令和6年度 ツカザキ 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 60 125 123 128 368 845 1520 2744 2489 627
2024年度退院患者の平均年齢は71.2歳でした。中でも60歳以上の患者さんが全体の81.7%を占めています。また、退院患者数の男女比は男性69.6歳(56.9%)、女性73.2歳(43.1%)でした。超高齢化社会となった時代に比例した入院患者年齢層といえます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 68 17.91 20.78 35.29 85.26
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 61 13.02 16.40 19.67 85.43
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 43 17.37 13.66 30.23 82.98
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 15 15.47 12.98 33.33 82.13
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2なし 12 12.42 6.98 16.67 75.67
当科は、65歳以上の高齢者の入院が多く、高齢者によくみられる誤嚥性肺炎・尿路感染症などの感染症に対する入院症例が多くを占めています。また、蜂窩織炎等の膿皮症や市中肺炎等、数多く治療しており、幅広く診療にあたっていることがわかります。また、高齢の方の場合、複数の基礎疾患を有することが多いため、当院の総合内科では他の診療科とも密に連携を取りながら、総合的に全身管理を行うことを目標に、様々な疾患や症状に対する知識を元に診療を行っています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 219 29.85 25.29 62.56 83.25
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 88 24.51 21.38 6.82 75.45
160760xx01xxxx 前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等 66 6.18 5.95 4.55 70.70
160720xx01xxxx 肩関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿等 42 16.12 14.04 33.33 71.98
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 36 27.53 18.76 22.22 70.39
当院は地域密着型の医療機関として、主に骨折などの外傷性疾患、変形性関節症に代表される変性疾患を中心に、整形外科領域全般を保存療法から手術療法まで幅広く実施しています。近年の高齢化を反映して、大腿骨近位部骨折の症例が多いことが特徴です。内科的な合併症を有する高齢者の手術も多く、他科と連携を取りながら、より安全に手術を施行できるように努めております。また高齢者の骨折は、日常生活動作(ADL)が著しく低下するケースが多く、できるだけ早期に手術治療を実施し、術前、術後からリハビリテーションを開始しています。四肢骨折観血的手術は、ギプスなどの保存療法では治療が難しい、またそのギプス固定の期間が長期になる場合、関節内に骨折が波及した場合などに実施する手術です。手術後には速やかに、かつ日祝日を問わずリハビリテーションを実施し、早期の機能回復や生活の質(QOL)の向上、退院、社会復帰を目指しております。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010030xx991xxx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1あり 118 2.36 2.86 0.00 67.66
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 75 24.21 18.68 41.33 69.93
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 72 7.18 9.83 8.33 77.86
010200xx99x00x 水頭症 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 70 2.10 6.44 0.00 78.56
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 58 6.21 7.99 5.17 69.91
脳神経外科では、患者個人に適切な治療を提案・実施できるよう、術前検査を入院にて行っています。上記のうち未破裂脳動脈瘤に対する脳血管造影による最終評価のための検査入院、上記以外に脊柱管狭窄症等に対する脊髄造影による最終評価のための検査入院を行っています。これらで得られた情報をもとに、各専門領域のグループ内で十分な検討を行い、最終的な外科的治療の内容(目的、方法、切除範囲をどこまでとするか等)を決めていきます。また急性期脳血管障害(脳卒中)に対しては、専任の医師・薬剤師が24時間365日常駐する脳卒中ケアユニット(SCU)において集中的な治療を行い、早期からリハビリテーションの介入を行い、急性期の治療後は回復期リハビリテーション病棟、近隣の療養病院への転院をしていただき、スタッフ間・病院間で連携しながら患者さんの退院支援を行っています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx02x0xx 肺の悪性腫瘍 肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの等 手術・処置等2なし 41 8.61 9.82 2.44 74.83
040150xx97x0xx 肺・縦隔の感染、膿瘍形成 手術あり 手術・処置等2なし 18 10.33 28.41 5.56 71.06
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 14 2.71 3.03 0.00 75.07
040030xx97xxxx 呼吸器系の良性腫瘍 手術あり 12 8.25 8.44 0.00 70.08
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 10 7.20 9.59 0.00 78.25
当院では肺がんを中心に、胸腔鏡下手術を主として肺の良性腫瘍、気胸、血胸、膿胸、縦隔腫瘍など呼吸器関連の手術を行っています。なかでも、肺の悪性腫瘍に対する入院症例が最も多く、肺葉切除、区域切除、部分切除を行っています。早期診断、早期治療に有効な気管支鏡や胸腔鏡下手術など低侵襲な手技を積極的に行い、患者さんが日常生活に少しでも早く戻れるよう努めています。令和6年度の平均在院日数は全国平均と比べても短く、早期退院となっています。また、手掌多汗症に対して、腋の小さな創から行う胸部交感神経節切除術も行っております。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx0101xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 20 24.60 21.11 5.00 68.40
050161xx01x1xx 大動脈解離 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術等 手術・処置等21あり 16 22.63 29.35 25.00 70.31
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 15 12.67 7.38 13.33 72.93
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 12 20.75 20.84 8.33 71.42
050170xx0320xx 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし 11 39.64 51.19 27.27 75.55
当院の心臓血管外科では予定手術に加えて、播磨姫路医療圏全体の医療機関より、緊急手術の必要がある患者さんの紹介を広く受け入れています。
令和6年度の症例数上位5疾患としては、狭心症や虚血性心疾患に対する手術加療が最も多く、次いで、胸部大動脈瘤や解離に対する手術加療、
さらに末期腎不全のシャント不全に対する手術加療、弁膜症に対する手術加療、閉塞性動脈硬化症に対する手術加療、と続きます。
当院では人工心肺を使用しない冠動脈バイパス術や、ステントグラフトによる動脈瘤手術、低侵襲心臓手術(MICS)やカテーテルによる弁置換手術なども
積極的に行っており、患者さんの身体にかかる負担を少なくすることで回復も早く、早期退院が可能となっております。
特に循環器内科との連携は不可欠であり、万全の体制を整えて狭心症・弁膜症・大動脈解離・動脈瘤等の緊急症例に24時間対応している状況です。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり両眼 383 2.22 4.29 0.26 73.30
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり片眼 195 4.62 7.53 0.00 56.57
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 162 2.05 2.49 0.00 68.72
020220xx01xxx0 緑内障 緑内障手術 濾過手術片眼 156 2.14 8.69 0.00 72.62
020150xx97xxxx 斜視(外傷性・癒着性を除く。) 手術あり 107 2.04 3.08 0.00 27.32
当科では、昨年度同様、白内障に対する入院が最も多い結果となりました。眼科領域のほぼ全ての疾患に対して入院手術だけでなく日帰り手術も積極的に実施しており、それぞれの領域の専門医師が責任をもって治療を行っております。上記に記載されている症例は入院のみ計上していますが、実際には日帰り手術も含めると実症例数は、この数倍の患者さんの診療を行っております。詳しくは当院の眼科ホームページ上の症例数をご参照ください。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060xx99x40x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 207 25.39 16.89 17.39 74.40
010060xx99x20x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし 116 20.18 16.94 19.83 75.16
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 44 12.73 6.89 4.55 68.05
010060xx99x41x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病あり 31 37.68 29.66 54.84 83.81
010060xx99x21x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等22あり 定義副傷病あり 18 38.06 30.25 55.56 82.89
脳神経内科では、脳血管障害、神経免疫疾患、神経変性疾患を中心に診療しており、てんかんに関しても多くの治療実績があります。
入院症例の多くを脳梗塞が占めており、平均年齢は72歳と高いものの、前年に比べると脳梗塞以外の患者増加に伴い、平均年齢はやや低くなっている傾向にあります。
2024年度は前年と比べると「てんかん」症例が約2倍近く増加し、症例としても上位3番目に入っております。
脳神経外科と協力しながら、播磨姫路医療圏・西播磨圏域を中心として積極的に救急車の受け入れを行い、早期に治療を開始し、回復期リハビリ病棟、
また同一法人内の三栄会広畑病院と連携しながら、早期在宅復帰を目指しています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 108 2.04 2.45 0.00 73.98
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし 77 7.29 5.16 2.60 63.99
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 53 9.08 6.81 0.00 77.04
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 28 12.57 11.11 0.00 73.71
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患 その他の手術あり 定義副傷病なし 19 10.16 7.30 0.00 66.58
泌尿器科では、主に、腎、膀胱、尿管に発生した良・悪性腫瘍や結石等に対する診療を行っております。
2024年度は前立腺の悪性腫瘍に対する診断目的入院が最も多く、次いで上部尿路疾患に対して結石除去術を実施する症例が続く結果となりました。
悪性腫瘍疾患は増加しており、膀胱腫瘍に対する手術症例、前立腺悪性腫瘍に対する手術症例が、上位3番目・4番目に入っております。                                                                                                                                 当院泌尿器科では内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」を用いた手術を導入しており、腎・尿管、膀胱、前立腺といった症例に対応しています。
使用症例は年々増加しており、上位4番目に入っている前立腺の悪性腫瘍手術症例は、この「ダヴィンチ」を使用した症例となっています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 243 2.91 4.18 2.06 73.86
050050xx9920xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし 204 2.28 3.27 0.49 74.40
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 154 2.08 3.07 0.65 68.29
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 113 15.07 17.33 22.12 83.99
050030xx03000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 105 13.45 11.37 5.71 69.55
 循環器内科の2024年度は、前年度と比較して上位5位疾患の編成は変わらないものの、症例数自体が大幅に増加しました。中でも1,2,3位を占める狭心症に対するカテーテル治療だけでも87件の増加となっております。狭心症は日常生活の質を左右しうる疾患でもあり、心筋に血流が足りない場合は治療が必要な疾患でもあります。
 皆さん御存知のようにカテーテルは手首・肘・足の付け根から2-3mm 程度の管を心臓や足の血管まで挿入し造影剤で血管を描出する検査、ステントや風船で血管を広げてくる手術をするときに使用します。
最近では狭心症における手術適応は中等度の病変では機能的虚血を証明することも必要とされております。当院においても、狭いところを何でも広げるのではなく、機能的虚血の評価を積極的に行い、手術の必要性を十分考慮した診療を行っております。

 同じ虚血性心疾患でも急性心筋梗塞症 (急性冠症候群を含む) は致命的にもなり得る緊急性のある疾患です。今年は27件増え、105例の5位でした。
アメリカ心臓病学会のガイドラインにおいても病院到着からバルーン拡張までに要する時間 (Door to Balloon time) は90分以内を推奨しています。2024年実績として、当院では救急車で来院以外の症例も含めて 平均78.0分、最短は 32.0分でした。時間短縮にはそれぞれの職種に応じた専門性と素早さが要求されます。引き続き心血管緊急治療に関して研鑽を続けて参ります。

また、上記一覧にはないものの、下肢閉塞性動脈硬化症や弁膜症、卵円孔開存に対しても、心臓血管外科と連携し外科的治療とカテーテル治療を組み合わせて治療しております。

 心不全パンデミックと言われている今日この頃ですが、当科においても心不全は入院原因として上位に入る疾患となっております。心不全は御高齢の方に多い疾患であり、平均年齢も他疾患での入院と比較して高くなっております。心不全に関しては多職種(医師・看護師・薬剤師・検査技師・リハビリ・栄養科・ソーシャルワーカー)を含めたカンファレンスを週1回行って情報共有を行って効果的な診療・指導を心がけております。
 当科では入院早期からの心臓リハビリテーションの導入を行っており、早期離床・ADLの拡大は退院後の患者さんの生活の質に直結すると考えております。
以上の取り組みにより、ほぼ全ての疾患において、全国の平均入院期間より短い期間でご退院頂けております。
血液透析科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 11 13.45 13.75 18.18 67.36
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外
110280xx02x1xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等21あり
160610xx99xxxx 四肢筋腱損傷 手術なし
血液透析科では、慢性腎臓病および透析関連の入院数が最も多い結果となりました。慢性腎臓病が進行して、図らずも透析が必要になってしまった患者さんに、より良い環境と安心安全な透析を提供できるよう、設備の整備や多職種でのサポートを行っています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 109 8.46 8.88 6.42 75.71
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 99 4.24 2.57 2.02 71.23
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 43 9.40 7.60 0.00 62.35
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 34 6.00 7.45 0.00 77.26
060130xx9900xx 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 29 9.59 7.67 10.34 70.52
消化器内科では、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸といった消化管および肝臓、胆道(胆のう、胆管)、膵臓等の臓器の症状や疾患を抱える方に対して、診療や検査、治療を行なっており、消化器疾患全般を幅広く対応しております。令和6年度の症例数上位5疾患としては、胆のう炎や胆管炎、胆道結石による入院が最も多く、次いで大腸ポリープ、穿孔又は膿瘍を伴わない憩室疾患、胃・十二指腸ポリープ、腸炎という結果でした。当科では、胆道膵疾患における超音波内視鏡検査(EUS)による精密検査、膵腫瘍やリンパ節腫大、粘膜下腫瘍の確定診断が可能な超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA/FNB)が行えるようになっております。また、胆道閉塞による黄疸に対する内視鏡的胆管ステント留置術や、胆石による胆管炎、胆嚢炎に対する内視鏡的胆管結石除去術、内視鏡的胆道ドレナージ術など、内視鏡的逆行性膵胆管造影検査(ERCP)が24時間体制で行えるよう整えましたので、夜間や休日などの時間外であっても緊急対応をしております。当科ではできる限り消化器症状・消化器疾患を有する患者さんのニーズに向き合えるよう、放射線科・消化器外科と連携を取り、チームで治療を実施しております。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 100 4.16 4.54 0.00 70.29
060335xx0200xx 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 46 6.22 7.05 2.17 62.80
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 45 16.20 14.81 13.33 75.98
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 42 5.76 5.99 0.00 62.93
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 23 6.17 5.32 0.00 43.30
当科で最も多い症例である鼠径ヘルニアをはじめとして、良性・悪性の疾患を問わず、腹腔鏡下手術を第一に選択しています。腹腔鏡下手術は、手術による切開部を小さくすることができるため、身体的負担を軽減することで、早期退院が可能となります。また、悪性腫瘍に対して術後の抗がん剤治療も行っています。令和5年度は前年度よりも入院症例が全体的に増加しており、胆嚢に対する入院症例は前年度より28件増加しています。消化器内科と連携を取り、患者さんの全身状態や生活環境を考慮し、最善の治療を提供できるよう努めています。
乳腺甲状腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 32 9.84 9.77 0.00 68.81
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 18 4.83 5.50 0.00 63.83
090020xx97xxxx 乳房の良性腫瘍 手術あり
060241xx97xxxx 痔核 手術あり
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし
当科では乳がんに対して手術を行ない、その中で乳房切除術の対象症例が最も多い結果となっています。乳房部分切除術では根治性・整容性を高める手術を実践しております。術前化学療法後の手術も行なっています。乳がんの専門的診療のできる病院が少なくなっている中、当院は乳腺専門医が常駐し、小さい早期乳がん、皮膚浸潤を来すような進行がん、集学的治療が必要な転移乳がんの患者さんすべて対応しております。また、抗がん剤の有効性を予測し、薬物療法をより効果的に行なうため、様々な遺伝子検査なども実践しております。患者さんの希望を優先し、他科医師や他職種のスタッフと密に連携し合併症の予防、併存症の管理、支持療法の充実に努め、有効で安全な乳がん治療を実践しております。また、乳房の検査には女性放射線技師・女性超音波技師が対応し、女性患者さんに安心して来院いただける診療体制を整えております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 48 10 11 1 8
大腸癌 41 25 38 16 1 8
乳癌 25 17 1 8
肺癌 27 11 10 1 8
肝癌 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
5大癌(胃癌・大腸癌・乳癌・肺癌・肝臓癌)の初発、再発別に集計しています。UICC TNM分類では、原発腫瘍の広がり(T)、がん細胞のリンパ節転移の有無と広がり(N)、原発から離れた臓器への遠隔転移(M)の組み合わせによって病期(stage)が判定されます。ステージが大きくなるほど、癌が進行している状態を示しています。当院での癌症例を病期分類で見てみると、内視鏡手術や腹腔鏡手術などの専門的手術適応となる事の多いstageⅠの割合が高くなっています。当院では上部・下部内視鏡検査、気管支鏡検査等各種検査を積極的に行っており、早期発見・早期治療に努めております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 15 7.93 56.80
中等症 37 11.68 73.59
重症 27 12.93 86.41
超重症 17 14.29 84.59
不明
誤嚥性肺炎等を除く市中肺炎患者に対し、肺炎の重症度分類であるA-DROPを用いて重症度別で患者数を算出しています。重症度が高くなるほど入院期間が長いことがうかがえます。当院では中等症肺炎を最も多く受け入れており、次いで重症、超重症となっています。超重症肺炎の受け入れは年々多くなっていますが、入院期間は年々短縮しており、良好な結果となっています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 612 29.44 76.00 29.28
その他 13 34.08 78.23 0.64
発症3日以内の急性期脳梗塞の患者さんが全体の98%を占めています。当院では脳卒中ホットラインが設置され、24時間365日救急医療体制での患者さんの受入れを行っており、脳神経内科と脳神経外科が連携して治療を行います。脳梗塞超急性期に対しての血栓溶解療法(t-PA静注療法)や、血管内に血栓回収用デバイスを挿入し詰まっている血栓を回収する血管内治療(機械的血栓回収術)を積極的に行っています。令和6年度の入院後3日以内の早期リハビリテーション開始率は99.4%と高い数値となっており、早期に治療を開始し、急性期治療が終了した後は回復期リハビリ病棟、同一法人内の三栄会広畑病院と連携し、早期在宅復帰を目指す体制を整えています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 147 2.59 22.75 55.10 81.05
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 144 1.62 23.77 11.11 73.68
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 111 1.73 8.37 13.51 65.46
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 109 2.82 27.43 62.39 83.34
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 前腕、下腿 60 0.65 1.50 1.67 44.77
整形外科では、患者数、手術件数供に年々増加しており、地域密着型医療機関として、中播磨地区、西播磨地区の患者さんを広く受け入れています。整形入院の55%は緊急の入院で、近隣地域で発生した外傷など、緊急性の高い患者さんを多く受け入れ、外科的治療を中心に取り組んでいます。高齢の患者さんでは、合併症がある患者さんも多くおられ、他の診療科と連携を取りながらチームで診療にあたり、安全な医療の提供につとめています。また、当院では、在宅復帰を目的とする回復期リハビリテーション病棟を開設しており、主治医、看護師、専従リハビリスタッフ、在宅復帰支援担当者が協力してスムーズな在宅復帰を目標に、患者さんのリハビリや在宅復帰支援に関する相談・準備を行っています。また遠方の方や、当院のリハビリ病棟が満床の場合、当院の系列病院である三栄会広畑病院や、ご自宅近くの回復期リハビリテーション病院をご紹介し、同様に在宅復帰にむけてリハビリテーションを継続していただくシステムをとっております。手術件数では、昨今の高齢化を反映して、股関節骨折などの観血的手術、次いで人工関節置換術や人工骨頭挿入術が上位を占めています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K178-4 経皮的脳血栓回収術 106 0.75 34.97 47.17 77.01
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 99 0.49 9.28 14.14 80.48
K1781 脳血管内手術 1箇所 47 1.02 25.34 23.40 68.19
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 47 4.68 10.43 14.89 77.13
K1742 水頭症手術 シャント手術 45 1.11 9.47 8.89 79.00
2024度は経皮的血栓回収術が最も多い結果となりました。経皮的脳血栓回収術はt-PA(血栓溶解療法)によって改善が認められない場合や治療の適応外症例に対して血管内に血栓回収用デバイスを挿入し詰まっている血栓を回収し閉塞した血管を再開通させるものです。当院では脳血管内治療の専門医が在籍し積極的に救急症例を受け入れているため、くも膜下出血や脳動脈瘤に対するコイル塞栓術、頸動脈狭窄症に対する経皮的頸動脈ステント留置術等、脳血管内手術を多く手掛けています。また、脊椎領域の手術では脊柱管狭窄症、頚椎症性脊髄症や骨折など外傷による疾患に対して脊椎固定術・椎弓切除術・椎弓形成術、椎間板ヘルニア等に対して椎間板摘出術など実施し脊椎手術全体では168症例実施しました。手術後は、社会生活復帰を目指して、充実したリハビリテーションを実施しています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 19 1.00 6.79 5.26 72.11
K5132 胸腔鏡下肺切除術 部分切除 14 1.79 4.79 0.00 67.14
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除 14 1.07 7.36 0.00 75.29
K496-2 胸腔鏡下醸膿胸膜又は胸膜胼胝切除術 13 7.77 9.77 15.38 76.38
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 区域切除 11 1.00 5.36 0.00 75.00
当院では、気管支鏡検査を行うことで、より早期にがんを発見することが可能となり、術前に胸部及び腹部CT等の画像検査を行い病期を確認し、患者さんの全身状態や年齢等を考慮し、治療方針を決定しています。令和6年度は悪性腫瘍に対する手術を44件実施しており、上位を占めています。手術内容は肺切除が基本となりますが、体への負担が少ない胸腔鏡下手術を積極的に行うことで、術後早期に日常生活へ戻れるよう努めています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの) 2吻合以上のもの 17 4.12 22.06 5.88 71.18
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術 2吻合以上のもの 16 4.75 23.88 37.50 71.44
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 16 2.31 23.88 6.25 77.00
K5601ニ 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 上行大動脈 その他のもの 12 0.92 24.25 0.00 75.50
K5606 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの) 12 1.67 16.50 16.67 75.92
令和6年度は冠動脈,大動脈バイパス手術が1位、2位に入りました。次いで、閉塞性動脈硬化症等に対して血栓除去術が続き、
胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤に対する手術が4位、5位となるなど、心臓や大動脈瘤に対する手術が上位の殆どを占めました。
当院ではそれ以外にも、胸腔鏡を使用した弁置換・弁形成手術や、連合弁膜症による複数弁の手術等、様々な手術を行っており、
チーム医療に特化した対応にて努めております。
また、閉塞性動脈疾患は循環器内科と連携しながら血管内・外科的手術治療を行い、近隣医療機関だけでなく県外からの対応も行っています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 556 0.00 1.20 0.18 72.32
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 308 0.03 2.87 0.32 64.24
K2683 緑内障手術 濾過手術 164 0.01 1.14 0.00 72.45
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術 その他のもの 91 0.19 2.14 0.00 66.59
K2422 斜視手術 後転法 63 0.08 0.98 0.00 25.73
令和6年度は、白内障に対する手術が最も多く、次いで硝子体手術が多くなっています。
前年度と比較すると、患者数は全体的に増加しており、外来手術を含めると上記の数倍の患者さんの手術治療を実施しております。
近隣地域だけでなく、様々な地域からの紹介患者さんも多く受け入れており、最善の治療技術を患者さんに提供できるよう努めています。当院では入院での手術だけでなく日帰り手術での対応も行っておりますので、近年では日帰り手術を希望される患者さんが多くなっています。
詳しくは当院の眼科ホームページ上の症例数をご参照ください。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 73 1.23 4.79 1.37 64.00
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 56 1.57 7.88 1.79 77.32
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 39 0.26 9.92 10.26 73.00
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 26 1.00 10.04 0.00 73.50
K764 経皮的尿路結石除去術(経皮的腎瘻造設術を含む。) 11 1.09 9.09 18.18 69.18
2024年度、最も多く実施された手術は、経尿道的結石除去術、次いで経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)となっています。
内視鏡支援手術ロボット「ダヴィンチ」を用いた手術が増加しており、前立腺悪性腫瘍に対するダヴィンチ手術は4番目に入っています。
ダヴィンチ手術は体に小さな穴を空け、腹腔鏡で行う手術で、傷口が小さく低侵襲の手術であり、術後の回復が早いというメリットから、主流となってきており、
前立腺だけでなく、腎・尿管、膀胱と、症例数は年々増加しています。
常に最善の医療技術と最新の医療機器をもって、適切な医療を患者さんに提供できるよう努めています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 136 1.71 2.49 4.41 74.61
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 111 0.30 4.73 6.31 75.64
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術 急性心筋梗塞に対するもの 94 0.02 16.22 8.51 72.01
K5463 経皮的冠動脈形成術 その他のもの 52 1.67 2.29 3.85 73.46
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの 52 0.31 7.21 9.62 72.50
手術に関しては、2024年度も虚血性心疾患に関する治療が多くなっております。ここに示します上位1、3、5位の手術はステント留置でありますが、最近では小血管・ステント再狭窄に関しては薬剤コーティッドバルーンを使用することもあります。心臓カテーテル治療も高度石灰化病変などに対してはロータブレータなど特殊な機材を使用して手術を行う必要もあります。上位5位までには入っておりませんが、心臓に対する血行再建の10%程度を占めております(手術としては異なるため、ロータブレータを使用した手術件数は6位となっております)。できるだけ遠隔期の良好な治療成績を得るためにも必要があれば特殊カテーテルを使って手術を行います。これらの治療法の詳細については当科のホームページをご参照下さい。
 また、第2位に入った下肢動脈硬化病変に対する治療は前年度と比較し、63件増と2倍以上の増加となりました。動脈硬化は全身疾患であり、もはや循環器内科は心臓だけを診ている診療科ではありません。中でも下肢閉塞性動脈硬化症は動脈硬化疾患の中で大きな位置を占めております。近隣の先生方からの紹介もあり、潰瘍(皮膚の一部に傷ができて皮下組織が露出してしまう)や壊疽(血流障害で足が腐ってしまう)などを合併すると創傷処置も必要となりますので、心臓血管外科・看護師・リハビリと協力して治療を進めて参ります。
さらに、上記一覧ではご覧いただけませんが、当科では重度大動脈弁閉塞症に対してカテーテルを使用した大動脈弁置換術(TAVI)や、卵円孔開存に対してカテーテルを使用した卵円孔開存閉鎖術(PFO閉鎖術)も実施しております。カテーテルを使用した大動脈弁置換術やPFO閉鎖術は低侵襲の為に術後の回復が早く、早期にご退院いただけます。実施件数自体も年々増加しております。

 循環器疾患はカテーテル治療のみでは完結しません。心臓血管外科との連携は積極的な治療を行うためにも非常に重要です。心臓血管外科とは週1回のカンファレンスを通じて症例検討を行いシームレスな治療を受けて頂けるよう、365日24時間体制で心臓血管外科・循環器内科医は常駐しております。また緊急性であることが多い心血管治療に昼夜問わず手術ができる体制を整えております。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 118 1.34 10.19 13.56 76.36
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 76 1.16 2.20 2.63 72.05
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm以上 36 0.50 2.22 0.00 69.14
K654 内視鏡的消化管止血術 35 1.26 12.71 11.43 75.00
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 32 1.00 4.06 0.00 76.50
消化器内科では、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸といった消化管および肝臓、胆道(胆のう、胆管)、膵臓等の臓器の症状や疾患を抱える方に対して、診療や検査、治療を行なっており、消化器疾患全般を幅広く対応しております。患者様自身が胃カメラを予約する胃がん検診や、地域医療機関から当院内視鏡検査を予約するオープン検査など、症状の原因となりうる疾患の検索や消化器がんの早期発見に日々努めております。当科には消化器チームと胆膵チームがあり、それぞれの領域の専門医師が責任を持って治療を行っております。胃がん・大腸がんに対する内視鏡的ポリープ・粘膜切除術(EMR)や、内視鏡的粘膜下層剥離術 (ESD)、胆管や膵管の狭窄した部位にステントを留置し胆汁や膵液の流れを良くする内視鏡的ステント留置術(EBS/EPS)などの治療内視鏡にも積極的に行なっております。前年度に比べて、全体としては約50件増加しておりますが、上記に記載されている症例は入院のみ計上していますので、実際には外来も含めると実症例数はこの2倍以上の治療を行なっております。高齢患者さんには基礎疾患も多くあり、慎重な経過観察を必要とするケースもありますが、消化器外科と連携を取り、患者さんに最善の治療を提供できるよう努めています。詳しくは当院の消化器内科ホームページをご参照ください。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 90 0.80 4.18 1.11 63.03
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 73 0.96 2.14 0.00 68.74
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 31 3.06 10.29 9.68 74.94
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 27 1.07 2.26 0.00 74.48
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 23 0.43 4.74 0.00 43.30
当科では、胃・腸などの消化管のみならず肝胆膵領域を含めた腹部消化器疾患を中心に治療をおこなっています。令和5年度は、”腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術”の件数が最も多くなっています。また、胆嚢結石や胆嚢炎に対する”腹腔鏡下胆嚢摘出術”が25件増加していました。当院では良性・悪性の疾患を問わず、腹腔鏡下手術を積極的に行っています。腹腔鏡下手術はお腹に小さな穴を開け、器具やカメラを挿入し実施するため、傷が小さく痛みも軽く、身体に負担の少ない手術です。そのため、術後の回復および社会復帰が早く、早期退院が可能となり、平均術後日数は前年度より全体的に短くなっています。
乳腺甲状腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 19 0.89 3.26 0.00 63.16
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 15 1.07 7.00 0.00 72.60
K4765 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの 11 1.00 8.91 0.00 68.09
K4741 乳腺腫瘍摘出術 長径5cm未満
K4742 乳腺腫瘍摘出術 長径5cm以上
1~3番目は全て乳がん治療における手術です。がんが発現した場所や大きさなどによって切除する範囲や箇所が変わってくることもあり、上記のように手術コード(Kコード)が細分化されています。乳がんの治療には外科的治療(手術)の他に、放射線治療や薬物治療がありますが、手術によってがんの部分を切除することが基本となります。前年度と比較すると乳がんに対する乳房切除術・乳房部分切除術は17件増加しております。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる 16 0.18
180010 敗血症 同一 11 0.12
異なる 15 0.17
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる ーー
180040 手術・処置等の合併症 同一 35 0.39
異なる
この指標は、臨床上ではゼロにならないものの、医療の質の改善に資するため、少しでも発生を抑えるべく努力すべきものとして、各項目が入院の契機となった傷病名と同一か異なるかに分別して集計しています。
【同一】である場合には、当該傷病名に対して、入院当初より治療を実施したことを示します。また、【異なる】場合には、別疾患にて入院中に発症し、治療を実施したことを示します。当院のICT・ASTチームを中心に、保健所や近隣の医療機関と連携を図り、感染制御の質向上に向けて取り組んでいます。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
1156 1066 92.21
肺血栓塞栓症は、血栓の大きさや血流の障害の程度によって軽症から重症までのタイプがあります。血栓によって太い血管が閉塞してしまうような重篤な場合には、肺の血流が途絶し、酸素が取り込めなくなり、ショック状態から死に至ることもあります。このため、危険レベルに応じた予防を講じることが推奨されおり、対策として、静脈還流を促すための弾性ストッキングの着用や間歇的空気圧迫装置(足底部や大腿部にカフを装着し、空気により圧迫)の使用、抗凝固療法があります。当院では、肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した約92%の入院患者さんに対し予防対策を実施しておりました。
今後更に高い実施率を目指し、引き続き取り組んでまいります。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1943 1745 89.81
広域抗菌薬を使用する際、投与開始時に血液培養検査を行うことは、感度を上げるためならびにコンタミネーションの確認のために2セット採取が推奨されています。
また、血液培養は 1 セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2 セット以上行うことが推奨されています。
本指標は、血液培養を行う際に2 セット以上の検査が実施された割合を示しています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
533 471 88.37
近年問題となっている薬剤耐性菌は、抗菌薬の不適正使用と使用量が大きく関係しています。特に広域スペクトル抗菌薬は高範囲に効果のある反面、耐性菌を発生させやすいため、使用を必要最低限に留める必要があります。そのためには、細菌培養検査を行い、最も効果のある抗菌薬を調べることが不可欠であり、広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率を算出し、評価をしています。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
106600 278 2.61
転倒・転落発生率は、集計期間中における延入院患者数の中で、転倒・転落が発生した件数を1,000人あたりの比率で示しています。入院患者さんの転倒転落は、患者さんが自立的に活動される限り、完全に防ぎきるものではありませんが、可能な限り0に近づけるよう、今後も努力してまいります。尚、発生率の単位は1/1000となっています。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
106600 5 0.05
インシデント影響度分類レベル 3b以上とは、転倒転落した事例の中でも損傷レベルの高いもの(手術や大きな処置を必要とする)を指します。この指標は、病院として転倒・転落予防の取り組みを効果的に行えているかどうかを表す指標です。尚、この指標の単位も、転棟・転落発生率と同様に1/1000となっています。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
120 118 98.33
適切な予防的抗菌薬投与は、手術後の感染発生を効果的に防ぎ、入院期間の短縮や医療費の抑制につながると考えられています。
投与率が高いことは、感染予防への積極的な取り組みと、効率的な医療提供の証と評価できます。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
104287 26 0.02
褥瘡は発生することで痛みを伴うなど、患者のQOLの低下をきたします。また、入院日数の増加や医療費の増大だけでなく療養場所の選択にも関わってくるため、患者・家族にとっても病院・社会にとっても大きな問題です。
褥瘡発生を少しでも減少させるため、当院では他職種からなる褥瘡対策チームで対策を検討・実施することにより、一般病棟におけるd2以上の褥瘡発生率は0.025%でした。今後もこの水準を維持できるように、取り組みを続けます。
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
6550 6515 99.47
当院では、ほぼ全ての病棟に管理栄養⼠を配置しており、臨床栄養学をもとに⾼度急性期医療の根幹を⽀えるため、栄養サポートを365 ⽇実施しています。
早期に低栄養リスクを評価し適切な介⼊をすることで、在院⽇数の短縮、予後改善につながります。この指標は医療機関の栄養管理体制を表す指標とされており、当院ではほぼ100%に近い患者さんに対し、入院早期での栄養アセスメントを実施しております。
身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
106600 2511 2.36
身体的拘束は、制限の程度が強く、また、二次的な身体的障害を生ぜしめる可能性もあるため、代替方法が見出されるまでの間のやむを得ない処置として行われる行動の制限であり、できる限り早期に他の方法に切り替えるよう努めなければならないものとされています。
施設や医療機関などで、患者を、「治療の妨げになる行動がある」、あるいは「事故の危険性がある」という理由で、安易にひもや抑制帯、ミトンなどの道具を使用して、患者をベッドや車椅子に縛ったりする身体拘束は慎むべきものであり、当院では出来るだけ身体拘束を行わないよう、努めております。
更新履歴
2025.10.4
循環器内科のコメントを一部修正