平成30年度 ツカザキ 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 49 82 78 107 278 557 1272 2110 1422 242
当院における平成30年度退院患者の平均年齢は69.7歳、60歳以上の患者割合が全入院患者の81.4%を占めています。 平成29年度は、平均年齢が69.0歳、60歳以上の患者割合が81.2%でしたので、社会の高齢化に伴い、平成29年度に続き当院に入院される患者さんの年齢層が上がることで、徐々に60歳以上の患者割合が上昇していることが分かります。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 88 4.93 4.96 0.00 68.70
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 25 5.40 7.30 0.00 61.20
060060xx99x30x 胆嚢、肝外胆管の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等23あり 副傷病なし 24 4.04 7.48 0.00 67.83
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 18 12.72 15.30 5.56 69.72
060150xx02xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴うもの等 16 8.56 9.94 0.00 53.38
前年度と比較し、疾患数の計算対象外となっていた鼠径ヘルニアが最も多く、次いで胆嚢炎・胆石を多く治療しました。当院では胃がん、大腸がんなどの悪性腫瘍を中心に手術や化学療法を実施しています。また、前年度上位5位に入っていなかった胆嚢癌・肝外胆管癌の症例数が前年度と比べ、約2倍になっています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 153 26.72 26.30 58.17 80.56
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 72 21.76 24.26 6.94 74.85
160720xx01xxxx 肩関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿等 24 6.71 15.48 8.33 73.38
160700xx97xx0x 鎖骨・肩甲骨の骨折 手術あり 副傷病なし 22 8.27 6.07 0.00 60.77
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 19 32.26 22.27 5.26 66.26
大腿骨頚部骨折、膝関節症等、整形外科では地域密着型医療機関として、中播磨地区、西播磨地区の患者さんを広く受け入れています。また、入院の約40%は緊急入院であり、地域で発生した外傷等、多くの救急患者を受け入れ、高度医療技術を必要とする外傷等の治療に取り組んでいます。合併症等がある患者さんも多く、高い知識と経験が求められますが、他の診療科の医師と連携を取りながら診療にあたり、安全な医療の提供に努めています。当院では、在宅復帰を目的とする「地域包括ケア病棟」を開設しており、主治医、看護師、専従リハビリスタッフ、在宅復帰支援担当者が協力して、スムーズな在宅復帰を目標に、患者さんのリハビリや在宅復帰支援に関する相談や準備を行っています。上記疾患においても、その利用率は高くなっています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 77 13.77 9.69 11.69 76.60
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 59 12.24 7.35 8.47 65.88
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 30 7.43 7.28 6.67 62.67
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等2なし 30 22.87 16.80 6.67 70.87
010060x2990400 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 3、4又は5 28 21.61 20.17 14.29 72.18
平成30年度、脳神経外科で最も多い入院は前年度同様、外傷性くも膜下出血、硬膜下血種、脳挫傷等頭部外傷に伴う頭蓋内血腫に対する入院が上位を占めました。高齢者の転倒による受傷が多く、平均年齢も76歳と高くなっています。次いで多いのはてんかん、脊柱管狭窄症、発症から3日以内の脳梗塞に対する治療となっています。脊柱管狭窄症に対する治療は神経の通り道が狭くなった脊柱管を広げることで神経の圧迫を取り除き疼痛が改善されます。当院では手術症例も多く患者さんごとの病態に合わせて適切な手術をしています。脳梗塞のほとんどは発症から3日以内に入院することが多くt-PA(血栓溶解療法)や経皮的脳血栓回収術を必要に応じて行っています。また救急症例を積極的に受け入れており、神経内科と連携しながら30年度は約2000台の救急車による搬送を受け入れました。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2なし 22 12.27 12.01 18.18 74.95
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 副傷病なし 20 5.25 8.75 5.00 73.65
050161xx97x10x 解離性大動脈瘤 その他の手術あり 手術・処置等21あり 副傷病なし 18 32.83 28.37 33.33 71.50
050050xx0111xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等11,2あり 手術・処置等21あり 11 28.64 26.73 9.09 80.91
050080xx0111xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等11あり 手術・処置等21あり 10 55.60 37.34 10.00 80.30
当院の心臓血管外科では、中播磨だけでなく西播磨医療圏の医療機関からも緊急手術の必要がある患者さんの紹介を広く受けています。
平成30年度実績の主なものとしては、非破裂性,解離性大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術、次いで多いのは、末期腎不全の患者さんに対するシャント設置や血管移植術、続いて、大動脈弁狭窄症や僧房弁閉鎖不全症など弁膜症の患者さんに対する弁置換術です。 ステントグラフトによる治療では、手術による切開部を小さくすることができ、患者さんの身体にかかる負担を極めて少なくし、循環器内科と連携しながら検査、手術治療を行っています。その他にも狭心症に対する心室瘤切除や閉塞性動脈疾患に対する血管形成等の症例も多くあります。また前年に比べると平均年齢が上がっている特徴があります。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり両眼 744 2.25 5.39 0.00 74.24
020220xx97xxx0 緑内障 手術あり片眼 135 2.39 8.00 0.00 68.56
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり片眼 134 7.06 9.75 0.00 57.34
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 115 2.11 2.84 0.00 71.73
020150xx97xxxx 斜視(外傷性・癒着性を除く。) 手術あり 81 1.79 3.22 0.00 25.25
前年度と比べ、白内障手術が大幅に増加しており、以前は2回に分け片眼ずつ手術を行っておりましたが、両眼を1回の手術で行うようになり、さらに平均在院日数が約2日ということもあり多くの患者を受け入れることができました。尚、日帰りでの対応が多いため、実際は上に記載されている入院症例数以上に多い症例数があります。詳しくは当院の眼科ホームページをご参照ください。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 91 18.91 16.18 13.19 69.36
010060x2990400 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 3、4又は5 56 23.73 20.17 41.07 78.84
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 32 22.31 18.72 40.63 69.91
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病1あり発症前Rankin Scale 0、1又は2 15 22.47 18.22 26.67 75.53
010060x2990410 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病1あり発症前Rankin Scale 3、4又は5 14 23.93 21.44 28.57 82.93
脳神経内科では、脳血管障害、神経免疫疾患、神経変性疾患を中心に診療しています。 中でも入院症例の多くを脳梗塞が占めていますが、外傷に起因しない頭蓋内血腫や、神経免疫疾患、てんかんに関しても多くの治療実績があります。 また、脳神経外科と協力しながら、中播磨・西播磨圏域を中心として積極的に救急車を受け入れております。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1なし 副傷病なし 85 8.86 5.62 2.35 67.02
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 45 9.51 7.20 2.22 70.82
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 副傷病なし 37 2.05 2.53 0.00 73.22
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患 その他の手術あり 副傷病なし 31 6.68 7.13 3.23 70.26
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 24 8.46 12.58 0.00 61.33
平成30年度、泌尿器科で最も多い入院は、尿路結石症に対して経尿道的尿路結石砕石術(TUL)を受ける患者さんでした。次に多いのは、膀胱癌に対して経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)を受ける患者さん、3番目は、前立腺癌の確定診断の為の生検です。悪性腫瘍に対する症例が当院においても増加傾向にあり、時代を反映しています。結石が原因で腎盂腎炎を発症された患者さんに対する尿管ステント留置術を施行した症例も4番目に多く、症状に応じた入院加療となります。前年度と比較すると悪性腫瘍疾患の症例数が大きく増加した印象になります。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 227 2.24 3.01 0.44 68.91
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 188 3.36 4.47 1.06 71.68
050050xx99200x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 108 2.72 3.15 0.93 70.22
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 89 2.18 5.50 4.49 73.70
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術あり 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 76 10.07 12.52 3.95 68.78
循環器内科で最も多い入院症例は、29年度同様に狭心症など虚血性心疾患に対する心臓カテーテル検査です。手首・肘・足の付け根のいずれかから2mm弱の細い管(カテーテル)を心臓の入り口まで挿入し、造影剤を注射して冠動脈(心臓を養っている血管)を撮影する検査です。
次いて多いのは狭心症に対する心臓カテーテル治療です。検査同様に手首・肘・足から検査より少し太い3mm弱程度のカテーテルの中から柔らかい針金を狭い部分に通し、風船やステント(金属製の網目の筒)を挿入して冠動脈を広げる手術です。
閉塞性動脈疾患に対する血管拡張目的治療も前年度比較すると増加しており患者さんの症状、ADL等リスクに配慮した治療が必要になります。虚血性心疾患同様の短期入院での治療日数となります。
また今年度は5番目にランクインしている急性心筋梗塞に対する心臓カテーテル治療の増加です。迅速な治療が今後に大きく左右されますので目標は病院到着後90分以内の再灌流とされています。今年度は当院到着後最短31分のDoor to Balloon実績もあり、出来るだけ素早い治療に努めております。  
             
虚血性心疾患・うっ血静止不全・閉塞性動脈硬化症、いずれの症例も心臓血管外科と連携することが、カテーテル治療のみならず外科的手術も選択肢として患者さんにとって最も適切な治療方針を検討し提案するようにしております。当科の特徴としましては緊急透析が可能な維持透析施設を持ち、心臓血管外科を有する循環器内科です。維持透析患者さんにとっても安心して循環器疾患に対する治療を受けて頂けることが特徴です。また、当科は医師のみならず、看護部・薬剤科・リハビリテーション科・栄養科・地域連携室と多職種で患者さんをサポートすることで、いずれの疾患についても全国平均の入院期間と比べて同等から短期間でかつ良好な結果を得られています。特に平成29年度と比較して虚血性心疾患(急性心筋梗塞症・不安定狭心症・狭心症)、下肢閉塞性動脈硬化症と動脈硬化に直接関係する疾患が多く、それに伴いカテーテル検査・治療に関連した件数が増加しております。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 28 9.57 10.08 3.57 73.96
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病なし 26 2.35 2.67 0.00 70.15
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 24 6.21 7.75 0.00 58.25
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 11 5.91 5.42 0.00 48.45
060140xx97x00x 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 10 10.30 10.58 10.00 77.30
消化器内科では、地域密着型医療機関として、中播磨、西播磨地域から広く患者さんを受け入れています。また、入院の約35%が緊急入院であり、地域医療、救急医療に貢献し、患者さんに負担の少ない治療を提供しています。上部・下部消化管、胆・管・膵の消化器疾患全般に対する診療を行っています。内視鏡による消化器疾患の診断と治療を、体に負担の少ない内視鏡手術を実施しており、胃や大腸、食道の悪性腫瘍、ポリープや腺腫等の良性腫瘍の早期発見、早期治療に努めています。また、消化管に発生した出血性潰瘍による吐血、下血等の消化管出血に対しては内視鏡的に止血治療も実施しています。止血が困難である場合等には、外科的切除が必要になるケースもありますが、外科、放射線科と連携を取り、患者さんに最善の治療を迅速に提供できるよう、治療にあたっています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 20 15 1 6,7,8
大腸癌 18 21 42 27 11 1 7,8
乳癌 1 8
肺癌 1 8
肝癌 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
病期分類とは、癌の広がりや進行の程度、症状など、癌の現状から、最も治療効果が高く、身体への負担が少ない治療を知るための指標のひとつで、ステージが高くなるにつれて、癌が進行している状態を表しています。当院では、大腸癌が最も多く、次いで胃癌、肺癌、肝癌、乳癌の順になっています。上記以外にも、膀胱、腎盂、尿管の悪性腫瘍が年々増加傾向にあり、退院患者に占める悪性腫瘍の割合は増えています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症
中等症 45 17.07 77.11
重症 23 17.22 81.78
超重症
不明
誤嚥性肺炎等を除く市中肺炎患者に対し、肺炎の重症度分類であるA-DROPを用いて重症度別で患者数を算出しています。平均年齢が高く、入院日数が比較的長いことがうかがえます。当院では、中等症の肺炎を多く受け入れています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 415 25.17 74.65 28.88
その他
当院では脳神経外科、脳神経内科ともに脳梗塞を治療しており、発症から4.5時間以内の超急性期脳梗塞にはt-PA(血栓溶解療法)という薬剤を静脈内に投与し、閉塞した血栓を溶解させ途絶した脳血流を再開させる治療を行っています。t-PA療法対象外の患者さんには経皮的脳血栓回収術という脳血管内手術も積極的に行っています。急性期治療が終了した後、更なるリハビリ加療を中心とした機能回復目的の為に転院となります。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 70 1.04 2.70 0.00 65.76
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 42 1.90 4.07 2.38 64.60
K6335 鼠径ヘルニア手術 21 1.67 2.95 0.00 79.10
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 17 2.47 9.53 5.88 71.24
K718-22 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴うもの) 13 0.08 6.08 0.00 49.92
鼠径ヘルニア手術(腹腔鏡下手術も含める)が最も多く、前年度と比べ約52%増加しています。悪性腫瘍に対する手術では腹腔鏡下結腸悪性腫瘍手術が最も多くなっています。腹腔鏡下手術は従来の開腹手術に比べ、術後の回復が早いため、当院では良性、悪性の疾患を問わず、積極的に腹腔鏡下手術を行い、術後の在院日数の短縮に努めています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) 137 1.04 21.67 45.26 78.28
K0821 人工関節置換術(肩,股,膝) 99 1.28 21.52 7.07 73.61
K0811 人工骨頭挿入術(肩,股) 45 2.04 24.38 64.44 80.40
K0462 骨折観血的手術(前腕,下腿,手舟状骨) 35 0.89 7.43 14.29 58.63
K0463 骨折観血的手術(鎖骨,膝蓋骨,手(舟状骨を除く),足,指(手,足)その他) 30 1.13 9.80 10.00 63.47
当院では、主に骨折、外傷性疾患、人工関節手術、関節鏡下手術について、地域密着型の医療を目指し、整形外科領域全般を、保存療法から高度な手術まで幅広く実施しています。合併症を有する高齢者の手術にも、他科と連携を取り、診療にあたっています。骨折観血的手術は、ギプス等では治癒が困難な複雑な骨折や重症の骨折、関節周辺を骨折した場合に実施する手術です。高齢者の大腿骨骨折手術では、寝たきりを防ぐため、できるだけ早期に手術治療を実施し、術前、術後からリハビリテーションを開始しています。機能回復や生活の質(QOL)の向上、早期退院、早期社会復帰を目指し、365日継続したリハビリテーションを実施しています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 78 0.24 11.49 15.38 77.59
K178-4 経皮的脳血栓回収術 58 0.05 29.34 43.10 78.55
K1781 脳血管内手術(1箇所) 46 0.89 29.39 19.57 68.80
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 38 2.42 22.58 5.26 71.32
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内) 34 0.26 46.41 70.59 67.56
前年度同様、入院症例でも多い慢性硬膜下血腫に対する穿頭ドレナージ術が最も多く高齢者に多い手術となりました。続いて経皮的脳血栓回収術、脳血管内手術と脳血管内治療が上位を占めています。脳血管内治療とはカテーテルと呼ばれる細い管を使って頭蓋内、頸部の病変に対して切開せずに治療する方法です。開頭術に比べて身体への負担が少ない治療法です。当院では脳血管内治療の専門医が在籍し積極的に救急症例を受け入れているので急性期脳梗塞に対する経皮的脳血栓回収術、くも膜下出血や脳動脈瘤に対するコイル塞栓術、上記にはありませんが頸動脈狭窄症に対する経皮的頸動脈ステント留置術等脳血管内手術を多く手掛け、30年度は235症例実施しました。血管内治療以外にも、脊柱管狭窄症、頚椎症性脊髄症等に対して脊椎固定術・椎弓切除術・椎弓形成術、腰椎椎間板ヘルニアに対して椎間板摘出術など実施し脊椎手術全体では171症例実施しました。患者さんの状態によって適切な手術を選択し、脳外領域全般に渡り数多くの手術を実施しています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上) 22 3.64 37.36 22.73 73.36
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 19 1.79 5.26 10.53 69.63
K5612イ ステントグラフト内挿術(1以外の場合)(胸部大動脈) 15 3.40 10.13 6.67 73.73
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺不使用)(2吻合以上) 14 7.50 28.14 0.00 70.79
K5551 弁置換術(1弁) 13 8.85 38.46 23.08 76.31
平成30年度は前年度同様手術実績としては冠動脈バイパス術が最も多く、次いで血管移植、弁置換術、腹部大動脈瘤に対する切除やステントグラフト内挿術を多く実施いたしました。当院では心臓を動かしたまま行う「オフポンプ手術」のを施行が前年度より増加しています。、 心臓にかかる負担が少ないことで術後の合併症を減らし、より全身状態の回復を早く導いています。また、体外循環時間を短縮できるオープンステントグラフト法など、出来るだけ患者さんの身体にかかる負担を少なく出来る様な手術を多く行っております。 また他院からの紹介による透析患者さんの内シャント設置術も増加しています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 844 0.00 1.21 0.00 73.87
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 283 0.08 4.45 0.00 64.58
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) 73 0.07 2.84 0.00 69.68
K2682 緑内障手術(流出路再建術) 67 0.04 1.48 0.00 72.24
K2683 緑内障手術(濾過手術) 51 0.00 1.45 0.00 63.55
前年度の増減率は白内障手術は約14%増、緑内障手術は約23%増、硝子体茎顕微鏡下術は焼く29%減となっています。上記の件数は入院での治療に限っており、硝子体茎顕微鏡下術が減少しておりますが、外来での日帰り手術を積極的に行っておりますので、実際は上記の入院症例数以上に多い症例数があります。眼科領域の手術は前年度と比べ、外来、入院ともに増加しております。詳しくは当院の眼科ホームページの症例数をご参照ください。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 83 2.17 5.43 2.41 67.11
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 48 0.83 9.52 10.42 73.42
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 43 1.30 8.35 2.33 71.16
K7981 膀胱結石,異物摘出術(経尿道的手術) 12 1.17 3.17 8.33 73.50
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 10 3.10 12.30 0.00 75.80
平成30年度、泌尿器科で最も多い手術は、尿路結石に対してレーザーを用いた経尿道的尿路結石砕石術(TUL)です。次いで多いのが、症状は様々ですが尿管ステント留置術でした。また3番目は膀胱癌に対して行う経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)で、内視鏡的に行う低侵襲手術です。 当院では、より合併症が少ないとされている、生理食塩水を潅流液としたTUR-isを行っています。膀胱癌・腎臓癌・腎盂癌・前立腺癌等悪性腫瘍疾患に対する治療も増加傾向にあります。膀胱結石に対する経尿道的結石摘出術も前年度同様実施しており、全体の手術件数は前年度を上回る結果となりました。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 122 0.98 1.73 0.82 71.60
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 103 0.25 1.98 5.83 74.64
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 47 0.02 12.28 4.26 68.81
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 42 0.55 9.76 7.14 73.48
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) 33 0.91 1.94 0.00 71.15
循環器内科で最も多い手術症例は狭心症に対する予定での経皮的冠動脈ステント留置術(カテーテル治療)です。手首・肘・足から検査より少し太い3mm弱程度のカテーテルの中から柔らかい針金を狭い部分に通し、風船やステント(金属製の網目の筒)を挿入して冠動脈を広げてくる手術です。基本的には1泊2日の入院での手術を行っております。血管の状況にもよりますが、できるだけ患者さんの負担軽減の意味からも可能な限り手首からの治療を試みております。

当院は透析設備も保有しており、維持透析患者さんも安心して治療を受けて頂くことが出来るのが特徴の一つです。透析患者さんのみならず糖尿病などの既往症がある方で、病変部の血管が石灰化のために非常に固くなっている場合、ステントの留置・十分な拡張が難しいため、「ロータブレーター」(先端にダイヤモンドが埋め込まれており毎分16-20万回転で石灰化を削る機械)で処置した後にステントを留置する方法があります。当院は心臓血管外科と連携しており、カテーテル治療症例も多く症例に応じてロータブレーターを使用することが可能です。
虚血性心疾患は突然発症する急性心筋梗塞症・不安定狭心症のように緊急での対応が必要な患者さんもいらっしゃいます。当院は循環器内科・心臓血管外科医師が365日24時間常駐しており緊急対応が可能となっております。そのため、昨年度の心臓カテーテル手術は全部で321例で、平成29年度と比較して増加傾向にあります。その内、急性心筋梗塞症に対する緊急手術60例(内、ステント留置48例)、不安定狭心症に対する緊急手術60例(内、ステント留置46例)と心臓カテーテル手術の約35.6%が緊急症例となっております。

2番目に多い手術としては、主に足の動脈に対する手術です。今や動脈硬化は心臓の血管だけではありません。足の動脈が狭くなると間欠性跛行(歩いていると足が痛くなり、休むと治る)などの症状、悪化すると冷感・壊疽(足が腐ってしまう)となります。同じくカテーテルによる血行再建、創部を含めた下肢救済を心臓血管外科や、看護師、リハビリ等多職種と連携を図り積極的に行っております。 

以上のように当科は心臓のみならず下肢・大動脈も含めて動脈硬化疾患に対する血行再建を中心とした積極的な診療を行っております。 また当院は心臓血管外科との連携が非常に緊密で、心臓血管センターとして診療を行い、緊急冠動脈バイパス術・大血管手術(大動脈解離・胸腹部大動脈瘤)も昼夜問わず対応が可能です。心臓血管外科と症例を検討し医学的根拠・ガイドラインに基づき、患者さんと共に外科手術・カテーテル治療・薬物療法と治療方針を選択しております。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 30 0.93 12.43 6.67 73.93
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 23 0.65 0.74 0.00 71.74
K654 内視鏡的消化管止血術 15 1.07 9.93 13.33 69.20
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 10 0.10 1.70 0.00 65.80
K735-4 下部消化管ステント留置術
消化器内科では、中播磨、西播磨地域を中心に広く患者さんを受け入れており、消化器疾患全般に幅広く対応しています。大腸、胃の早期悪性腫瘍に対しては内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、内視鏡的粘膜切除術(EMR)を実施し、早期発見、早期治療に努めています。内視鏡的手術件数は年々増加しており、癌やポリープ、腺腫等の腫瘍に対する内視鏡的手術等、今後、需要の増加が見込まれます。総胆管結石や胆管炎に対しては、内視鏡による結石除去、ドレナージ術やステント留置術等を実施しています。患者さんの体に負担が少ない内視鏡治療を実施することで、入院期間も短くなり、退院後早期に社会復帰が望めます。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一
異なる 12 0.19
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 41 0.66
異なる
この指標では、播種性血管内凝固症候群、敗血症、真菌症、手術・処置の合併症の症例数を算出し、退院患者に対する発生率を、最も医療資源を投入した傷病名が入院の契機となった傷病名と同一か異なるかに分別して集計しました。【同一】である場合には、入院治療が必要となった疾患(播種性血管内凝固症候群、敗血症、真菌症、手術・処置の合併症)に対して、主に治療を実施したことを示します。【異なる】場合には、入院の契機となった疾患ではなく、既に発症している、もしくは、入院後に発症した疾患(播種性血管内凝固症候群、敗血症、真菌症、手術・処置の合併症)に対して、主たる治療を実施したことを示します。
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