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1日25時間働く循環器内科部長BLOG

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  1. 2017
2017.10.12
心不全認定看護師 爆誕?!

こんばんは。楠山です。昼はまだ暑い日が続きますね。体調は崩されていませんか?経験談ですが、実は一日中寒い冬より、寒暖の差が大きな晩秋・春の始めに体調に変化を来す方が多いように思います。

さて、先週はある講演会で座長をしてきました。テーマは心不全です。心不全に関しては当科のホームページに色々と書かせていただきましたので省きますが、昨今は「心不全パンデミック」と言われているように心不全患者さんが多くなることが予想されています。
私個人としてはこの状況に対して余り医療側に残されている時間は少ないのではないのかな、と思っています。

実は御存知のように昨今の医療業界ではチーム医療の必要性が大きく取り上げられています。カテーテル治療でも医師をリーダーとする統合されたチームでの行動が必要ですが、心不全に関しては循環器疾患の中でも特にコメディカルのそれぞれの能力が必要とされている疾患だと思います。

確かに急性心不全で呼吸状態が危機的状態にある方は医療が大きな部分を占めますが、心不全は完全に治るわけではなく、「上手に心不全とつきあっていく」疾患です。なぜなら、入院中は上手くいっても、標準的な感染予防をせず風邪から心不全を再発したり、退院してから薬をきっちりと内服できなかったり、無理な負荷をかけてしまったり、塩分の多い食事や不規則な食事になってしまうと再入院を余儀なくされてしまいます。

実は心不全患者さんの我々の目標は「出来るだけ心不全再発を防ぐこと」です。心不全を繰り返すとなぜか心不全治療は難しくなってしまいます。ですので、患者さん・御家族には再発予防の重要性を強調する必要があります。

勿論、狭心症や弁膜症に対しては医師による治療が必要ですが、前の段落の退院後のトラブルの部分、実は看護師・薬剤師・リハビリ・栄養士の関与で上手くいく可能性があります。
私も医師の端くれですので、努力はしてはいますが、なかなか患者さんの日常生活を垣間見ることは難しく、やはりコメディカルによる、それぞれの積極的な患者さん・御家族へのアプローチは非常に重要と考えています(研修医時代の経験ですが、掃除して下さっている方から患者さんが隠れてポテトチップを食べている事をゴミから気付いてくれた方もいました・・・)。

マスコミ報道でもありますように、もはや循環器診療も病院だけで完結する時代は終わり、地域全体で患者さんを診ていく時代に突入します。
そうなりますと医者同士の連携も重要ですが、地域ぐるみで進める医療のためには、コメディカル同士の連携も「縦糸と横糸の関係」で質の向上には欠かせないのです。

ですので、これからは患者さんの日常生活に最も近い立場の地域の先生のみならず、そのクリニックで働いている看護師・訪問看護ステーションなどとの密接な意思疎通が求められる時代です。

先日、当院では和泉看護師が慢性心不全看護認定看護師の資格を頑張って取得してきました。認定看護師は院内のみならず院外においても心不全コントロールに関しては我々と共に指導的立場に立つべき存在です。
実はこれからその指導的立場に立つ和泉さん、私見るところ、優しくてやや押しが弱い看護師です。ですので、以前我々と一緒に働いていた聖隷横浜病院 内田先生との講演会で一般講演として発表してもらいました。

実は講演会までは少し心配していたのですが、やはり資格という物は人を変えるのでしょうか?他院の先生や看護師さんも聴講においででしたが、優しさはありますが、なかなかに堂々としたプレゼンテーションでした。医師では気付けない部分(患者さんの気持ち・日常生活での留意点)の指摘もあり、私にとってはとても勉強になった講演でした。
やはり一つの事でも色々な見方をした方が理解は深まりますね。

「心不全は医師の物」ではなく、「各職種がそれぞれの強みを生かして急性期から慢性期までシームレスに患者さんをHappy にするもの」と病院・診療所・看護ステーションなど職場や職種にかかわらず、それぞれの専門性から地域ぐるみで心不全を診療していくきっかけになれば良いな、と思いました。

臨床は一つの船のようなものです。船は船長・機関士・操舵手などなどたくさんの専門職種から成っています。医療も似たような物です。
和泉認定看護師を含めコメディカルが良い意味でのプロ意識・プライドを持って、チーム医療に積極的に参加してくれる事を期待しています。

和泉さん、ここからがスタートです。これから色々苦労もあるだろうけど、期待していますよ。よろしくね。