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ツカザキ病院眼科 疾患説明シリーズ Part9 強度近視眼底 ツカザキ病院眼科 疾患説明シリーズ Part9 強度近視眼底

はじめに

どんな病気?

◆近視とはどんな病気なんでしょうか?非常に有名な言葉ですが、
正確に理解しておられる方は相当少ないと思います。説明していただけますか?

近視とは眼の前後の長さが普通の眼球よりも長くなっている状態のことです。そのため、めがねやコンタクトを装用しないとうまくピントがあいません。
また、眼球の長さが長ければ長いほど眼球の壁がうすくなり、目の中にさまざまなトラブルがでてくることがあります。この状態をとくに病的近視と言います。
日本人の統計では、通常の近視は小学生で30-40%、中学生で50~60%、高校生で60~70%程度にみられ、どの年代も近視の割合は年々増加傾向にあります。
めがねの度が-8Dを越える近視の約90%の方に、なんらかの病的な異常が認められると言われています。

症状は?

◆近視の症状というのはどういう状態を指すんでしょうか?

めがねやコンタクトにより屈折を矯正しなければ、遠くのものにピントが合いにくいです。裸眼の状態では手元までものを近づけないとはっきりとみえません。
また、近視に伴う合併症が出てきた場合には物がゆがんで見えたり、部分的に見にくい場所があるといった症状を伴う場合もあります。

原因は?

◆近視に原因はあるんでしょうか?
なかなか難しいテーマですが、少し教えていただけますでしょうか?

近視は大きく分けて遺伝的な原因と、ものを近くで見ながら作業をしたり外で遊ぶ時間の長さといった生活環境による原因がそれぞれ関係しあって生じると考えられています。
また、近視が進行していく過程で眼球を構成している壁は薄くなります。壁の内側には網膜といわれる光を感じる大切な膜とそれを栄養としている脈絡膜が張り付いており、これが薄く引き延ばされることでさまざまな合併症が生じます。

合併症

◆近視が進行することにより、なにか不都合、合併症みたいなことが起きるのでしょうか?

網膜剥離:
網膜が薄くなり、孔があいたり(網膜裂孔)、そこから眼の中の液体が網膜と脈絡膜の間に入り込んだ状態です。
近視性牽引黄斑症候群:
網膜が前方に引き延ばされ、前後に裂けたり(網膜分離症)、横方向に裂けたりすることがあります。前後の裂け目が広がると難治の黄斑円孔網膜剥離となります。
近視性網脈絡膜新生血管:
横方向に裂けると出血したり、正常ではない血管が生じて視力障害をおこします。
網脈絡膜萎縮:
脈絡膜が薄くなると網膜に栄養が届かなくなり、網膜が痩せて光を感じにくくなります。
まとめ

◆最後にみなさまにむけてまとめていただけますでしょうか?

強度近視そのものを治療する方法は残念ながらありません。しかしながら定期的な診察をうけていただくことで、合併症が重篤になる可能性を軽減できるかもしれません。
強度近視の眼はもともと見えにくいことから、病的な状況がでてきても自分では気付かないことがあります。強度近視の方は、少なくとも一年に一度の定期診察をお勧めします。

強度近視眼底について

  • 田淵
    ツカザキ病院眼科が強度近視眼底専門の外来を立ち上げて、どれくらいになりますか?
    十川
    2010年4月からツカザキ病院強度近視外来がスタートし、途中から前任の医師より私が引き継ぐ形となりました。
  • 強度近視眼底インタビュー
    田淵
    どのような患者さんを対象にして近視眼底の専門治療を行っているのでしょうか?
    十川
    近視の中でもめがねの度が−6D(ディオプター)を超えたり、目の前後の長さが26mmを超える眼のことを強度近視といいます。強度近視のかたは通常よりも様々なトラブルが生じやすくなっています。近視のなかでも‘みる’ために最も重要な‘黄斑部’に生じるトラブルに対し、十分に経過を見ながら、必要に応じて手術的な治療や注射による専門的な治療を行っています。
  • 田淵
    近視眼底変化による中途失明は、非常に高い割合ですよね。
    十川
    ご指摘のとおり世界的にみても近視は中途失明原因の上位を占める疾患です。ただ、日本を含む東アジアではこの強度近視のかたが圧倒的に多いという特徴があります。現在、若年アジア人の近視の人の割合が以前と比べて増加傾向にあり、今後、強度近視はさらに増えることが予測されます。比較的若い患者さんにも変化が起こることがありますし、眼科医として危機感を抱いております。
  • 田淵
    なるほど、ますます平均寿命が延びていますから、将来的な失明患者さんの数を少しでも減らすために、強度近視眼底外来の役割は大きいですね。どのような診断装置を用いて診療を行っているのでしょうか。
    十川
    まず、ここ数年で著しい進歩を遂げている光干渉断層計(OCT)です。これでものを見るのに重要な網膜や網膜を栄養している脈絡膜の断面をみます。ツカザキ病院では様々な種類のOCTがあり、必要に応じて使い分けることができ非常に助かっています。OCTを用いて、近視が強いために網膜が分離したり、正常でない血管が生じているといった病気の診断だけでなく、病気の進行具合の評価も可能となっています。ただ、OCTだけで診断が確定できないこともあり、その場合は眼底造影検査やOCTの技術を応用したOCTアンギオグラフィーなど他の検査も適宜行いながら多角的に病気を評価し診療にあたっています。
  • 田淵
    近視の合併疾患における緑内障となると一体どんな症状が生じるんでしょうか?
    十川
    基本的には、かなり進行した状態にならないと、自覚症状はありません。1/4以上欠けてくると視野が一部白けるとかどうも運転中みにくいなどの症状をゆっくり訴えはじめます。 そのため自覚症状のないまま、検診で異常を指摘され眼科を受診し、緑内障を指摘される方も大勢いらっしゃいます。ただ、近視の方の場合、元々部分的にものが見づらい場所があるかたもいてかなり進行してからでないと症状に気づきにくいかたもいらっしゃいます。
  • 強度近視眼底インタビュー
    強度近視眼底インタビュー
    [ 強度近視を原因とする主な網膜中心部(黄斑部)眼底疾患 ]
    それぞれ、おわんの底のように強く湾曲した網膜中心部(黄斑部)構造とともに、網膜そのものが引っ張られている。その結果、網膜構造が分離したり(中心窩網膜分離)、部分的に剥離したり(中心窩網膜剥離)、湾曲部全体の剥離(黄斑円孔網膜剥離)が生じたりしている。
  • 田淵
    強度近視眼では黄斑部を含んだ網膜脈絡膜萎縮によって極端な視力低下、最悪の場合は失明状態に至るわけですが、その事について少し詳しく説明して下さい。
    十川
    通常では脈絡膜はものを見る際に大切な役割を果たす網膜を栄養しています。近視が進行し眼球が引き伸ばされた状態になると徐々に脈絡膜が萎縮してしまいます。脈絡膜が正常に機能しなくなると栄養されている網膜も萎縮を生じ、その部分の網膜は光を感じなくなり、網膜脈絡膜萎縮という状態になります。萎縮が最も重要な黄斑におよぶと、ものを見るときに大切な中心が見にくくなり、視力が低下、あるいは失明してしまいます。

治療法

  • 田淵
    網膜脈絡膜萎縮の治療方法はあるのでしょうか?
    十川
    網膜脈絡膜萎縮にはその成因から新生血管の関係するものとしないものにわかれます。新生血管の関係しないものには残念ながら治療法はありません。しかし新生血管から萎縮が拡がるタイプでは早期の発見、治療により萎縮の範囲を小さくとどめることができるかもしれません。
  • 強度近視眼底インタビュー 強度近視眼底インタビュー
    強度近視眼底インタビュー 強度近視眼底インタビュー
    [ 強度近視による活動性のある脈絡膜新生血管に対する抗VEGF剤硝子体注射治療 ]
    mCNV: myopic Choroidal NeoVascularization, 脈絡膜新生血管
    抗VEGF剤の硝子体注射によっていずれの症例も、新生血管の活動性を消失させて強度近視眼底病変の進行を停止させる事ができました
  • 田淵
    早期診断が有効である可能性があるわけですね。実際には何歳ぐらいから受診すべきなのでしょうか。
    十川
    40歳台で眼球の形状が特殊に変形する時期を迎えるといわれていますので、この時期からはときどき眼科でチェックを受けるべきだと考えています。特に強度近視の方は合併症のリスクが高いので注意が必要です。しかし、40歳より若いかたや、軽度の近視の方でも悪い変化が起こることもありますので異常を自覚すれば早急に眼科を受診していただくのがよいと思います。
  • 田淵
    近視の合併疾患のひとつである近視性脈絡膜新生血管に対して、抗VEGF薬注射が主流となっています。しかし、費用や通院間隔などの様々な問題が生じています。実際の注射の頻度はどれくらいなんでしょうか。
    十川
    効果を期待できる薬ではあるのですが、非常に高価なのが問題です。3割負担の患者さんで1回に5.5万円程度かかります。そして年に平均2回程度の治療が必要と言われています。ただし、皆さんが2回程度ということではなく、1回で効果が長く続く時もあれば、何回か連続で注射しなければならないときもあり、その平均が年2回程度なんですよと説明しています。 最終的には注射を必要としなくなる方もいれば、長い間注射を打ち続けなくてはいけない方もいらっしゃいます。
  • 強度近視眼底インタビュー
    田淵
    強度近視眼底外来では、受診の回数などはだいたいどれくらいに設定されていますか?
    十川
    疾患、状態により様々です。状態が落ち着かなければ1か月毎にこまめに経過観察させて頂くこともあります。安定していれば3~4か月や半年に1度程度です。近視が強いけれども今のところ問題がないというかたは1年に1度程度の検診目的で受診でもよいかもしれません。
    田淵
    強度近視に伴う網膜剥離、特に黄斑円孔網膜剥離は我々眼科医にとって難治症例の代表ですが、それについて解説して下さい。
  • 十川
    強度近視眼では眼球が前後に伸びるのですが、網膜は伸びにくいので足りなくなって裂けてしまい(網膜分離)、それが進行すると網膜剥離(黄斑部剥離)が生じます。この状態で中心部に孔(あな)が開いてしまうと剥離が拡がり(黄斑円孔網膜剥離)、非常に難治となってしまいます。みなさんによく知られている通常の網膜剥離は失明し得るこわい病気ですが、早い時期に受診していただければ比較的治りやすい病気です。しかし黄斑円孔網膜剥離はそうはいきません。近視が強いために網膜が弱っていることと、網膜が足りないことから治りにくく、何度も手術が必要であったり、手術をしても見え方がよくならない場合も多いです。ですので、黄斑円孔網膜剥離まで進行してしまう前に(網膜分離や黄斑部剥離の段階で)、必要に応じて予防的な手術をすることが大切です。手術によって視力が下がってしまうこともあるのですが、最も難治な状態になってしまうのを防ぎ、視力を維持できればと思っています。
  • 田淵
    なるほど、黄斑円孔網膜剥離に一旦なってしまうと治療が難しくなるので、その前段階の状態を捕まえて、その段階で治療すれば、良好な成績と良好な視力を維持できる可能性があるという事ですね。
    十川
    そのとおりです。ただ、黄斑円孔網膜剥離でも萎縮がなければ良好な視力を残せることもありますので一度みせていただきたいですね。
  • 強度近視眼底インタビュー
    [ 経過観察中に網膜分離が悪化し、硝子体手術によって解剖学的にも自覚症状的にも改善した網膜分離症の症例 ]
    初診時は黄斑部の軽度変性だけでしたが、半年間で明瞭に網膜中心部(黄斑部)において網膜の分離が進行しました。自覚検査である視力値も1.0から0.8まで低下していたため、黄斑円孔網膜剥離に進展する前の段階での硝子体手術の選択となりました。小切開硝子体手術(25G)(内境界膜剥離および空気注入)施行と入院下腹臥位安静により、解剖学的な黄斑部構造の正常化が得られ、自覚症状も視力1.0までの回復が得られ、治療に成功しました。
  • 強度近視眼底インタビュー
    田淵
    現在最も興味を持って取り組んでおられる臨床上のテーマについて教えて下さい。
    十川
    現在近視とその合併症の発症メカニズムに関して興味を持って取り組んでいます。近視は最も身近な眼のトラブルといっても過言ではないくらいありふれた疾患です。しかし、近視の程度やその経過は人によって千差万別です。強い近視の方でも何の合併症もなく過ごされる方もいます。これから近視の発症メカニズムに関して研究が進むことで、進行予防や合併症の発症しやすさなどが分かれば、長い目で見て失明する人を減らせることにつながると考えています。

今後について

  • 田淵
    ツカザキ病院眼科の強度近視眼底外来の責任者として、未来像を教えて下さい。
    十川
    まず、来院してくださった強度近視の患者さんには自分の目の状態を正しく把握していただけるようにしたいと考えています。眼の状態を正しく評価し、適切な治療を適切なタイミングで行うことを心がけて、患者さんとともに医療を行う姿勢を大切にしたいです。また、強度近視眼底外来を担当する中で得られたデータを患者さんに還元できるよう研究にも従事していきたいと考えています。
  • 田淵
    ありがとうございました。
強度近視眼底病変でお悩みの方は、どうぞお気軽に当科を受診下さい。
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