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ツカザキ病院眼科 疾患説明シリーズ Part3 流涙について ツカザキ病院眼科 疾患説明シリーズ Part3 流涙について

治療法

  • 田淵
    診断がついたら、どんな治療法があるんでしょうか?
    今村
    涙道の閉塞に対する治療法として代表的なのは、「涙管チューブ挿入術」と「涙嚢鼻腔吻合術(DCR)」という二つの手術です。
  • 田淵
    涙道閉塞を治療するかどうかの判断は何を基準に行うんでしょうか?
    ちなみに、絶対に手術した方がよい状態というのはあるんでしょうか?
    今村
    目の表面の涙のたまり具合を調べて多くたまっているかどうか、また涙の分泌量がどうか、などを総合的に判断します。たとえば、涙道閉塞にドライアイを合併している場合があり、涙道閉塞を治療することによって今度は逆に目が乾くという症状に悩むことになる可能性があるため、判断は慎重でなくてはいけません。つまり、治療しないほうが良い場合もあるということです。
    涙嚢炎といって、涙の通り道の涙嚢という部分に細菌による炎症を起こしている場合には、手術による治療が必要です。
  • 田淵
    睫毛乱生(さかまつ毛)治療は、どんな治療なんでしょうか?
    日帰りでできますか?
    今村
    軽度のものであれば、原因となっているさかまつ毛の毛根を破壊する「睫毛電気分解」という治療が有効です。局所麻酔をしてから極細の針をまつ毛の毛根に差し込み、通電することによって毛根を破壊します。もちろん日帰りでできます。ただし、しつこくまつ毛がまた伸びてくるケースも多く、何度か治療しないといけない場合があることも知っておいてもらいます。
    重症の場合は、眼瞼手術の専門医によるlid splitという手術が有効です。
  • 田淵
    ツカザキ病院眼科には眼瞼専門の清水好恵先生がおられますから、
    科内で医師同士で連携して診療を行っておられるという事ですね。
    結膜弛緩症治療は、どんな治療なんでしょうか?日帰りでできますか?
    今村
    ①たるんだ結膜を切り取って縫い合わせる方法
    ②バイポーラという止血用の血管凝固器具を利用して、たるんだ結膜に帯状に軽くやけどの痕をわざと作り、
    やけどの痕は縮むという性質を利用してたるみを取る方法
    の2つがありますが、当院では主に②の方法をとっており、喜ばれるかたが多いです。
    手術時間は数分で、日帰り手術です。術後しばらく点眼治療を行います。
結膜弛緩症 手術前 前眼部写真
[結膜弛緩症 手術前 前眼部写真]
矢印部がたるんだ結膜。このたるんだ結膜により瞬目に伴う違和感や、結膜嚢にたまる事の出来る涙の量が少なくなり流涙症状の原因となる
結膜弛緩症 手術後 前眼部写真
[結膜弛緩症 手術後 前眼部写真 ]
上の術前写真の同一部の術後写真。矢印の部分の結膜弛緩が改善されている。
  • 田淵
    涙管チューブ挿入術は、どんな治療なんでしょうか?日帰りでできますか?
    術後診察の流れはどんなもんでしょうか?
    今村
    涙管チューブ挿入術は、閉塞しているところを開通させ、涙点から鼻の中の開口部まで細いチューブを留置するもので、切っ
    たり縫ったりはしません。以前は、術者の手探りで行われていた治療でしたが、近年は涙道内視鏡といって涙道の中を見る非
    常に小さなカメラが開発されていて、より確実にチューブを留置することができるようになりました。
    日帰り手術で行っており、手術時間は数分~20分程度です。
    術翌日の診察後は2週間ごとに通院していただき、2か月後にチューブを抜いています。
  • 田淵
    涙嚢鼻腔吻合術(DCR)は、どんな治療なんでしょうか?日帰りでできますか?
    術後診察の流れはどんなもんでしょうか?
    今村
    涙道の中の涙嚢という部位と、鼻の奥のほうに、新たな涙の通り道を作る手術です。涙嚢と鼻の間には薄い骨の壁がありますので、その骨の壁に穴をあけて、バイパスを作ることによって、スムーズに涙が鼻のほうに流れるようにします。
    当院では鼻の中から手術を行う鼻内法という手術方法を採用していますので、顔面に傷を作るのを避けることができます。
    日帰り手術を行っている施設もありますが、術後の鼻血の管理のため、当院では現在7日間の入院を原則としています。また、全身麻酔のリスクのない患者さんには全身麻酔で手術を行っています。
    退院後は2週間ごとに通院していただき、2か月後に手術の際留置したチューブを抜いています。
  • 田淵
    治療効果や治療成績を教えて下さい。
    今村
    涙道手術の治療効果はてきめんに出る場合が多いです。
    涙管チューブ挿入術は、術後の経過が良好であった方は80%程度で、残りの20%程度の方は再度涙管チューブ挿入術を行うか、涙嚢鼻腔吻合術(DCR)などの他の治療が必要となります。
    DCRはここ数年で97%は術後の経過が良好で、3%に再発がありましたが、再手術後の経過は良好です。
    流涙インタビュー
  • 田淵
    先生の臨床上の現在のテーマは何でしょうか?
    今村
    自分の診断・治療能力を向上させ、より患者さんへの負担を軽減することはもちろんですが、原因不明の流涙症も実際には多く存在しており、その原因を探って臨床に役立たせることを念頭に診療にあたっています。今現在は、臨床研究として手術法による自覚症状の変化を心理物理学的に定量分析するとともに、治療効果そのものも前眼部OCTというレーザー装置を使って涙液量を精密に計測して客観的な方法で行うという試みを行っています。
  • 流涙についてインタビュー
    [前眼部OCTによる涙液量計測]
    ツカザキ病院眼科では、従来計測が難しかった涙の貯留量を前眼部OCTを用いる事で、精密に計測し涙道治療の効果判定に用いています。
  • 田淵
    ツカザキ病院眼科の涙道治療責任者として未来像を教えて下さい。
    今村
    近年、眼科の取り扱う分野の中でも放置されていた感のある涙道診療が変革の時代に入り、進歩を見せています。世界でも多くの医師が新たな治療に取り組んでおり、今では想像もつかないような治療法が現れることは間違いありません。当院ではこの流れに遅れることのないのはもちろんのこと、当院から有益な情報を発信して世界的に貢献できるようになることを願っております。
流涙でお悩みの方は、どうぞお気軽に当科を受診下さい。
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