未破裂脳動脈瘤

未破裂脳動脈瘤

概要
脳動脈瘤が破裂し頭の中に出血(くも膜下出血、脳内出血)を起こすと、死亡率が30~50%といわれています。破裂した後で治療を行い、良好な回復を得ることが出来るのは全体の約10-20%の方だけです。未破裂脳動脈瘤はおよそ一年に1%の割合で破裂すると考えられています。
また、動脈瘤の形が不整なもの一部に突出を認めるものは破裂しやすいと考えられています。
手術方法

脳動脈瘤の外科的治療には開頭手術による動脈瘤クリッピングと脳血管内手術によるコイル塞栓手術があります。

・コイル塞栓手術
局所麻酔下に大腿の動脈から管(カテーテル)を頚部の血管まで挿入します。次にマイクロカテーテルという直径約1mm位の細いカテーテルを動脈瘤内に挿入します。その管を介してコイル(プラチナ製)を挿入していき、動脈瘤を閉塞します。動脈瘤頚部(入り口の部分)の径がドーム(動脈瘤本体)径に比較して狭いものが適しています。
局所麻酔で行えますので、全身麻酔が行えない方でも治療を行うことが出来ます。頭皮をきったり、頭蓋骨を開けたりはしませんので、傷は穿刺部のものだけです。
当院ではこの脳動脈瘤にはコイル塞栓術を主に行い、良好な結果を得ています。

2018年 脳血管内手術件数内訳 件 数
経皮的脳血管回収術 82件
脳血管内手術(コイル塞栓術) 44件
経皮的頸動脈ステント留置術 48件
血管塞栓術 11件
経皮的脳血管形成術 45件
その他 26件
総件数 256件
※開頭手術による動脈瘤クリッピングと脳血管内手術によるコイル塞栓手術にはそれぞれに長所、短所があり個々の患者さまに最適な治療を選択するようにしています。
・コイル塞栓術の短所
血管内操作により血栓を形成し、コイルが正常血管に流れ込むようなことが起こると脳血管を閉塞し、脳梗塞を引き起こす危険性があります。その時には閉塞部の虚血による神経症状(麻痺、言語障害、意識障害等)が出現します。また動脈瘤の血管壁をカテーテルワイヤーで穿通して出血させる可能性があり、神経症状の出現および生命にかかわる状況に至る可能性があります。
これらの合併症が起こった場合、緊急開頭手術になることがあります。
治療直後の経過が順調でも、症例により、期間が経つとコイルが動脈瘤の中に押し込まれて、動脈瘤が部分的に再開通する(コイルコンパクション)ことがありますので、定期的に血管造影を含めた検査が必要です。またカテーテルの留置が困難な場合や血管の分岐状況により、治療を行えない場合もあります。