ストーリー・テラーになろう。
私達ツカザキ病院眼科チームの拠点は、姫路市の西の外れの網干(あぼし)にあります。
手術症例数は日本最大レベルの臨床第一の組織です。
私達は、軽症、手術、重症、希少疾患、研究、教育という全ての区分を創設以来大切にしてきました。
経営学ではバリューチェーンと呼びますが、利益が出る業務もあれば、どうしても赤字になる領域が全体として混在するため、トータルでプラスにしていくというのが経営学的な常識です。
ですから、軽症や手術だけを切り取って「大学病院並みの医療」などと口にすることは知性の欠如です。
経営学的にも道義的なルール違反だからです。
大学医局の不効率や生産性の低さに真正面から向き合うこと自体は新しい未来として大賛成です。
ただし、自信満々な私達ですら16年掛けてまだまだ未完成であることを自覚している大仕事です。
もし希少疾患も教育も研究も排除したなら、優秀な人には耐えられない程の簡単なルーチンワークに一挙に成り下がります。
日本の医師の大きな問題点の一つが、メタ知識を一切教えられていないことです。
眼科は医療全体の役割の一つであり、医療もまた社会全体の役割の一つでしかありません。外部環境を知るメタ学問こそ、眼科医療を考えるための前提でなければなりません。
当科に就職して頂ければ、将来の担い手としてメタ知識に関わるディスカッションを折に触れて仕掛けます。若い人達は聡明で、私の話を聞いて瞬時に視点を拡げ、暗記問題に回答するクイズチャンピオンとしてではなく、正解のない問題を自ら投げかけて取り組んでいく、作家(ストーリー・テラー)のひとりとして成長していきます。
私には強い使命感があります。日本の眼科医療のリーダーを育てることです。
有名な話ですが、かつて世界の時価総額トップ20のうち14が日本企業であった時代がありました。もちろんその当時日本の眼科とアジア周辺国のレベル差は歴然でした。
現時点で時価総額日本トップのトヨタ自動車は30位にすら入っていません。
今や眼科医療のアジアトップはシンガポールです。
話を戻しますが。
臨床第一を大前提としてやってきた私にとって、最も欲しかったブランドイメージが、「ツカザキ病院眼科でダメだったら仕方がないか」と患者さんに思って頂くことです。
日本の眼科が世界トップであることを世界中のまだ目の病気にかかっていない健康な人に意識してもらう。本当に目の病気になったら、日本のアイセンターでダメだったら仕方ない。
そんな風に、世界中の人達にあらかじめ考えてもらった上で日本を訪ねてもらう。
少なくともツカザキについては、私の物語作家としての能力が発揮され、これが実現しました。
私はこれからストーリー・テラーを数多く育て、彼らが生み出すいくつもの物語の力で日本の眼科を次の次元に連れていきたいのです。
最後まで読んで頂き、何かを感じて、勇気をもってチームメンバーになりたいと思うのなら、あなた自身に新しいものを作っていく作家としての素質があります。
一緒に未来を歩みましょう。
見学のご連絡心よりお待ちしています。
白内障の手術は、最短で手術が終了したその場で患者様の視力が抜群に改善することもあります。患者様に非常に喜んでもらえることが多いという意味でやりがいを感じる瞬間が多い科と思われます。また、OnとOffがはっきりとしている科でもあり、自分の時間をきっちりと確保したうえで仕事に邁進するワークライフバランスを重視することができる科だと思います。
近年の日本では涙道内視鏡の普及により、涙道疾患に対する診断・治療が進歩してきており、専門家への期待が高まっています。また、涙のう炎や涙小管炎といった涙道感染症は、白内障手術などの際に眼内炎を引き起こす原因となるため、適切に治療しておかなくてはならず、専門家の役割は重要です。マイナー科である眼科の中でもニッチな分野であり、だからこそ魅力がある分野と言えるでしょう。
他の科と比較しても圧倒的に手術症例が豊富なので、手術がしたいという方には最も眼科がおすすめだと思います。私は糖尿病網膜症を専門として見ていますが、糖尿病網膜症は日本の中途失明原因の上位であり、失明につながりうる病気です。何とか困難を乗り越え、失明が回避できた時の達成感はひとしおです。
眼は脳の一部で非常に重要な感覚器官であります。眼から入る情報は、全ての情報のおよそ8割ともいわれています。眼科の魅力としてあげられるのは一つ目には診断から治療までを完結することができる科であることでしょうか。QOL改善型の診療科であることから、患者様自身から直接感謝されることが多く、患者様の喜びを医療者としてダイレクトに感じやすい科でもあると思います。
患者様に感謝してもらいやすい、こちらが患者様が喜んでいることを実感しやすい科だと思います。私は網膜血管閉塞疾患を専門として見ています。完治はなかなかしませんが、時間をかけて徐々に改善していく中で、見えるようになっていく、症状が改善していく喜びを患者様と共に感じあえる瞬間を非常にうれしく思います。
睫毛一本が眼球に触れていても気になることは容易に推測できると思いますが、種々の内反症、視機能に影響する眼瞼下垂などの眼瞼疾患の背景には眼窩疾患、脳神経系疾患、筋原性疾患、炎症性疾患や内分泌疾患なども隠れていることがあり鑑別診断が重要になります。的確な診断後に適切な治療を選択していくこと、個々に対応し努力を重ねていくことが患者様に喜んでいただける結果に繋がっていく分野と考えます。