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ツカザキ病院眼科 疾患説明シリーズ Part15 眼瞼疾患について ツカザキ病院眼科 疾患説明シリーズ Part15 眼瞼疾患について

眼瞼疾患について

  • 田淵
    皮膚弛緩でも術式が違いますね。説明して頂けますか。
    清水
    皮膚弛緩のみですと、余剰の皮膚と余剰眼輪筋の切除を行います。瞼縁から手術する方法と、眉毛下から手術する方法があります。
    瞼縁側より手術すると、いわゆる重瞼(二重)のラインからの方法になり、傷跡は目立ちにくいメリットの反面、特に元来一重だった方は傷跡として二重のラインが残ることになり、目元の印象が変わりますし、瞼縁側の薄い皮膚を切除し厚い眉側の皮膚が降りてくるため、重たさが残ることがデメリットです。
  • 清水
    一方、眉毛下皮膚切除では、眉毛下の厚い皮膚を切除するため、瞼縁側の薄い皮膚はそのまま残るメリットがありますが、エステティックユニットに沿っていないため傷跡が瞼側より目立つことや鼻側の余剰皮膚は十分に切除できないことがデメリットとして挙げられます。また、皮膚弛緩切除は、デザインによっても余剰によっても、重瞼ラインや眼瞼形状や印象が変わりますので、ある意味で繊細な手術とも言えます。
    以上を踏まえ、皮膚の厚みや形状、余剰の程度により、より良い方法を説明させていただき手術方法を選択しています。
  • 田淵
    となるとやはり、きちんとした専門の眼科医による診断が必要だという事になりますね。
  • 田淵
    眼瞼下垂症に対する治療は手術しかないと思いますが、その適応について教えて下さい。
    清水
    眼瞼挙筋能の低下とMRD-1中等度以下で判断し、特に眉毛を動かさずに瞳孔領に上眼瞼がかかるかどうか、用手的な眼瞼挙上による視野や自覚症状の改善を目安に手術の適応を決定しています。
    手術方法としては、挙筋能の低下の程度や眼瞼下垂の原因により、挙筋前転法や吊り上げ手術を選択しています。
    当科では、挙筋能が4mm以下の先天性眼瞼下垂や筋原性眼瞼下垂は、術前にしっかりと説明の上、吊り上げ術を選択しています。挙筋能の低下が目立つ退行性や腱膜性の眼瞼下垂では、挙筋前転法を第一選択肢にしますが、挙上が十分得られない可能性も念頭に説明させていただいています。
  • 田淵
    放置して失明する疾患ではありませんから、患者さんと主治医との相談が非常に重要ですね。
    双方がよく納得して手術に臨む必要があると思いますが。
    清水
    そうですね。
    患者さんの訴えには傾聴し、問診には比較的時間をかけています。
    なぜなら、主訴が眼瞼疾患によるものと、それ以外の原因で生じている可能性の除外が必要であり、また、眼瞼下垂の手術で瞼が上がっても、改善し得ない点や症状もあるからです。
    そのため、写真を見てもらいながら可能な限り説明し、手術によるメリット・デメリット、変化する可能性を理解していただくようにムンテラを行っています。
    即ち、眼瞼は、顔の表情の印象を変えてしまう部位になります。
    術後の傷痕・皮下出血、左右差、重瞼の形など、術後様々な変化が生じ、元来の眼瞼の形状や腫れぼったさ、むくみの程度、重瞼のラインや余剰皮膚の程度も影響することを念頭に、十分なムンテラが必要になります。
  • 清水
    眼瞼の形状や厚みは個体差があり、また眼瞼や顔面の左右の筋肉のバランスは左右差があり、皺の入り方も左右で違いますので、同じ手術をしても100%同一の結果が得られることは難しいと考えています。
    また特に、眼瞼痙攣を伴うような開瞼障害を伴う患者さんや、閉瞼力の弱い患者さんでは、術前診察の中で可能な限り問診し、開瞼力と閉瞼力の変動の有無とバランスを複数回確認しています。その中で術前定量を行い、目標を設定しても、術中の開閉瞼程度によっては開瞼量が変動し、術後閉瞼障害を来たすこともあり、その場合は術後1週間程度で再調整が必要になる可能性も説明しています。
    ご本人が十分納得・ご理解頂いた上で手術を予定しています。
  • 田淵
    術後経過も違うんでしょうか。
    清水
    術後はほぼ必ず皮下出血や腫れを来します。
    初めの数日は最も目立ち、活動性が増えると出血し易いため、圧迫や冷却、比較的安静をお勧めしています。通常は、翌日よりシャワー可能で、約1週間で抜糸、1か月ほどで赤みや腫れは徐々に引いてきますがまだ認められ、瘢痕期にて突っ張った感じがあります。3か月程度で腫れや赤みは目立ちにくく、違和感は減ってきますが、個人差があり、半年ほどかけてゆっくりと経過します。
    また、抗凝固薬など内服中の方では、術中術後、出血しやすく、皮下血腫を生じると腫れが長引くこともあり、程度によっては血腫除去が必要になることがあります。
    皮膚弛緩のみの手術より、挙筋腱膜を扱う眼瞼下垂手術の方が腫れは生じます。
    眼瞼の形状、特に元々腫れぼったい方は、薄い瞼の方に比べて、術後の腫れや赤みも目立ち、消退にも時間ががかかることが多い傾向です。
  • 田淵
    しかし、眼瞼手術後の皮膚の形状というのは大変難しいですね。
    医学的な形が良くても本人さんが見た目の上で納得されるかどうかについては不明であるというところも、この領域の臨床上の難しさと言いますか。
    清水
    はい、まさにその通りです。
    皮膚弛緩の手術はデザインが大変重要と考えます。
    眼瞼の形状、重瞼線の有無と位置、弛緩の程度、皮膚の厚み・ボリューム、また下垂手術により得られる開瞼の程度によってデザインは変わります。
    瞳孔領にかからなくなったので結果は十分とする考えもありますが、切開線の位置や皮膚余剰の残存の程度によっては、贅皮が睫毛に乗りあがることで睫毛下垂を生じたり、目尻側への流涙等の症状は改善されにくいこともあります。
    わずかの余剰皮膚や眼輪筋のボリュームの差で、重瞼ラインや幅の変化や睫毛方向の変化による目元の印象の変化、また余剰皮膚の程度などによっては予定外のラインが生じる可能性もあるため、術前の説明が非常に重要と考えます。
  • 田淵
    眼科医としての仕事はあくまでも視機能の改善にあるので、合併症なく手術を施行できる事で60点はとれるわけですが、患者さんの自覚症状に大きく関わる術後の眼瞼形状にこだわる美的センスというかデザインセンスはもちろん軽視できませんね。女性である清水好恵先生の面目躍如という感じでしょうか。 
    清水
    眼形成で私がご指導いただいている先生方は、眼形成分野で大変ご活躍な先生です。眼形成の世界のトップでご活躍の先生は男女問わず、その専門分野を追及されている方で、種々の分野で、それは同様のことが言えると思います。
    これはあくまで私的な見解ですが、芸術家的センスや能力は、その対象に対する『こだわり』で磨かれていくものと考えています。妥協しないスタイルは恩師の先生方から学ばせていただいた中でも非常に重要なことの一つと考えています。
    最も、自ら最善を尽くしながら、学ぶことも多く、悩む症例ではご指導いただいた先生に相談し、ベストな方法を選択する方法をとっています。
  • 田淵
    私自身もこれまでたくさんの眼瞼治療をさせて頂いていてよく分かっているのですが、術式に関しては先生によって細かな違いが本当に多くありますね。
    清水好恵先生には、全国の主だった眼瞼治療の専門家のところへいろいろと通って頂いていますが、そのあたりについて、清水好恵先生自身がどのように解釈されてご自分の手術に活かしておられるんでしょうか。
    清水
    眼瞼下垂や内反症は、手技やアプローチの仕方は様々ですが、基本的な部分は同じと考えます。
    眼形成の専門の先生方から学んできた中で、術前診断は非常に大切と考えます。術中定量と目標を設定し、初発例でも手術歴がある再発例でも、安定した結果を出すことができる方法を選択しています。
    具体的には、挙筋前転法として、挙筋腱膜を前転すると共に、挙筋能が弱く重度の下垂の場合はmuller筋も前転しています。
    また、合わせて、反対眼の眼瞼の形状やラインを参考に、睫毛方向や、眼瞼のvolumeを参考に症例ごとに確認し、調整しています。微調整、さじ加減、これは優れた術者である恩師から学んだ重要な要素でもあり、眼瞼手術の奥深さ、難しい点とも考えています。
  • 田淵
    美容目的なのか、眼科的治療対象なのかについて、
    清水好恵先生はどの検査値を用いて判断されますか。
    清水
    上記に述べたMRD-1での、上眼瞼が瞳孔領にかかるか否かで判断しています。
    正面視にて、眉毛部圧迫での瞳孔領に眼瞼がかからない面積を目安にしています。
    保険診療範囲外の方にはその旨を説明し、美容外科を紹介させていただいております。
    田淵
    眼瞼下垂の診療にも相当に専門的な判断が必要だという事がよく理解できます。
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