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新型コロナウイルス対応の現場より

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2021.07.07

目標や、楽しみはありますか。

ワクチンを打ちました、から早いもので3ヶ月が経過しました。
2021年3月上旬から当院で職員対象のワクチンが始まり、4月にかけ当院勤務者は新入職員を含めてほぼワクチンを接種しました。
当年1月2月に院内で多くの感染者が見られてしまい、2月初旬に最後の職員の感染が判明して以来、職員の新型コロナウィルス感染者はゼロです。
当院は脳・心臓血管の急病の方が毎日多く入院されますので、安心して治療を受けていただけるようにこの体制を続けたいと考えています。

救急患者さんの受け入れの体制と、新型コロナウィルス感染の治療と並行は難しく、7月1日より当院に新型コロナウィルス感染治療が可能な病棟が建ちました。病棟はCHCU…corona (COVID-19?) high care unitと名付けられました。
呼吸に対する種々の機械的補助 – 人工呼吸器や、ECMOと呼ばれる血液体外循環治療まで- 対応可能な病棟です。
今後予想される第5波に備えています。

病棟の様子です。

↓↓ ※注 以下、少し個人的な意見が続きます。 ↓↓
病院としての意見ではないです。ブログですのでご容赦いただけましたらとおもいます。

2021年7月になりました。コロナが流行りだし、早いものでもう1年以上がたちました。
オリンピック含めて、何かこう、ぱっとしない夏です。
何か目標はあるでしょうか。楽しみはあるでしょうか。

少し話が変わるかもしれませんが、エネルギーにあふれ各職場の原動力となるような若い世代の活動は、重要です。
そういった人たちに伝わりにくい目標がないままというのが、どうもぱっとしない世の中の原因のようにも思っています。

緊急事態宣言はなんとなく過ぎ、自粛という言葉の重みも薄れ、『疲れた』?『限界』?
コロナになった人は知っているけど、亡くなる、という感じではなかったよ。
ワクチンは、亡くなりやすい高齢者だけ打てばいいんじゃないの?
ワクチン打った後に亡くなった方もいるというし、よくわからないから打ちたくない。
正直なところ、こんな声でしょうか。

ワクチンを打ったあとの私自身の感想です。
ワクチンを打つことで、社会に対しても、家族に対しても、非常に安心できる生活になっています。

『ワクチンを待ち、順番がきたら早めに打つ。』
目標は、それだけでいいのではないでしょうか。

完璧な自粛が難しいのであれば…、友人・恋人とかけがえのない若い時間は、ワクチンさえ打てばもう自由に過ごしていただいたらいかがでしょうか。
元の生活は、もう目の前にあると思います。

友人、恋人にうつす可能性も下げられるでしょう。
自分が知らず知らず感染し持ち込んだ新型コロナウィルスで身内を亡くしてしまうという事も起きにくくなるでしょう。
ワクチンを打てない事情の方、妊娠、アナフィラキシー(血圧が下がったり呼吸困難になったりといった強烈なアレルギー)の歴のある方、そして子供たち…、こういった方を守ることになります。
ワクチン後に亡くなってしまった方、そのほとんどは隠れていた致命的な病気がたまたま表に出てしまったからだと考えられています。我々が普段から遭遇する致命的な急病は、急性心筋梗塞、大動脈瘤破裂、急性大動脈解離、また脳神経外科では脳出血などがあります。これらは急に起きる病気ながら、その原因は長年かけて蓄積された動脈硬化、動脈の変形、生まれつきの奇形が原因です。ワクチンがそれらの病気を短期間で作ることは2021年7月6日現在例がありません。

以上は極論なのかもしれません。
また自粛が問題なくできていらっしゃるご家庭では、そのままの生活で良いように思います。

↑↑ 個人的な意見はここまで ↑↑

また、少し話が変わります。

なんだかいつのまにウィルスの呼び方が変わっていますね。
イギリス変異種→α(アルファ)
南アフリカ変異種→β(ベータ)
ブラジル変異種→γ(ガンマ)
インド変異種→δ(デルタ)

WHOのホームページには2021年7月6日現在
ε、Ζ、η、θ、ι、κ、λ
まで記載があります。θはシータですね。ラピ〇タでおなじみ。Ζはゼータ… ここまでにしておきましょう。

どうやら同じ場所からさらに違う変異種が出てきてしまうようです。
(γとΖはブラジル、δとκはインドのようです)
土地や、Lineage(B.1.1.7など)、遺伝子の特定部分(N501Yなど)から示すのが大きな混乱のもとになっており(国、自治体、新聞社などで使い方が乱立するため)、WHOでは上記の様なギリシャ文字で統一するよう提言があったようですね。
2021年7月6日現在11種。ギリシャ文字は24種。売切れたらさあどうなることやら…考えたくもありませんが。

インフルエンザはもともと土地の名前で分類され、その後ヘマグルチニン(H)とノイラミニダーゼ(N)による分類がなされるようになりましたが、未だにワクチンの選定株は土地の名前がついています。
これはご高齢の方の方が、よほど私よりも知識がありその時代を生きてこられたのでよくご存知かもしれません。
1918年の『スペインかぜ』は、インフルエンザウィルス(H1N1亜型)の大流行だったようです。スペインから始まったわけではなく、流行の中心はアメリカだったようです。
約6億人がかかり、5000万人前後の死者が出たそうです(!!)
その後アジアかぜ(H2N2亜型)、香港かぜ(H3N2亜型)などいずれもインフルエンザウィルス。
2021年6月末現在、世界で1億8千万人超が新型コロナウィルスにかかり、400万人近い方が命を落とされていますが、スペインかぜほどの被害には至っていないのかもしれません。

朗報も少し。
いわゆる南アフリカ変異種(β)にも有効性の高いワクチンが6月末New England Journal of Medicineと呼ばれる医学雑誌に報告されました。Novavax社製のワクチンのようですが、日本では武田薬品が提携して生産をするようです。
含まれるのはスパイク蛋白の模型のようで、ファイザーやモデルナのようなmRNAワクチンよりは少しシンプルなワクチンのようですが、ナマコや大豆に含まれることで有名なサポニンを原料にしたアジュバント(ワクチンの効果を増加させる混合物)が含まれ、89.7%という高いefficacyが報告され、このワクチンはイギリス変異種(α)や南アフリカ変異種(β)にも効果が高いことも同時期に報告されています。同じように2回打ちです。

いざコロナにかかってしまったあとの治療薬も大きく進歩しています。
今までは、いざコロナになっても重症化するまでは特定の治療薬はありませんでした。いざ重症化してからレムデシビルといった点滴治療薬を使うようになるのですが、現場の声としては『重症化するとなかなか助からない』というのが本音です。
重症化を食い止める薬が切望されました。

ファビピラビル(アビガン®)、イベルメクチンといった、効果が明らかとなっていない薬はアメリカや日本の新型コロナウィルス治療を主に行っている施設では使用されていませんが、アメリカですでに使用可能となっている重症化を食い止める薬があります。

モノクローナル抗体と呼ばれる、主に抗癌薬の範囲で広く使用されているような薬になりますがウィルスに対する抗体自体を点滴薬として体内に投与します。
レムデシビルと違うのは…性質上その他一般のモノクローナル抗体治療薬と同じように、値段が高いことだと思います。
NIHとよばれるアメリカ国立衛生研究所が示すガイドラインに記載されており、入院をする前の状態に点滴使用をします。変異に対応するため2種類の混合投与としており、
Bamlanivimab + Etesevimab
ないし
Casirivimab + Imdevimab
といった薬が治療ガイドラインに記載されています。

前者はイーライリリーという会社が作っており、日本でも主には糖尿病の治療薬で有名な会社です。ワクチンの広がりにもよりますが導入が見込まれる薬と考えられます。

mRNAワクチンと同じように高度な技術で作られ、近代医学の技術の結晶ともいうべき治療薬なのですが、新しい薬で当然副作用も未知数です。
ただこういった薬は理論上ウィルスだけを攻撃するものですし、特に重症化したら命を落としうる方には積極的に使用が検討されます。
注射薬で、症状がでてから10日以内の使用、1回だけ点滴で治療を受けます。

入院をしてしまったらレムデシビルやステロイドでの治療をしましょうというのは、効果が明らかになっている治療法ですので依然同じです。

さて、前回ブログで少しふれた、ワクチンパスポート。
少し現実味を帯びてきているようです。
国内の移動も少ししやすくなるでしょうか。

ワクチンを打って、
孫と会いたがる父母もつれて家族で旅行にでかける。

夏から秋にかけて実現しますように。
私の楽しみです。

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