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新型コロナウイルス対応の現場より

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2021.02.03

新型コロナウィルス感染の治療について

新型コロナウィルス治療チームの萩倉と申します。
本年1月7日入院患者さんに新型コロナウィルス感染が判明し、一斉検査により複数名の患者さん、職員の感染が判明しました。
入院されている患者さん、またそのご家族には大変ご心配をおかけしております。外来・入院診療を中断させていただいており、当院の外来で普段診療を受けられていた方にも、大変ご迷惑をおかけしております。
そして残念ながら命を落とされる方もいます。新型コロナウィルスで命を落とされると、今際の際を共に過ごせないことが多いです。またお顔をお見せすることもできないままになってしまうことも多くなっています。ご本人はもとよりご家族の無念は想像に難くありません。

『ご高齢の方、透析をされているなど元に重病がある方、心血管病をお持ちの方は重度の肺炎を起こしやすく、また命を落としやすい』…そういった国内国外で報告されてきたような状態は、そして少し前までニュースで見ていた新型コロナウィルス専用病床の様子は、現実に目の前で起きています。

これだけ感染の広がりのあるウィルスですので身の回りに感染を起こしてしまった事のある方がいらっしゃるかもしれません。若い方にとっては、感染はし易くても単なる『かぜウィルス』で済んでしまい、感染しても平気ではないかと誤解を生むことがあります。残念ながら不公平なウィルスという側面を持ち、高齢でもともと御病気をお持ちの方にとっては『殺人ウィルス』になります。
(以下不快な表現を含んでしまうかもしれません。) 新型コロナウィルスの肺炎は静かに起こります。感染判明から1週間ほどたち、安定しているかなと思った矢先にSpO2と呼ばれるいわば体内の酸素の濃度が、静かに低下します。患者さんは少し咳があっても発熱があまりみられなかったり、症状に乏しくいわば『けろっと』している状態です。レントゲンでわずかに炎症の像がみられたりしますが、広い範囲ではありません。酸素を少しだけ吸うようにします。翌日には酸素の量が多くなります。レントゲンの炎症の像はみるみる広がっています。しかし、症状はあまり変わりありません。ご飯もよく食べられています。しかしその翌日には…酸素の濃度が保てなくなり、患者さんの意識が遠のきます。高濃度の酸素を吸うようになっています。『これ以上は酸素の濃度を上げられない、呼吸の管を入れて機械任せの呼吸にしなければ助からない。』 こういった判断になったとき新型コロナウィルスの肺炎に対し、呼吸補助専用の管を口から肺に近いところに通して「人工呼吸器」という治療方法を検討します。しかし元々の状態が悪く、患者さんないしご家族から呼吸の管を入れてまでの治療を希望されないことも多く…、静かに息を引き取ります。静かに…

内科の専門医、感染症専門看護師を中心にチームで新型コロナウィルス感染の治療にあたるようにしています。2021年1月31日現在、この治療を行ったら命を救う事ができたと明らかな結果がある薬はステロイドと呼ばれる薬のみとなっておりますが、そのほかの治療薬でもすでに多くの患者さんに使用され効果が期待でき、副作用のデメリットより治療に対するメリットが上回る可能性のある治療薬については説明をさせていただき、その上で希望があれば投与させていただく方針としております。

感染が成立してから症状(発熱など)が生じるまでの期間(いわゆる潜伏期)は平均5-6日とされていますが、個人差も多く2週にも及ぶことがあります。また恐ろしいことに、誰かから誰かに新型コロナウィルスをうつしてしまう割合を100%とした場合、発熱といった症状がみられる前に半数近く(44%)がすでに感染が成立しており、感染の広がりを予測することが困難です。

現在、感染が明らかな方には、新型コロナウィルス専用病床に移っていただき治療を受けていただいています。新型コロナウィルスに感染してしまった方には1分1秒でも早い改善を目指し、また外来・救急診療を再開し地域医療のお役に立てるように、チーム一丸取り組んでいます。

内々の話になってしまい恐縮ですが、新型コロナウィルス感染症専用病床での勤務は過酷です。看護師、臨床工学技士、理学療法士、作業療法士など、専用病床内の患者さんにできるだけの治療を維持しようと取り組んでくれています。医療用ガウン、特殊マスクを装着し、頻回の手指消毒を行いながら…。
消毒液で手が荒れるといった事は容易に想像がつくかもしれませんが、マスクで耳や鼻、頬に深い傷を負ってしまうとか、想像がつきますでしょうか。痛くても患者さんに早く良くなっていただくために、自身が感染をしないように、完全防備を続けなければいけないのです。またガウンは密封性が高いだけに非常に暑くなります。非常に過酷な環境です。
夜間のスタッフのご対応など至らない点があるかもしれません。しかしながら、徐々に慣れてきたとはいえ上記のような過酷な環境です。御容赦いただけますと大変ありがたいです。
病状の説明など、新型コロナウィルス治療チームの担当医師が可能な限り行いますので、至らない点などその際にご指導いただけますと幸いです。

 

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