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ツカザキ病院眼科 疾患説明シリーズ Part6 網膜血管閉塞疾患について ツカザキ病院眼科 疾患説明シリーズ Part6 網膜血管閉塞疾患について

はじめに

網膜血管閉塞疾患はどんな病気? 網膜血管閉塞疾患はどんな病気?

動脈硬化が進むことで網膜の静脈が詰まる病気(網膜静脈閉塞症)、網膜の動脈が詰まる病気(網膜動脈閉塞症)を発症することがあります。また、それぞれの病気において網膜の根っこである視神経乳頭部分の血管が詰まるタイプ(網膜中心静脈閉塞症、網膜中心動脈閉塞症)、中心から出て、枝の部分の血管が詰まるタイプ(網膜静脈分枝閉塞症、網膜動脈分枝閉塞症)があります。それらが原因で、黄斑浮腫や、新生血管による硝子体出血が起こり、視力、視機能が低下します。場合によっては失明の危険もあります。

症状は?

程度が軽い場合、自覚症状の無いこともありますが、多くの場合、突然の視力低下や視野異常、歪みを自覚します。日本では50万人前後の患者がいると推測されています。
正常眼・網膜静脈分枝閉塞症・網膜中心静脈/動脈閉塞症の眼底写真 正常眼・網膜静脈分枝閉塞症・網膜中心静脈/動脈閉塞症の眼底写真
  • B. 網膜静脈分枝閉塞症(BRVO, Branch Retinal Vein Occlusion)網膜上方に限局的に眼底出血を認める。
  • C. 網膜中心静脈閉塞症(CRVO, Central Retinal Vein Occlusion)網膜全域に広範囲の眼底出血を認める。
  • D. 網膜中心動脈閉塞症(CRAO, Central Retinal Artery Occlusion)一見、正常眼底の様に見えるが、黄斑中心部の周囲が中心動脈閉塞のために全体虚血を生じて白っぽく変性し、チェリーレッドスポット(Cherry red spot, 紅実斑点)を呈している。

治療法は?

病気のタイプや種々の検査、血管異常の程度、生活習慣、全身既往歴、過去・現在の投薬状況から総合的に治療方針を選択します。網膜静脈閉塞症による黄斑浮腫に対しては抗VEGF薬の硝子体注射やステロイドテノン嚢下注射を行います。また、血管閉塞の領域が広い場合、低酸素状態から悪い血管(新生血管:非常に弱く出血が頻発する血管)が発生するのを防止するために、レーザー治療を行うこともあります。注射の治療が出来ない場合や、経過観察中に硝子体出血を認めた場合、また、注射の効果が少なく、抗VEGF薬硝子体注射を長期間(1年以上程度)施行した場合には、状態に応じて硝子体手術を施行します。網膜動脈閉塞症の場合は、急性期に点滴、前房穿刺、眼球マッサージなどを行います。いずれにしても適切な検査、患者さんの眼や身体の状態を正しく把握することが、治療の第一歩となります。

網膜血管閉塞疾患について

  • 田淵
    網膜血管閉塞系の疾患は、脳に例えると脳梗塞、心臓に例えると心筋梗塞に当たりますから、突然症状が現れるのが特徴ですね。永里先生、その疾患の種類について、教えて頂けますか。
    永里
    A. 大きく分けると二つあります。心臓に戻ってくる血管(静脈)が詰まるタイプ(網膜静脈閉塞症)と、心臓から出ていく血管(動脈)が詰まるタイプ(網膜動脈閉塞症)です。またそれぞれ、網膜の中心部分が詰まるタイプと、中心から分かれた枝部分が詰まるタイプがあります。
    網膜血管閉塞疾患インタビュー
  • [正常眼・BRVO・CRVO・CRAOの眼底写真]
    正常眼・網膜静脈分枝閉塞症・網膜中心静脈/動脈閉塞症の眼底写真 正常眼・網膜静脈分枝閉塞症・網膜中心静脈/動脈閉塞症の眼底写真
    A.正常眼
    B.網膜静脈分枝閉塞症(BRVO, Branch Retinal Vein Occlusion)
    網膜下部に限局性に眼底出血を認める。
    C.網膜中心脈閉塞症(CRVO, Central Retinal Vein Occlusion)
    網膜全域に渡って広範囲の眼底出血を認める。
    D.網膜中心脈閉塞症(CRAO, Central Retinal Artery Occlusion)
    一見、正常眼底の様に見えるが、黄斑中心部の周囲が中心動脈閉塞のために全体虚血を生じて白っぽく変性し、チェリーレッドスポット(Cherry red spot, 紅実斑点)を呈している。
  • 田淵
    網膜静脈か網膜動脈が詰まる病気なんですね。しかも中心部分なのか枝分かれした先の方なのかで分類されている訳ですか。
    永里
    基本的にはその通りです。中心部分で詰まる病気を中心閉塞症、枝分かれした先で詰まる病気を分枝閉塞症と分類しております。また、それぞれにおいて発症後に血液の流れが良いタイプ(非虚血型)と悪いままのタイプ(虚血型)にも分類しています。
  • 田淵
    重症なのは、どちらのタイプなんでしょうか。
    永里
    虚血型が非虚血型より重症です。非虚血型であっても、数か月~数年で虚血型に変わってしまうこともあるので、注意が必要です。
  • 網膜血管閉塞疾患インタビュー
    田淵
    虚血性視神経症という病気もありますが、この病気もなかなか深刻な後遺症を生じますよね。
    永里
    先ほどは網膜に栄養を与えている血管が詰まって起こる病気でしたが、虚血性視神経症は、網膜の根本となる視神経に栄養を与えている血管が詰まって起こる病気です。タイプによっては、すぐに失明したり、もう片方の正常眼にも発症することがあるので、すぐに入院加療を行ったり、眼科だけでなく、脳外科と一緒に治療したりすることもあります。
  • 田淵
    だいたいの方が軽快していくBRVO(網膜静脈分枝閉塞症)でも、黄斑部に水膨れ(浮腫)が生じて視力が悪いまま固定される方がおられますよね。
    永里
    ご指摘の通りです。黄斑浮腫という状態になってしまうと、多くの患者さんが徐々に視力が下がってしまいますので、発症してから数ヶ月以内の状態であれば、より積極的に、そうでなくても必要に応じて治療を行うべきだと考えます。
  • [ BRVO(網膜静脈分枝閉塞症)による黄斑浮腫]
    BRVO(網膜静脈分枝閉塞症)による黄斑浮腫 BRVO(網膜静脈分枝閉塞症)による黄斑浮腫
    A. ツカザキ病院では3種類の網膜断層像(OCT像)撮影装置 ( 3D-OCT2000、DRI-OCT-1、スペクトラリス)を用いて症状に応じて治療にあたります。
    B. 正常者のOCT像
    C-1とC-2. C-2の通常眼底写真(網膜中心部を上から見た像)に上書きされている黄色の矢印がC-1のOCT像(網膜を縦切りにした断層像)の画像特定位置になります。網膜中心部で網膜が大きく変形し、腫れている状態(浮腫状)である事がはっきりと分かります。

検査について

  • 田淵
    ツカザキ病院眼科ではどのような検査で診断をするのでしょうか?
    永里
    視力検査と眼底検査、眼底造影検査、網膜断層解析検査(OCT)を行っております。また、我々は同時に非侵襲的に網膜血流量や網膜感度を調べることで、視力検査だけでは分からない、治療前後の様々な変化を患者さんと共有して、より良い治療の選択が出来るよう心がけております。
  • [ 蛍光眼底造影検査(FA, Fluorescein Angiography)によるCRAO/BRVO所見]
    蛍光眼底造影検査(FA, Fluorescein Angiography)によるCRAO/BRVO所見 蛍光眼底造影検査(FA, Fluorescein Angiography)によるCRAO/BRVO所見
    A.当科の蛍光眼底造影(FA)画像撮影装置(TOPCON,TRC-50DX)
    B.正常者のFA画像
    C.CRAO(網膜中心脈閉塞症)眼底への血流の根本である中心動脈が閉塞しているため、網膜動脈(赤矢印)のみならず網膜静脈(青矢印)の両方の血管が広範囲に黒く抜けている像が得られている。(白い造影剤が流入していない。すなわち血流がない。)
    D.BRVO(網膜静脈分枝閉塞症)眼底の血流が心臓へ戻る方向の血流を通す静脈が白矢印付近で閉塞しているため戻ろうにも戻れなくなってしまい、血液が溢れるような状況でその上方に眼底出血を認める。
  • 田淵
    検査には苦痛が伴いますか?費用についても教えて下さい。
    永里
    眼底造影検査では造影剤を点滴しながら検査します。また、網膜断層解析検査(OCT)等では、まばたきを少しの間、我慢して頂く必要があります。以前は必ず散瞳を行っていたため、ご自身で運転して来院されることは禁止していましたが、最近は可能な限り散瞳はせずに診療をしております。
    費用に関しては、自己負担割合の1~3割で大きく変わりますが、特殊な検査をしない通常の検査であれば、1000~3000円程度です。

治療について

  • 田淵
    治療にはどのようなものがあるんでしょうか。
    永里
    眼球の外側へのステロイド注射や、眼球の中の硝子体内への抗VEGF薬(ルセンティスやアイリーア)注射、または網膜へのレーザー治療、もしくは手術治療があります。他にも効果は少ないとされていますが、内服や点眼治療があります。一般的には抗VEGF薬硝子体注射をすることが多いですが、必要に応じて他の治療法を選択、追加選択します。
  • 田淵
    なるほど、いろいろな組み合わせがあるんですね。
    永里
    その通りです。病気のタイプや患者さんの全身の状態によって決めています。実際は、抗VEGF薬の眼球内への注射をまず行い、タイプによってはレーザーも行い、それらで改善しない場合は手術をする、という方針が多いです。
  • [血管閉塞疾患に対するいろいろな治療] 血管閉塞疾患に対するいろいろな治療 血管閉塞疾患に対するいろいろな治療
    A.テノン嚢下ステロイド注射:眼の中ではなく、白目の薄皮(結膜)と眼球の壁(強膜)の間にあるテノン嚢膜と呼ばれる結合組織の下にステロイド薬を注入します。眼内炎のリスクはほぼゼロですが、結膜切開が必要で、眼が真っ赤になり注射後の違和感は大なり小なり必ずあります。
    B.抗VEGF剤の硝子体注射:眼の中に注射します。注射自体はさほど苦痛を伴う訳ではありませんが、硝子体出血、水晶体損傷、網膜剥離、眼内炎等の合併症のリスクが常にある上に、通常複数回の注射が必要となりますので、ツカザキ病院眼科では通常手術と同等の扱いとなり、手術室内で施行します。現在厚労省から認可を受けている抗VEGF剤は、BRVO(網膜静脈分枝閉塞症)による黄斑浮腫に対してのルセンティス®、CRVO(網膜中心静脈閉塞症)による黄斑浮腫に対してのアイリーア®の2種類となります。(B 図内左上部)
    C.網膜レーザー治療:ツカザキ病院眼科ではアルゴンレーザー(Novus Varia)とパターンスキャンレーザー(PASCAL)それぞれの医学的特性をいかして、病状に応じ組み合わせて使用しています。
     C1(下図). アルゴンレーザー(Novus Varia)を用いたBRVO(網膜静脈分枝閉塞症)治療: 白矢印部位で比較的不揃いだが密なレーザー凝固斑を認める。
     C2(下図). パターンスキャンレーザー(PASCAL)を用いたCRVO(網膜中心静脈閉塞症)治療: 白矢印部にわずかだが、完全に均一なパターンのレーザー凝固斑を認める。
    D.網膜硝子体手術 : 黄斑浮腫が上記の治療に抵抗する場合、合併した硝子体出血が自然吸収されない場合、硝子体牽引や網膜前膜を生じている場合等では硝子体手術を施行する事があります。
  • [2種類のレーザーによる治療後眼底写真(説明文は上記にあります)]
    2種類のレーザーによる治療後眼底写真 2種類のレーザーによる治療後眼底写真
  • [ 良好な結果をたどったBRVO(網膜静脈分枝閉塞症)症例 ]
    ※ただし、治療が奏功しない症例も数多くある事、逆に治療をしないで経過観察だけでも自然に軽快する症例も存在する事にご注意下さい。
    この症例では、当該患者さんとの相談の結果、抗VEGF剤の硝子体注射治療の選択になり、3回の注射施行により幸いな事に3か月後にはほぼ軽快となりました。
    網膜血管閉塞疾患について
    網膜血管閉塞疾患について
  • 田淵
    注射治療には費用の面で心配な事があると思いますが。
    永里
    ルセンティス、アイリーアという硝子体内に注射する薬を使うことが多いのですが、1回当たり、1割負担の方で20,000円近く、3割負担の方で55,000円程度必要です。そして、病状に応じて1カ月に1度の割合で行うこともあります。非常に高価な治療であり、厚生労働省の認める高額療養費制度の利用で負担が軽減される事も多いので、最初に病気だけではなく、高額療養費制度に対するパンフレットもお渡ししております。
    高額療養費制度に対するパンフレット
  • 田淵
    先生と相談しながら、進めていくんですね。
    患者さんに色んな意味でストレスがかかる疾患ですが、先生のこの疾患に対する考え方や、患者さんから学んだ事があれば教えて下さい。
    永里
    突然見えづらくなり、治療してもなかなか改善せず、患者さんによっては悪くなってしまう、そして「この治療法がベスト」というものがない網膜血管閉塞疾患は、患者さんにとっては肉体的にも精神的にも非常に辛い病気です。
    その時々で最善と考えられる治療の選択を行っていくことはもちろんですが、基本的にはずっと付き合っていく必要のある病気ですので、より良い視機能を得るために、患者さんと医師が向き合うというよりも同じ方向を向いて一緒に頑張って治療を続けていく気持ちが大切だと考えています。
  • 田淵
    特効薬もなく、根治させるような手術療法もないこの領域で、先生が現在取り組んでおられる臨床研究のテーマはどんなものがあるんでしょうか。
    網膜血管閉塞疾患インタビュー
    永里
    同じ病気で治療をしても、患者さんによっては良い方向に向かうし、悪い方向にも向かってしまいます。以前、それらの効果が血流の良し悪しに関係していると、論文で報告させて頂きました。また、最近は人工知能を用いて、病気を高いレベルで診断出来ることを報告させて頂いております。今は、人工知能を用いて視力予後が予測できないか、また視機能予後の悪い患者さんの要因にどのようなものがあるか等を、京都大学や徳島大学、香川大学等多くの大学病院と共同で研究しております。
  • 田淵
    治療法を探索するためには、どうしてもいろいろな検査を受けて頂く事になりますね。
    どんな検査があるんでしょうか。
    永里
    我々は一般的な視力検査や眼底検査、網膜断層解析検査(OCT)だけではなく、眼底造影検査や網膜の血流や感度を計る検査、黄斑浮腫の体積を計る検査を治療前後に行い、多角的に治療の効果を調べ、判断の補助としております。
  • 田淵
    ツカザキ病院眼科の網膜血管閉塞疾患領域のリーダーとしての永里先生が描く未来像を教えて下さい。
    永里
    一般的にあまり知られてない名前の病気なので、大概の方が驚かれます。そして、現在の治療では改善できないことも多く、それでも治療しないと悪化することも多いので、継続加療には患者さんの強い意志が必要となってきます。今は世界のスタンダードの治療を続けることがベストではありますが、今後は新たな治療方法や治療薬を見つけ、いつかは『治らない病気』から『治る病気』になることを願っています。
  • 田淵
    ありがとうございました。
網膜血管閉塞疾患でお悩みの方は、どうぞお気軽に当科を受診下さい。
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