令和5年度 ツカザキ 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 90 122 74 133 331 829 1274 2616 2418 642
令和5年度退院患者の平均年齢は71.1歳でした。中でも60歳以上の患者さんが全体の81.5%を占めています。超高齢社化社会となった時代に比例した入院患者年齢層といえます。また、退院患者数の男女比は男性71.1歳(57.5%)、女性71.1歳(42.5%)でした。男女比は昨年と変わらないものの、男性の平均年齢が上がってきており、男性特有の疾患の増加が影響していると考えられます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 57 21.12 20.60 49.12 82.89
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 56 12.27 13.52 21.43 82.11
0400801499x003 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なしA-DROP スコア3 17 13.29 17.45 41.18 85.18
0400801499x013 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病ありA-DROP スコア3 16 18.81 19.88 37.50 88.31
0400801499x002 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なしA-DROP スコア2 14 15.14 15.44 28.57 84.29
昨年度実績と比較して、高齢の方によく見られる誤嚥性肺炎・尿路感染症などの感染症の患者数が2倍以上に増加しています。市中肺炎も数多く治療しており、幅広く診療にあたっていることがわかります。高齢化が進み、複数の疾患を有する患者さんが増える中、当院の総合内科では他の診療科とも密に連携を取りながら、総合的に全身管理を行うことを目標に、様々な疾患や症状に対する知識を元に診療を行っています。
呼吸器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり 13 2.00 2.03 0.00 61.46
040040xx99100x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 12 2.83 3.01 0.00 71.25
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 11 13.82 13.59 36.36 77.09
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし - - 8.33 - -
040190xx99xxxx 胸水、胸膜の疾患(その他) 手術なし - - 16.88 - -
呼吸器科は、手術を伴わない呼吸器疾患を中心に診療しております。2023年度は睡眠時無呼吸症候群に対する入院が最も多かったものの、肺癌に対する検査、化学療法目的の入院も多く取り扱っており、呼吸器外科と密接に連携を取りながら治療に当たっております。また、放射線治療等の必要があれば、他院へ紹介するなど、患者さんの状況や希望に応じた治療に努めております。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 97 4.44 4.55 0.00 70.96
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 56 5.45 5.98 0.00 61.66
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 24 14.88 15.12 0.00 72.00
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 21 5.52 5.29 0.00 50.14
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 18 5.78 6.87 0.00 63.56
当科で最も多い症例である鼠径ヘルニアをはじめとして、良性・悪性の疾患を問わず、腹腔鏡下手術を第一に選択しています。腹腔鏡下手術は、手術による切開部を小さくすることができるため、身体的負担を軽減することで、早期退院が可能となります。また、悪性腫瘍に対して術後の抗がん剤治療も行っています。令和5年度は前年度よりも入院症例が全体的に増加しており、胆嚢に対する入院症例は前年度より28件増加しています。消化器内科と連携を取り、患者さんの全身状態や生活環境を考慮し、最善の治療を提供できるよう努めています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 253 28.02 25.50 61.66 84.20
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 101 22.87 21.96 22.77 75.59
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病なし 69 4.62 4.76 4.35 60.49
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 51 19.37 19.34 62.75 77.65
160720xx01xxxx 肩関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿等 48 16.02 14.00 35.42 75.50
当院では、主に骨折、外傷性疾患、人工関節手術、関節鏡下手術について、地域密着型の医療機関として、整形外科領域全般を、保存療法から高度な手術まで幅広く実施しています。近年の高齢化を反映して、大腿骨近位部骨折の症例は年々増加傾向にあります。内科的な合併症を有する高齢者の手術も多く、他科と連携を取り、チームで診療にあたっています。また高齢者の骨折は、日常生活動作(ADL)が著しく低下するケースが多く、できるだけ早期に手術治療を実施し、術前、術後からリハビリテーションを開始しています。四肢骨折観血的手術は、ギプスなどの保存療法では治療が難しい、またそのギプス固定の期間が長期になる場合、関節内に骨折が波及した場合などに実施する手術です。手術後には速やかに、機能回復や生活の質(QOL)の向上、早期退院、早期社会復帰を目指し、365日継続したリハビリテーションを実施しています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 86 7.13 9.88 12.79 81.35
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 73 21.73 19.09 43.84 68.14
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 71 5.99 8.38 14.08 72.82
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 64 2.23 2.95 0.00 67.05
010200xx99x00x 水頭症 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 48 1.98 6.44 6.25 78.77
脳神経外科では、脳挫傷等の頭部外傷に伴う頭蓋内血腫による入院が最も多い結果となり、次いで外傷を伴わない頭蓋内出血、外傷性くも膜下出血、硬膜下出血、未破裂脳動脈瘤、水頭症という結果でした。高齢者の転倒による受傷が多く、それを示唆するように平均年齢も高くなっています。また脳梗塞のほとんどは発症から3日以内に入院することが多く、超急性期治療としてt-PA(血栓溶解療法)や経皮的脳血栓回収術を必要に応じて行っています。当院脳神経外科では脊柱管狭窄症等、脊椎関連の症例の治療も積極的に行っています。患者さん、ご家族のQOLを最優先として治療(手術)適応を決定し、最善の医療を行うよう努めています。また頭蓋内血腫、脳梗塞に対しては早期からリハビリテーションの介入を行い、急性期の治療後は回復期リハビリテーション病棟、近隣の療養病院への転院をしていただき、スタッフ間・病院間で連携しながら患者さんの退院支援を行っています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 32 7.56 9.89 0.00 75.28
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 10 7.70 9.54 0.00 51.10
040150xx97x00x 肺・縦隔の感染、膿瘍形成 手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - 28.24 - -
040170xxxxxx0x 抗酸菌関連疾患(肺結核以外) 定義副傷病なし - - 8.31 - -
040030xx01xxxx 呼吸器系の良性腫瘍 肺切除術 気管支形成を伴う肺切除等 - - 8.53 - -
当院では肺がんを中心に、肺の良性腫瘍、気胸、血胸、膿胸、縦隔腫瘍など呼吸器関連の手術(胸腔鏡下手術を主として)を行っています。なかでも、肺の悪性腫瘍に対する手術治療の為の入院が最も多く、肺葉切除、区域切除、部分切除を行っています。早期診断、早期治療に有効な気管支鏡や胸腔鏡下手術など低侵襲な手技を積極的に行い、患者さんが日常生活に少しでも早く戻れるよう努めております。また、手術以外にも術前・術後の化学療法も行っております。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 22 10.55 7.57 0.00 70.41
050170xx9720xx 閉塞性動脈疾患 その他の手術あり 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし 18 36.50 35.61 33.33 62.61
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 17 24.06 21.52 0.00 75.18
050161xx97x1xx 大動脈解離 その他の手術あり 手術・処置等21あり 17 25.00 28.09 23.53 72.29
050050xx0101xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 15 21.47 21.38 6.67 72.87
当院の心臓血管外科では、播磨姫路医療圏全体の医療機関より、緊急手術の必要がある患者さんの紹介を広く受け入れています。
令和5年度の症例数上位5疾患としては、末期腎不全のシャント不全に対する手術加療が最も多く、次いで、閉塞性動脈硬化症に対する手術加療、
さらに弁膜症に対する手術加療、大動脈解離に対する手術加療、狭心症に対する手術加療、と続きます。
当院では人工心肺を使用しない冠動脈バイパス術や、ステントグラフトによる動脈瘤手術、低侵襲心臓手術(MICS)やカテーテルによる弁置換手術などを
積極的に行っており、患者さんの身体にかかる負担を少なくすることで回復も早く、早期退院が可能となっております。
特に循環器内科との連携は不可欠であり、万全の体制を整えて狭心症・弁膜症・大動脈解離・動脈瘤等の緊急症例に24時間対応している状況です。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり両眼 255 2.11 4.46 0.00 73.92
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり片眼 213 4.50 7.81 0.00 58.05
020220xx01xxx0 緑内障 緑内障手術 濾過手術片眼 129 2.02 8.70 0.00 70.71
020150xx97xxxx 斜視(外傷性・癒着性を除く。) 手術あり 99 1.84 3.08 0.00 23.10
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 88 2.03 2.54 0.00 71.60
当院の眼科では白内障に対する入院が最も多くなりました。硝子体疾患、緑内障などほぼ全ての疾患に対して日帰り手術を実施しており、様々な地域から多くの紹介患者さんも受け入れております。上記に記載されている症例は入院のみ計上していますが、実際には外来も含めると実症例数は、この数倍の患者さんの診療を行っております。詳しくは当院の眼科ホームページ上の症例数をご参照ください。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 173 21.72 15.70 19.65 70.96
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 71 19.96 15.57 14.08 74.38
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病1あり発症前Rankin Scale 0、1又は2 42 25.50 17.39 14.29 79.17
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 29 13.24 7.19 13.79 63.10
010060x2990211 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病1あり発症前Rankin Scale 0、1又は2 18 22.39 17.61 27.78 83.94
脳神経内科では、脳血管障害、神経免疫疾患、神経変性疾患を中心に診療しており、てんかんに関しても多くの治療実績があります。
入院症例の多くを脳梗塞が占めており、平均年齢は70歳以上と高くなっていますが、前年に比べると平均年齢はやや低くなっている傾向にあります。
脳神経外科と協力しながら、播磨姫路医療圏を中心として積極的に救急車の受け入れを行い、早期に治療を開始し回復期リハビリ病棟での早期在宅復帰を目指しています。同時に新たに開設した三栄会広畑病院との連携を強化し、在院日数の短縮にも努めています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 95 2.03 2.44 0.00 74.33
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし 77 7.96 5.22 5.19 66.71
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 51 10.27 6.85 3.92 76.24
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患 その他の手術あり 定義副傷病なし 30 8.10 7.08 10.00 71.07
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 26 12.04 11.19 0.00 70.50
泌尿器科では、主に、腎、膀胱、尿管に発生した良・悪性腫瘍や結石等に対する診療を行っております。
令和5年度は前立腺の悪性腫瘍に対する診断目的入院が最も多く、次いで上部尿路疾患に対して結石除去術を実施する症例が続く結果となりました。
悪性腫瘍疾患は増加しており、特に前立腺悪性腫瘍に対する手術が上位5番目に入っております。この要因の一つとして、当院泌尿器科では内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」を用いた手術を導入しており、腎・尿管、膀胱、前立腺といった症例に対応しています。傷口が小さい低侵襲の手術であり、術後の回復が早いというメリットがあります。ダヴィンチ実施による症例は在院日数も短い傾向にあります。
在院日数は短縮傾向、平均年齢は低下傾向が見受けられます。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 232 2.27 4.26 0.43 73.95
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 143 2.13 3.05 0.00 69.94
050050xx9920x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 139 2.33 3.25 0.00 73.98
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 118 12.58 17.38 12.71 82.85
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術あり 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 78 12.50 11.54 1.28 69.53
 循環器内科の入院症例数では昨年同様、狭心症に対するカテーテル検査・手術が上位3位を占めました。
皆さん御存知のようにカテーテルは手首・肘・足の付け根から2-3mm 程度の管を心臓や足の血管まで挿入し造影剤で血管を描出する検査、ステントや風船で血管を広げてくる手術をするときに使用します。
最近では狭心症における手術適応は中等度の病変では機能的虚血を証明することも必要とされております。狭心症に関しては日常生活の質を左右しうる疾患でもあり心筋に血流が足りない場合は治療が必要な疾患でもあります。
 狭いところを何でも広げるのではなく、機能的虚血の評価を積極的に行い、手術の必要性を十分考慮した診療を行っております。

 同じ虚血性心疾患でも急性心筋梗塞症 (急性冠症候群を含む) は致命的にもなり得る緊急性のある疾患です。今年は78例と5位でした。
アメリカ心臓病学会のガイドラインにおいても病院到着からバルーン拡張までに要する時間 (Door to Balloon time) は90分以内を推奨しています。2023年実績として、当院では救急車で来院以外の症例を含めて 平均66.0分、最短は 33.0分であり、2022年平均と比較して約20分の短縮となりました。時間短縮にはそれぞれの職種に応じた専門性と素早さが要求されます。引き続き心血管緊急治療に関して研鑽を続けて参ります。

上記一覧にはないものの、下肢閉塞性動脈硬化症やTAVI を開始してから弁膜症の症例も徐々に増加傾向にあります。両疾患共に心臓血管外科と連携し外科的治療とカテーテル治療を組み合わせて治療しております。

 心不全パンデミックと言われている今日この頃ですが、当科においても心不全は入院原因として上位に入る疾患となっております。心不全は御高齢の方に多い疾患であり、平均年齢も他疾患での入院と比較して高くなっております。全国平均と比較して入院期間は短くできるだけ早く日常生活への復帰を目指しておりますが、再発予防を目的とした生活指導も重要と考えております。限られた入院期間ですが、心不全に関しては多職種(医師・看護師・薬剤師・検査技師・リハビリ・栄養科・ソーシャルワーカー)を含めたカンファレンスを週1回行って情報共有を行って効果的な診療・指導を心がけております。
 当科では入院早期からの心臓リハビリテーションの導入を行っており、早期離床・ADLの拡大は退院後の患者さんの生活の質に直結すると考えております。
以上の取り組みにより、ほぼ全ての疾患において、全国の平均入院期間より短い期間で退院頂けております。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 119 9.50 8.75 7.56 77.13
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 96 3.54 2.61 0.00 71.51
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 38 7.61 7.58 0.00 61.89
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 36 6.47 7.61 0.00 76.72
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 36 8.58 8.95 11.11 72.08
消化器内科では、内視鏡(胃カメラ、大腸カメラなど)による検査・治療、消化器疾患全般を幅広く対応しております。患者様自身が胃カメラを予約する胃がん検診や、地域医療機関から当院内視鏡検査を予約するオープン検査など、症状の原因となりうる疾患の検索や消化器がんの早期発見に日々努めております。内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(EMR)に関しては外来でも実施しております。消化管出血(貧血、吐血、下血、血便)に対しては内視鏡的止血術も積極的に行なっており、止血が困難である場合等には、放射線科、消化器外科と連携を取り、チームで治療を実施しております。胆道膵疾患における超音波内視鏡検査(EUS)による精密検査、膵腫瘍やリンパ節腫大、粘膜下腫瘍の確定診断が可能な超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA/FNB)、胆道狭窄による黄疸への内視鏡的胆管ステント留置術や、胆石による胆管炎、胆嚢炎に対する内視鏡的胆管結石除去術、内視鏡的胆道ドレナージ術など、内視鏡的逆行性膵胆管造影検査(ERCP)がいつでも行えるよう体制を整えております。
乳腺甲状腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 25 12.36 9.88 0.00 71.36
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) - - 5.64 - -
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし - - 6.59 - -
090030xx97xxxx 乳房の炎症性障害 手術あり - - 6.05 - -
080100xxxx0x0x 薬疹、中毒疹 手術・処置等1なし 定義副傷病なし - - 10.61 - -
当科では乳がんに対して乳房切除術等の対象症例が最も多い結果となっています。術前化学療法後の手術や、乳房切除術または乳房部分切除術など根治性・整容性を高める手術を実践しております。乳がんの専門的診療のできる病院が少なくなっている中、当院は乳腺専門医が常駐し、小さい早期乳がん、皮膚浸潤を来すような進行がん、集学的治療が必要な転移乳がんの患者さんすべて対応しております。また、抗がん剤の有効性を予測し、薬物療法をより効果的に行なうため、様々な遺伝子検査なども実践しております。患者さんの希望を優先し、専門スタッフ・各医師との密な連携で併存症を管理、有効で安全な乳がん治療を実践しております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 46 12 2 13 - - 1 8
大腸癌 23 23 43 28 - - 1 8
乳癌 12 17 - - - - 1 8
肺癌 23 - 13 39 - 24 1 8
肝癌 - - - - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
5大癌(胃癌・大腸癌・乳癌・肺癌・肝臓癌)の初発、再発別に集計しています。UICC TNM分類では、原発腫瘍の広がり(T)、がん細胞のリンパ節転移の有無と広がり(N)、原発から離れた臓器への遠隔転移(M)の組み合わせによって病期(Stage)が判定されます。Stageが大きくなるにつれ、癌が進行している状態を示します。当院では上部・下部内視鏡検査、気管支鏡検査等各種検査を積極的に行っており、早期発見・早期治療に努めております。令和5年7月から胃がん検診を開始したことにより、より多くの早期胃癌を発見、治療できるようになったものと考えられます。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 45 13.18 76.09
重症 36 17.89 85.03
超重症 15 24.67 84.73
不明 - - -
誤嚥性肺炎等を除く市中肺炎患者に対し、肺炎の重症度分類であるA-DROPを用いて重症度別で患者数を算出しています。当院では中等症・重症の肺炎を多く受け入れており、2022年度と比較すると、中等症は約1.8倍、重症は約2倍の増加となっています。重症以上の患者さんの平均年齢は80歳を超えており、高齢者の方ほど重症化しやすいことがうかがえます。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 631 26.07 76.07 26.28
その他 16 27.19 75.06 0.77
当院では脳神経外科、脳神経内科ともに脳梗塞を治療しており、発症から4.5時間以内の超急性期脳梗塞にはt-PA(血栓溶解療法)という薬剤を静脈内に投与し、閉塞した血栓を溶解させ途絶した脳血流を再開させる治療を行っています。また、血管内に血栓回収用デバイスを挿入し詰まっている血栓を回収し閉塞した血管を再開通させる経皮的脳血栓回収術も積極的に行っており、急性期治療が終了した後、当院の回復期病棟への転棟、近隣の医療機関への紹介や転院を行い、症状に応じ更なる改善を目指したリハビリ加療を行っています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 80 0.98 2.35 0.00 69.84
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 73 0.90 3.66 0.00 62.45
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 29 3.48 12.59 0.00 71.72
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 20 0.35 3.25 0.00 49.30
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 17 1.06 2.94 0.00 76.24
当科では、胃・腸などの消化管のみならず肝胆膵領域を含めた腹部消化器疾患を中心に治療をおこなっています。令和5年度は、”腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術”の件数が最も多くなっています。また、胆嚢結石や胆嚢炎に対する”腹腔鏡下胆嚢摘出術”が25件増加していました。当院では良性・悪性の疾患を問わず、腹腔鏡下手術を積極的に行っています。腹腔鏡下手術はお腹に小さな穴を開け、器具やカメラを挿入し実施するため、傷が小さく痛みも軽く、身体に負担の少ない手術です。そのため、術後の回復および社会復帰が早く、早期退院が可能となり、平均術後日数は前年度より全体的に短くなっています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 208 1.39 21.46 47.12 77.73
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 159 1.89 21.72 22.64 74.09
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 123 1.59 8.37 17.07 63.11
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 117 2.30 28.58 63.25 83.47
K0463 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他 55 1.33 9.42 16.36 54.62
整形外科では、患者数、手術件数供に年々増加しており、地域密着型医療機関として、中播磨地区、西播磨地区の患者さんを広く受け入れています。整形入院の58%は緊急の入院で、近隣地域で発生した交通外傷など、緊急性の高い患者さんを多く受け入れ、高度な医療技術を必要とする外傷等の治療に取り組んでいます。高齢の患者さんでは、合併症がある患者さんも多くおられ、高い技術と知識、経験が求められますが、他の診療科と連携を取りながらチームで診療にあたり、安全な医療の提供につとめています。また、当院では、在宅復帰を目的とする回復期リハビリテーション病棟を開設しており、主治医、看護師、専従リハビリスタッフ、在宅復帰支援担当者が協力してスムーズな在宅復帰を目標に、患者さんのリハビリや在宅復帰支援に関する相談・準備を行っています。また当院のリハビリ病棟が満床の場合、三栄会広畑病院のリハビリ病棟に入院していただき、整形外科医が定期的に回診して患者さんの機能回復程度を把握するシステムをとっております。患者数は全体的に増加しており、股関節骨折などの観血的手術では62件増加、人工関節置換術と人工骨頭挿入術の合計では71件増加しています。その他の手術においても増加傾向を認め、今後も需要の拡大が見込まれます。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 119 0.61 7.71 17.65 79.14
K178-4 経皮的脳血栓回収術 82 0.28 31.71 39.02 79.35
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 椎弓形成 44 4.75 39.89 6.82 70.59
K1781 脳血管内手術 1箇所 39 2.21 18.13 7.69 66.72
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 38 4.45 14.55 18.42 77.37
令和5度は前年度同様、慢性硬膜下血腫に対する穿頭ドレナージ術が最も多く高齢者に多い手術となりました。慢性硬膜下血腫の手術は緊急手術となる場合が多く平均術前日数が短くなっています。次に多い手術として経皮的脳血栓回収術、脊椎領域の手術、脳血管内手術が上位となりました。経皮的血栓回収術はt-PA(血栓溶解療法)によって改善が認められない場合や治療の適応外症例に対して、血管内に血栓回収用デバイスを挿入し詰まっている血栓を回収し、閉塞した血管を再開通させるものです。当院では脳血管内治療の専門医が在籍し積極的に救急症例を受け入れているため、くも膜下出血や脳動脈瘤に対するコイル塞栓術、頸動脈狭窄症に対する経皮的頸動脈ステント留置術等、脳血管内手術を多く手掛けています。また、脊椎領域の手術では脊柱管狭窄症、頚椎症性脊髄症等に対して脊椎固定術・椎弓切除術・椎弓形成術、腰椎椎間板ヘルニアに対して椎間板摘出術など実施し、脊椎手術全体では181症例実施しました。当院では脳外領域全般に渡り数多くの手術を実施しています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 16 1.00 6.06 0.00 73.06
K5131 胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの) 14 1.50 7.14 7.14 54.43
K5132 胸腔鏡下肺切除術 部分切除 10 1.40 5.90 20.00 76.60
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 区域切除 - - - - -
K496-2 胸腔鏡下醸膿胸膜又は胸膜胼胝切除術 - - - - -
当院では、呼吸器内科にて気管支鏡検査を行っていただくことでより早期にがんを発見することが可能となり、呼吸器外科にて肺がんの術前に胸部および腹部CT等の画像検査を行い病期を確認し、患者さんの全身状態や年齢等を考慮し、治療方針を決定しています。また、手術内容は肺切除が基本となりますが、体への負担が少ない胸腔鏡下手術を積極的に行うことで、術後早期に日常生活へ戻れるよう努めております。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術 2吻合以上のもの 23 5.52 26.09 26.09 69.91
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 18 1.56 6.89 16.67 69.94
K5551 弁置換術 1弁のもの 13 7.77 20.62 15.38 76.00
K0871 断端形成術(骨形成を要するもの) 指(手、足) 12 3.33 28.58 25.00 60.17
K5601ニ 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 上行大動脈 その他のもの 10 1.80 20.10 30.00 80.10
令和5年度は全体的に手術件数が増加しました。中でも冠動脈,大動脈バイパス手術が最も多く、次いで末期腎不全に対するシャント造設手術、
弁膜症に対する弁置換術、閉塞性動脈硬化症等に伴う断端形成や胸部大動脈瘤切除術を多く実施しました。
それ以外にも、腹部大動脈瘤に対する切除術や、胸腔鏡を使用した弁置換・弁形成手術、連合弁膜症による複数弁の手術、四肢切断術等、
様々な手術を行っており、チーム医療に特化した対応にて努めております。
また、閉塞性動脈疾患は循環器内科と連携しながら血管内・外科的手術治療を行い、近隣医療機関だけでなく県外からの対応も行っています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 321 0.00 1.11 0.00 73.75
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 307 0.05 2.69 0.98 64.62
K2683 緑内障手術 濾過手術 142 0.00 1.02 0.00 70.87
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術 その他のもの 114 0.00 2.43 0.00 67.29
K2422 斜視手術 後転法 56 0.00 0.89 0.00 26.02
令和5年度は、白内障に対する手術が最も多い結果となりました。
前年度と比較すると、入院での白内障手術の水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの)は243件増加しております。
常に最善の医療技術と高い専門性をもち、適切な医療を患者さんに提供しております。
当院では入院での手術だけでなく日帰り手術での対応も行っておりますので、近年では日帰り手術を希望される患者さんが多くなっています。
詳しくは当院の眼科ホームページ上の症例数をご参照ください。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 75 1.21 5.27 5.33 66.92
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 54 1.37 7.89 3.70 76.56
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 41 0.27 10.80 12.20 75.20
K7981 膀胱結石、異物摘出術 経尿道的手術 26 1.08 4.58 0.00 74.65
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 26 1.04 10.00 0.00 70.50
令和5年度、最も多く実施された手術は経尿道的結石除去術で、次いで経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)となっています。
内視鏡支援手術ロボット「ダヴィンチ」を用いた手術が増加しており、特に前立腺悪性腫瘍に対するダヴィンチ手術が増加し、5番目に入っています。
ダヴィンチ手術は体に小さな穴を空け、腹腔鏡下で行う手術であり、傷口が小さく術後の回復が早いというメリットがあります。
5位以内には入っておりませんが、その他、腎・尿管、膀胱に対する実施症例も増加しています。
常に最善の医療技術と最新の医療機器をもって、適切な医療を患者さんに提供できるよう努めています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 133 0.36 2.69 0.00 74.49
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術 急性心筋梗塞に対するもの 63 0.03 13.33 0.00 70.35
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 48 0.00 1.04 2.08 73.58
K5463 経皮的冠動脈形成術 その他のもの 46 0.11 1.24 0.00 74.15
K555-22 経カテーテル大動脈弁置換術 経皮的大動脈弁置換術 42 2.74 9.60 7.14 85.55
 手術に関しては虚血性心疾患に関する治療が多くなっております。ここに示します上位1、2位の手術はステント留置でありますが、最近では小血管・ステント再狭窄に関しては薬剤コーティッドバルーンを使用することもあります。
 また動脈硬化は全身疾患で、もはや循環器内科は心臓だけを診ている診療科ではありません。下肢閉塞性動脈硬化症も動脈硬化疾患の中で大きな位置を占めております。近隣の先生方からの紹介もあり、潰瘍(皮膚の一部に傷ができて皮下組織が露出してしまう)や壊疽(血流障害で足が腐ってしまう)などを合併すると創傷処置も必要となりますので、心臓血管外科・看護師・リハビリと協力して治療を進めて参ります。
さらに、当科では重度大動脈弁閉塞症に対してカテーテルを使用した大動脈弁置換術(TAVI)も実施しております。カテーテルを使用した大動脈弁置換術は低侵襲の為に術後の回復が早く、早期に退院いただけます。実施件数自体も年々増加し、2023年度は第5位に入りました。
その他にも、高度石灰化病変に対してロータブレーターを使用した血行再建を行う等、患者さんの状態をしっかり評価させていただいたうえで、必要に応じた手技を選択しております。これらの治療法の詳細については当科のホームページをご参照下さい。

 循環器疾患はカテーテル治療のみでは完結しません。心臓血管外科との連携は積極的な治療を行うためにも非常に重要です。心臓血管外科とは週1回のカンファレンスを通じて症例検討を行いシームレスな治療を受けて頂けるよう、365日24時間体制で心臓血管外科・循環器内科医は常駐しております。また緊急性であることが多い心血管治療に昼夜問わず手術ができる体制を整えております。
 特にカテーテル治療の特徴は低侵襲であり早期の日常生活への復帰です。転院率もいずれの手術も低く、自宅退院・ADL改善を目指した手術を目標としております。
血液透析科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 13 5.69 15.46 23.08 77.77
末期腎不全の患者さんで血液透析を希望される場合、血液透析を開始する前段階として、内シャントの造設の行う必要があり、当院において実施しています。また、内シャント造設のみでなく、血液透析の導入や導入後のトラブル(シャントに血栓が詰まった場合等)にも早急に対応しています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 92 0.83 12.48 8.70 78.00
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 67 1.36 3.52 2.99 73.72
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 42 1.60 6.62 7.14 75.10
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm以上 37 0.41 1.57 0.00 68.70
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 36 0.83 4.64 0.00 76.72
消化器内科では、内視鏡(胃カメラ、大腸カメラなど)による検査・治療、消化器疾患全般を幅広く対応しております。患者様自身が胃カメラを予約する胃がん検診や、地域医療機関から当院内視鏡検査を予約するオープン検査など、症状の原因となりうる疾患の検索や消化器がんの早期発見に日々努めております。当科には消化器チームと胆膵チームがあり、それぞれの領域の専門医師が責任を持って治療を行っております。胃がん・大腸がんに対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(EMR)や、内視鏡的粘膜下層剥離術 (ESD)、胆管や膵管の狭窄した部位にステントを留置し胆汁や膵液の流れを良くする内視鏡的ステント留置術(EBS/EPS)などの治療内視鏡にも積極的に行なっております。前年度に比べて、全体としては178件増加しており、特に増加傾向にあった胆道ステント留置術は20件、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術は72件増加しております 。高齢の患者さんには基礎疾患も多くあり、慎重な経過観察を必要とするケースもありますが、消化器外科と連携を取り、患者さんに最善の治療を提供できるよう努めています。
乳腺甲状腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 16 1.25 8.63 0.00 71.88
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) - - - - -
K4766 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施するもの - - - - -
K4764 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。)) - - - - -
K472 乳腺膿瘍切開術 - - - - -
1~4番目は全て乳がん治療における手術です。がんが発現した場所や大きさなどによって切除する範囲や箇所が変わってくることもあり、上記のように手術コード(Kコード)が細分化されています。乳がんの治療には外科的治療(手術)の他に、放射線治療や薬物治療がありますが、手術によってがんの部分を切除することが基本となります。前年度と比較すると乳がんに対する乳房切除術・乳房部分切除術は2倍に増加しております。また、悪性腫瘍だけでなく良性腫瘍に対しても手術を行なっております。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 12 0.14
異なる 11 0.13
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 33 0.39
異なる - -
この指標は、臨床上ではゼロにならないものの、医療の質の改善に資するため、少しでも発生を抑えるべく努力すべきものとして、各項目が入院の契機となった傷病名と同一か異なるかに分別して集計しています。
【同一】である場合には、当該傷病名に対して、入院治療を実施したことを示します。また、【異なる】場合には、別疾患にて入院中に発症したため、治療を実施したことを示します。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
1200 1124 93.67
肺血栓塞栓症は、血栓の大きさや血流の障害の程度によって軽症から重症までのタイプがあります。血栓によって太い血管が閉塞してしまうような重篤な場合には、肺の血流が途絶し、酸素が取り込めなくなり、ショック状態から死に至ることもあります。このため、危険レベルに応じた予防を講じることが推奨されおり、対策として、静脈還流を促すための弾性ストッキングの着用や間歇的空気圧迫装置(足底部や大腿部にカフを装着し、空気により圧迫)の使用、抗凝固療法があります。当院では、肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した約94%の入院患者さんに対し予防対策を実施しておりました。
今後更に高い実施率を目指し、引き続き取り組んでまいります。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1700 1613 94.88
広域抗菌薬を使用する際、投与開始時に血液培養検査を行うことは、感度を上げるためならびにコンタミネーションの確認のために2セット採取が推奨されています。
また、血液培養は 1 セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2 セット以上行うことが推奨されています。
本指標は、血液培養を行う際に2 セット以上の検査が実施された割合を示しています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
757 674 89.04
近年問題となっている薬剤耐性菌は、抗菌薬の不適正使用と使用量が大きく関係しています。特に広域スペクトル抗菌薬は高範囲に効果のある反面、耐性菌を発生させやすいため、使用を必要最低限に留める必要があります。そのためには、細菌培養検査を行い、最も効果のある抗菌薬を調べることが不可欠であり、広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率を算出し、評価をしています。
更新履歴
2024.10.16
診断群分類別患者数および、診療科別主要手術別患者数のコメントを修正いたしました。