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ツカザキ病院眼科 疾患説明シリーズ Part6 円錐角膜について ツカザキ病院眼科 疾患説明シリーズ Part6 円錐角膜について

円錐角膜について

  • 田淵
    円錐角膜という病気は、コンタクトレンズ装用患者さんの中には比較的多くおられる気がしますが、どれくらいの頻度である病気なのでしょうか。
    丸山
    発症率は文献的には約2000人に1人です。機械的な刺激が円錐角膜の進行に関連している可能性が示唆されており、この事がコンタクトレンズ装用者に多いという認識を生んでいると考えられます。
    円錐角膜インタビュー
  • 田淵
    30歳前後で進行が停止するというのは、正しい認識でしょうか。
    丸山
    通常、思春期(15歳頃)に発症し、20歳代までは進行しやすいです。30歳以上になると進行はほぼなくなると考えられています。
  • 田淵
    病気としての、良好な経過と悪い経過の両方について大まかに教えて下さい。
    自覚症状についても教えて頂ければと思います。
    丸山
    ごく初期には、まぶしさや光に過敏になるなど、見え方に軽い変化が起こるだけです、進行して突出がつよくなり、角膜に濁りが生じると視力の低下や見え方のゆがみが生じます。
    またさらに進行すると、角膜の裏側のデスメ膜という膜が破れて、眼の中で産生される房水が角膜内に入り込み、角膜が腫れて突然視力が低下する事があります。これは急性水腫といって、2.3ヶ月程度で自然に修復しますが、強い混濁の残存や不正乱視によってその後視力不良になる事もあります。
  • 円錐角膜の急性期(急性水腫)の画像
    円錐角膜の急性期(急性水腫)の画像
    A・前眼部写真 ( 角膜中央部の白濁した領域が病変部である)
    B・Aの症例の前眼部OCT像(Bの図中左上青枠内の方向の断層像)(角膜の中央部の厚みが極端に薄い部分と分厚い部分にでこぼこに不整になっている状態が示されている)
  • 田淵
    実際の視力低下に対しての治療はコンタクトレンズ治療だと思うのですが、
    具体的にどんなレンズを使用していくのか、ツカザキ病院眼科の治療を例に教えて下さい。
    丸山
    眼鏡で矯正できない不正乱視が生じてくるとハードコンタクトレンズによる矯正となります。重症になると通常の球面ハードコンタクトレンズの装用が困難になるので円錐角膜用の多段階カーブのレンズを使用したり、ハードコンタクトレンズを加工して患者さん各々の眼にあわせてカスタマイズする事によって対応します。
  • [ 円錐角膜眼にハードコンタクトレンズを装着した前眼部写真 ]
    円錐角膜眼にハードコンタクトレンズを装着した前眼部写真
    [ 円錐角膜眼にハードコンタクトレンズを装着した前眼部写真 ]
    黄色い染色液によって、周辺部を特別にカッティングしたカスタマイズレンズが周辺部で全周で角膜にフィットしている事と、円錐状変形の下方に黄色い涙液のたまり部分がある事が分かる
  • 田淵
    円錐角膜であるかどうかの診断が特に重要になってきたのは、
    レーザー屈折矯正手術の普及によるものが大きいですが、その理由を解説していただけますか。
  • 丸山
    LASIKに代表されるレーザー屈折矯正手術ですが、おおまかにいうと眼の表面の角膜を特殊なレーザーで削り、角膜の形状を変える事によって近視・遠視・乱視を矯正する手術です。円錐角膜は突出した部分の角膜が薄くなるので、円錐角膜の素因がある方が手術を受ける事によってさらに円錐角膜が進行する危険性があります。実際、日本眼科学会の定めた屈折矯正手術のガイドラインには円錐角膜は疑い例もふくめて手術の実施は禁忌とされています。
    円錐角膜インタビュー
  • 田淵
    早期の段階で円錐角膜と確実に診断するためには、どんな診断装置が必要なのでしょうか。
    丸山
    軽症の円錐角膜では、通常眼科診療で用いる細隙灯顕微鏡で診断することは困難です。進行例になると、突出部の角膜が非薄化し混濁してくるので顕微鏡でも発見する事が出来ます。確定診断には角膜形状解析が有用です。当院ではTOMEY社のSS-100(前眼部OCT), OCULUS社のPentacam(シャインプルーク原理前眼部解析装置)を使用しています。
  • [ 正常眼と円錐角膜眼の各診断機器所見 ]
    [ 正常眼と円錐角膜眼の各診断機器所見 ]
    円錐角膜眼では、正常眼に比べて「尖っている」事がそれぞれ診断される。
    [ 正常眼と円錐角膜眼の各診断機器所見 ] [ 正常眼と円錐角膜眼の各診断機器所見 ] [ 正常眼と円錐角膜眼の各診断機器所見 ]

円錐角膜について

  • 田淵
    ツカザキ病院眼科での円錐角膜治療の実際の流れについて教えて下さい。
    丸山
    軽症の円錐角膜では眼鏡による視力補正が可能です。眼鏡で矯正できない不正乱視が生じてくるとハードコンタクトレンズによる矯正となります。ハードコンタクトレンズの処方はサンコンタクトレンズ社と協力して月に2回の専門外来を設けています。重症になる程患者さんに合ったレンズを合わせる事が困難になりますが、じっくりと時間をかけて合わせていきたいと考えています。それでも装用が困難な場合は最終手段として角膜移植の手術を検討します。
    円錐角膜インタビュー
  • 田淵
    コンタクトレンズなどによる治療が不可能な場合、最終的には角膜移植の適応だと思いますが、
    ツカザキ病院での成績はいかがでしょうか。
    丸山
    当院にて円錐角膜に対して角膜移植を施行した症例は、現在のところ経過は良好です。
  • [ 円錐角膜眼に対して全層角膜移植を施行した症例]
    [ 円錐角膜眼に対して全層角膜移植を施行した症例]
    術前の尖った角膜構造が術後に平坦化している。視力も著名に改善している。
    [ 円錐角膜眼に対して全層角膜移植を施行した症例] [ 円錐角膜眼に対して全層角膜移植を施行した症例] [ 円錐角膜眼に対して全層角膜移植を施行した症例]
  • 田淵
    丸山先生はツカザキ病院眼科で円錐角膜疾患に対する診療のリーダーシップを取って頂く立場ですが、
    未来像を教えて下さい。
    丸山
    現在当院で可能な治療は眼鏡やハードコンタクトレンズによる矯正と角膜移植術となります。最終的に本当に角膜移植が必要な症例は1〜5%と言われています。安易に手術に踏み切らず、しっかりとハードコンタクトレンズを合わせる事に重点を置いて治療していきたいと思っております。また最近、角膜クロスリンキングや角膜内リングといった新しい治療法も開発されています。適応を考慮し、施行が可能な関連施設に紹介する事も可能です。
    時代に合わせた、患者さんにとってベストな治療を提供していきたいと考えております。
円錐角膜でお悩みの方は、どうぞお気軽に当科を受診下さい。
円錐角膜でお悩みの方は、どうぞお気軽に当科を受診下さい。
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どうぞお気軽に当科を受診下さい。
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