乳腺外科

ご挨拶

2022年6月より当院乳腺外科に着任しました。
京都大学医学部大学院卒業後、12年間姫路医療センター、その後7年間関西電力病院（大阪）に勤務し、乳がんなどの乳腺疾患および肛門疾患に関する多くの手術・治療を行ってきました。エビデンスに基づく最適な治療の実践はもちろん、患者さんに寄り添い、患者さんの希望を可能な限り優先してきました。力を入れたのは、抗がん剤の副作用の緩和です。脱毛の予防に効果的な頭皮冷却療法、抗がん剤による手のしびれを緩和する手袋圧迫療法などを行いました。ヨガで筋肉を刺激し、お隣の患者さんと話し、ストレスを緩和する、という独特なスタイルのがん患者会を開催し、主に女性のがん患者さんをサポートしてきました。このたび再び姫路に戻って参りました。前任地で得た知見・技術を最大限に活用しつつ、乳がんを主とする乳腺疾患を治療します。よろしくお願い申し上げます。

診療内容

当科では、乳腺の疾病、特に乳がんの治療である手術・化学療法等薬物療法を行っています。手術は乳癌学会乳腺専門医が執刀し、乳房に関しては温存術（内視鏡補助下手術を含む）・乳房切除・乳頭皮膚温存乳房切除術・同時乳房再建術（準備中）、腋窩に関しては腋窩郭清術、色素・ICGを用いたセンチネルリンパ節生検術を行っています。根治性・整容性を高める手術を実践しています。
化学療法は、外来化学療法室で行っています。脱毛を予防する頭皮冷却療法（現在は周術期化学療法のみ）、手指の末梢神経障害（しびれ）を予防する手袋圧迫療法を行い、化学療法の副作用軽減に努めております。
また、姫路市乳がん検診に加えて、MRI DWIBSを応用した「痛くない乳がん検診」の導入を準備しております。乳房の検査には女性放射線技師・女性超音波技師が対応し、女性患者さんに安心して来院して頂ける診療体制を整えています。

自覚症状

乳房の画像検査（マンモグラフィ・エコー）

日本ではマンモグラフィ検診は、40歳以上で推奨されていますので、対象の方は是非受診をしてください。

マンモグラフィでの問題として高濃度乳房があります。乳房内の乳腺の割合により病変の発見率に差があり、乳腺濃度が高い方は病変が見つかりにくい場合があります。
そのような場合には超音波検査（エコー）を併用することで、精度を保てると考えられています。
当院でも乳腺外来にてマンモグラフィ検査・エコー検査を行っておりますので、気になる方は受診をしてください。

マンモグラフィ放射線技師

3名のマンモグラフィ撮影認定技士、1名のマンモグラフィ放射線技師が撮影致します。
少しでもリラックスして受けていただけるよう、同じ女性としてお手伝いします。

医療関係者の方

姫路市西部地区では乳がんの専門的診療のできる病院が少なくなっています。しかし、当院は常勤・非常勤での乳腺専門医が常駐し、小さい早期乳がん、皮膚浸潤を来すような進行乳がん、集学的治療が必要な転移乳がん患者さんすべて対処可能です。BRCA遺伝子検査、Oncotype DX検査も実施しています。AYA世代の患者さんの妊孕性温存の相談にも応じます。患者さんの希望を優先、専門スタッフ・各科医師との密な連携で併存症を管理、有効で安全な乳がん治療を実践します。