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新型コロナウイルス対応の現場より

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2021.03.31

日々新たになる情報

新型コロナウィルスチームの萩倉と申します。

桜が色づき始めました。新型コロナウィルス治療チームとして共に戦った3人の先生方は、ご自身の新天地に転勤をされます。別れの季節でもあります。
残った5人は、おそらくはこの5年10年は何らかの形で続くのであろう新型コロナウィルスとの戦いに備え、4月以降も当院での勤務を続けます。
新型コロナウィルスとの戦いと、普段我々が急病の方に行う手術・カテーテルなどは、同じ病棟で相いれないものになりますので専門の対策が必要となってきますが・・・
この話はまた機会がありましたら。

日本の新規発生者数はまた増加に転じており、第4波に移行しています。
4月からは多くの新入職員の方がいらっしゃいます。必須な『人のながれ』ではありますが、感染の機会の一つではありますので気を引き締めていきたいと思っています。

 

さて、ワクチン接種を受けました、の続報になります。
1回目の翌日、腕が上がらないくらいのワクチン投与部分の痛みがでました。
以前報告させていただいた通りで、ワクチン投与を受けた日自体は全く痛くなかったのですが・・・。
痛い痛いと言っていたら、息子が絆創膏を貼ってくれました (ホッコリ)

ただし1回目はその痛みのみで、翌日痛かっただけ。翌々日にはほぼ普段通りでした。
そこからはやいもので3週間が経ちましたので、先日2回目を打ちました。
例えば我々のような年代(16-55歳)がBioNTech/pfizerのmRNAワクチンを打った場合、2回目は打った場所の痛みは減る(それでも78%…)ようです。期待していたら確かに痛みはあまりないな、という印象でした。
が…、ワクチン接種を受けた翌日の朝に熱が出て悪寒がして関節が痛くなって、あまりに生活に支障がでるので解熱鎮痛薬をのむ羽目になりました。
専門の先生に言わせれば『熱も新型コロナウィルスに対する抗体を作っている過程の一つなので解熱薬は使用しない』とのことですが、ワクチン報告論文中にも解熱鎮痛薬を飲んだ患者さんは約半数(45%)いましたので、まあ効果に変わりはないかなと判断してしまいました。そんな症状も半日程度でよくなりました。
報告論文では、16-55歳の2回目のワクチン後は、2割(16%)に38℃以上の発熱、6割(59%)に全身倦怠感、5割(52%)に頭痛、4割(35%)に悪寒、4割(37%)に筋肉痛、2割(22%)に関節痛、1割(10%)に下痢がみられ、下痢以外はいずれも1回目よりも高率の報告でした。
周囲の方に聞いてみたところ(実際の統計をしてみた訳ではないので、不確かです…)、1回目投与後の発熱はほとんど聞きませんでした(100人に1人といったレベル)。一方2回目の投与後は、2割よりも多いのでは、という印象です。日本人特有なのでしょうか。
2回目投与翌日の仕事の形態を検討する必要があるな、と考えました。

解熱鎮痛薬は病院に行かずに薬局で手に入る薬でよいように思います。タイレノール®など、アセトアミノフェンがよいのではないでしょうか。ただ、処方無しのアセトアミノフェンについては一回に飲んでよい量というのが少ない(実際効きにくい)ので、あまりに倦怠感や筋肉・関節痛、発熱が大変な時は受診して、実際に楽になれるような量で薬を飲めるように処方していただくことを勧めます。
感染予防・拡大防止のために必要な体の反応で、当然のことと思えていますので、そのような気持ちで臨まれたらいかがでしょうか。(とくに2回目…)

 

さてさて変異種やワクチンの種類。気になる点だと思います。色々なうわさが流れます。
・アストラゼネカのワクチンは、南アフリカ変異種に効果が低いらしい。
これは本当のようです。信頼性の高い論文(New England Journal of Medicine)となり発表されています。
南アフリカにおいて、2回目(1回目から3-5週後)投与から2週間以降のEfficacy 21.9% (なりにくさ1.3倍) と発表されました。ワクチンとして有効と考えられるEfficacyはインフルエンザのワクチンの実績をもとに60%と設定されることが多いそうですが、90%だった初回試験からはほど遠くなってしまった印象となりました。

The NewYork Timesというアメリカの新聞社のホームページに、変異種の解説がありました。南アフリカ変異種(B.1.351)はワクチンの対象となるスパイク蛋白(赤い部分)遺伝子部分にたくさんの変異がみられます。
じゃあ、ファイザーのワクチンの方がいいじゃないか、という話になります。ところがファイザーのワクチンも、南アフリカ種には効果が低いことがほぼ同時期に同じ雑誌に載りました。

どっちでもいっしょじゃないか。熱とか出るんだったら、ワクチンなんて打たない方がいいんじゃないか。

ごもっともな感想かもしれません。
ただ、国内の変異種の正確な分布が把握できていないため私見交じりにはなってしまいますが、今のところまだ日本の新型コロナウィルスは変異種が優位ではないと考えられることや、国民の過半数が早い段階でBioNTech/pfizerのmRNAワクチンと受けたというイスラエル、またアストラゼネカのワクチンを主に使用しているというイギリスで抑え込みに成功しそうだという新規感染者数のグラフ(下図)を見ると、そういった変異種が広がる前に抑え込みを目標としてたくさんの方がワクチンを打つ必要があると考えています。イギリスでは2020年12月上旬、イスラエルでは2020年12月中旬にワクチン投与がスタートしました。いずれの国もワクチン開始から3ヶ月以上経って抑え込みの目途がついてきています。2月19日から始まった日本では6月以降に効果がみられてくるでしょうか。日本のグラフは明らかに第4波が始まっています。ワクチンをできるだけたくさんの人に届けること、また今まで行ってきた感染対策を目標を持って続けることが第4波の死亡者を減らす鍵となってくると考えています。

さて、イエローカードというもの、ご存知でしょうか。ぱっと思いつくものは、サッカーの反則という方が多いはず。
『感染症 ワクチン イエローカード』と検索いただくと、おそらく多くの方のパソコン・スマートフォンで出てくる情報は『黄熱』という病気だと思います。コロナと関係がない?
イエローカードとは黄熱が流行っている特定の国にわたる前に、黄熱のワクチンを打っておかなければ入国できない、というWHO(世界保健機構)が設定している制度になります。そして、今後新型コロナウィルスのワクチン投与が海外旅行の条件になってくる時代がくるのでは、との予測があります。

上記がイエローカードの見本です。黄熱に関しては1回ワクチンを打てば一生通用するようになっているそうですが…。
新型コロナウィルスに関して3月30日現在そのような制度は正式に成り立っていませんが、そのような制度を正式に設定するかどうか。2021年3月9日のWHO発の情報に記載がありました。
ワクチンは重症化を防げる効果があってもヒト-ヒト感染が防げないのではないかという考え(これはもう、『防げる』というイスラエルのデータが得られています)や、ワクチンの世界の広がりが限定的であったりすることから、3月9日現在では入国出国要件とするような制度化は推奨しない、とのことでした。
ただし、新型コロナウィルスに対するワクチンを打っているかどうかの証明というのは今後必要な事で、イエローカードみたい紙ベースではなくデジタル証明という手法を検討しているとも記載されていました。
デジタル証明…。例えばスマートフォン内のアプリになるのでしょうか。ワクチンを打った回数、日時なども記録されるはず。スマートフォンをお持ちでない個人もいらっしゃいますので紙ベースも必要?
1回打ちにして、できるだけたくさんの方に打ち感染の広がりを防ぐ、という戦略をとっている国もあると思いますが1回打ちの証明書で他国は入国を認可してくれるのか、既感染者のワクチンは1回でいいのか…などなど、デジタル化するにしても問題はたくさんです。全ての国で統一した接種証明とするには、シンプルな内容にせざるを得ないような気がしますので、2回打ち=証明というのが現実的でしょうか。
いずれにしても、新型コロナウィルスが多くの国で重要課題となっている今、今後海外旅行に適切なワクチン投与が必要な可能性は高いとふんでいます。

 

皆さんの大切な人が心臓血管の急病で失われる事のないようにすることも、新型コロナウィルスへの対策と並行して取り組んでいます。
6月くらいの日本の状況はどうなっているでしょうか。一つの目標のラインと考えています。
共に乗り切っていきましょう。

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