズ Part17 眼瞼疾患について
  • 疾患説明シリーズ Part18 ロービジョンについて
  • 疾患説明シリーズ Part19 眼圧、緑内障、視野検査について
  • 疾患説明シリーズ Part20 色覚異常について
  • 疾患説明シリーズ Part21 弱視、およびその治療
  • 疾患説明シリーズ Part22 硝子体注射について

ツカザキ病院眼科 疾患説明シリーズ Part4 加齢黄斑変性について ツカザキ病院眼科 疾患説明シリーズ Part4 加齢黄斑変性について

まずは診断

  • 田淵
    ツカザキ病院眼科では他の病気との鑑別や加齢黄斑変性の診断のために、どのような検査を行いますか?
    松葉
    まずは一般的な視力検査などの後に、眼底検査や網膜断層検査を行います。診察や検査は瞳孔を開いて行いますので、当日は車の運転を控えてください。
    また加齢黄斑変性は目の奥の血管の病気なので、病態把握や治療方法選択のために2種類の造影剤(インドシアニングリーンおよびフルオレサイト)を用いた蛍光眼底造影検査を予約で行います。
  • 加齢黄斑変性インタビュー
    [加齢黄斑変性診療で用いる眼底検査]
    左図:カラー眼底写真、
    中図:FAG(フルオレサイト眼底造影写真)、
    右図:ICG(インドシアニングリーン眼底造影写真)

    眼底写真は病変の全体像把握、FAGは網膜色素上皮より上層の病変の把握、ICGは脈絡膜層の病変の把握に用いる。3種類の検査は互いに相補的で、判断は総合的に行われる。

治療法

  • 田淵
    加齢黄斑変性の治療には、どんな種類があるのですか?
    松葉
    治療は病態ごとに異なります。前駆病変や萎縮型には効果的な治療方法がありません。日常生活での生活改善(禁煙や血圧コントロール・食生活の見直しなどやサプリメントの使用)を推奨します。
    滲出型では新生血管を退縮させることが目的となります。主な治療としては、硝子体に薬剤を注射して新生血管を弱らせていく方法(抗VEGF剤硝子体注射)と、点滴とレーザーを組み合わせて新生血管を詰まらせる方法(光線力学的療法=PDT)があります。病態によっては、これらの治療方法を組み合わせて行う場合もあります。
    その他、網膜下出血や硝子体出血に対しては、出血部位や出血量に応じて硝子体ガス注入術や硝子体手術などを行います。
  • 田淵
    抗VEGF剤とはちょっと耳慣れない言葉で、難しい感じです。
    どんな薬剤なのか、治療には入院が必要なのかどうか、術後の処置はどのようなものであるか、
    注意する点等について、少し詳しく説明して下さい。
    松葉
    VEGFというのは、血管の発生や血管の維持においてとても重要な血管内皮細胞増殖因子というタンパク質のことで、正常な環境では血管を助けるために働いています。しかし、病気の環境ではむくみや炎症、出血など悪い変化を起こす新生血管を発育するように作用します。
    現在、保険適応のある抗VEGF剤には3種類(マクジェン、ルセンティス、アイリーア)があり、薬剤ごとに作用や効果が違います。全体では目の中でVEGFの働きを抑制し、新生血管を弱らせ、悪い変化が進行するのを防ぎます。
  •  
    基本的には通院治療のみで、点眼麻酔後に手術室で行います。念入りに皮膚や目の消毒をして、白目(結膜)から硝子体に注射します。ほとんど痛みはなく、1~2分くらいで終了します。目の中に細菌が入ると失明する危険もあるので、感染予防のために数日前から抗生剤点眼を行います。しかし、活動性が高くて速やかな治療が必要な場合は、当日に注射を行うこともあります。
    当日は透明の眼帯をして帰宅してもらいます。翌日の診察以降は眼帯も不要で、通常の生活(洗顔や洗髪も可能)で問題ありませんが、数日間の抗生剤点眼が必要です。
    緑内障インタビュー
  • [現在加齢黄斑変性治療目的で厚労省に認可をされている抗VEGF剤は3種類]
    治療薬の特性と個々の症例の状態を合わせて考慮し、最善の選択を行います。
  • 田淵
    PDTレーザーという治療についても、同じようにご説明頂けますか。
    加齢黄斑変性インタビュー
    [PDTレーザー治療]
    実際の施術は上図のように座位でアゴ台にアゴとおでこを固定した状態で、顕微鏡を用いて行います。痛みは特になく、短時間で終了します。写真では説明のために室内は明るいですが、実際は暗室で行います。
    松葉
    ビスダインという光感受性物質を前腕から点滴し、目の奥で悪さをしている新生血管に付着させます。ビスダインが付着した血管に光を当てると、光反応により血管内に血栓が作られ、選択的に新生血管を詰まらせます。
    治療は日帰りでも行えますが、治療後に3~4日間くらいの生活制限(日光や強い光を避ける)が必要となります。当科ではほとんどの患者さんが2泊3日の入院で治療を行っています。
    PDT治療後に特別な処置は必要ありません。しかし、最近では抗VEGF剤硝子体注射と併用して行うことが多く、その場合は硝子体注射後と同じく数日間の抗生剤点眼が必要です。
    [PDTレーザー治療]
    実際の施術は上図のように座位でアゴ台にアゴとおでこを固定した状態で、顕微鏡を用いて行います。痛みは特になく、短時間で終了します。写真では説明のために室内は明るいですが、実際は暗室で行います。
  • 田淵
    さらに、硝子体ガス注入術や硝子体手術とはどのような治療ですか?
    松葉
    どちらの治療も、網膜下出血や硝子体出血など、目の中の出血に対して行う治療で、術後に数日間はうつ伏せなどの体位制限が必要となります。当科では入院で治療を行います。術後は見え方が良くなり視界も広がりますが、出血によるダメージが大きい場合には視力は回復しません。
    網膜下出血が黄斑に及ぶと、出血の塊(血腫)によって黄斑が傷んでしまいます。出血が起きてから14日以上経過すると血腫が移動しにくくなるので、診断後は速やかに血腫を移動させる必要があります。硝子体ガス注入術は、硝子体に気体を注入して圧迫することで、血腫を黄斑から移動させる治療です。治療後の体位制限や、眼圧上昇などの合併症も考慮のうえ、入院で治療を行っています。硝子体注射後と同じく数日間の抗生剤点眼が必要です。
    硝子体出血が起こると目の中に光が入りにくくなり、ほとんど見えなくなります。硝子体手術は、出血で濁った硝子体を取り除き、きれいな状態にすることで目の中に光を入りやすくします。手術中に黄斑血腫を認める場合は、血腫を溶かす薬剤(t-PA)を用いたり、気体を注入したりします。
  • 黄斑下血腫の発症から治療過程
    [黄斑下血腫の発症から治療過程]
    左図はOCT像、右図は眼底写真、赤矢印が黄斑下血腫、青矢印が硝子体内のSF6ガス像

    血腫発症した直後に治療を開始(受診日に抗VEGF剤硝子体注射、その翌日にSF6ガス硝子体注入を施行。2か月後には視力はほぼ改善した。
  • 田淵
    ちょっと根本的な質問になりますが、だいたいにおいて加齢黄斑変性は治る病気なのでしょうか?
    松葉
    残念ながら現状では完治することは不可能ですが、早期発見や様々な治療の組み合わせで視力を改善・維持することが可能です。落ち着いた後も再発することがあり、定期的な通院は欠かせません。
  • 田淵
    治らないとなると心配なのはやはり、加齢黄斑変性になると失明してしまうのではないかという事だと思います。
    松葉
    真っ暗になることはごく稀です。片目だけの場合は歩行や日常生活にあまり影響しないこともあります。しかし、片目でも進行した場合や、両目で発症した場合は視力低下により車の運転やテレビ観賞、読書・書字などが難しくなります。
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