厚生労働省より、新たな倫理規定の指針が平成29年2月28日に公布されました。通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施をします。臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等のみを用いた研究や、余った検体のみを用いるような研究については、国が定めた指針に基づき、「対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありません」が、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開し、さらに拒否の機会を保障することが必要とされています。
このような手法を「オプトアウト」と言い、当院でオプトアウトを用いた臨床研究は下記の通りです。なお、研究への協力を希望されない場合は、いつでも拒否ができ、そのために診療上で不利益を被ることはありません。
オプトアウトを行っている臨床研究は下記の通りです。研究への協力を希望されない場合は、下記表内に記載されている担当者までお知らせください。
部門 | 研究課題名 |
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眼科 | 色素緑内障の検討(No.191039) |
眼科 | 人工知能を用いた結膜スメア内の細胞同定 (No.201058) |
眼科 | ラクナ梗塞におけるSCU滞在日数と予後の検討(No.201062) |
循環器内科 | 循環器疾患診療実態調査(J-ROAD)(No.191056) |
部門 | 研究課題名 |
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眼科 | 落屑緑内障に対するプリザーフロの効果 (No.2404001) |
本事業は、日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することにより医療の質の向上に役立て、患者さまに最善の医療を提供するために利用されます。
当院では、消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、乳腺外科、循環器内科、病理、泌尿器科、形成外科における手術症例について登録を開始しています。
全国の医療施設診療科の情報を収集することで、手術を行っている施設診療科の特徴、医療水準の評価、適正な外科専門医の配置、手術を受けた方の予後、これから手術を受ける方の死亡・合併症の危険性などを明らかにすることができます。
これらの登録情報は匿名化され、患者さまに不利益が生じることはありません。
また、登録については患者さまの自由な意思によりますので、拒否することが可能です。
詳細についてはNCD患者さま向け説明資料をご覧ください。
NCDについてのホームページはこちらからアクセスできます。 http://www.ncd.or.jp
現在、当院では、「日本脳神経外科学会データベース研究事業(Japan Neurosurgical Database:JND)」に協力しています。
2018年1月から当院脳神経外科に入院された患者さんの臨床データを解析させて頂き、脳神経外科医療の質の評価に役立てることを目的としています。
解析にあたって提供するデータは、提供前に個人を特定できない形に加工した上で提供しますので、患者さんの個人のプライバシーは完全に保護されます。
本研究の解析に自分のデータを使用されることを拒否される方は、担当医にその旨お申し出下さいますようお願い致します。
当院は、臨床研修医の育成を行っている基幹型臨床研修病院です。
別途定めた臨床研修理念の下、将来専門とする分野にかかわらず、幅広い疾患・病態に対応できる医師の育成に取り組んでいます。研修医は指導医の十分な指導・監督の下、診療の安全と質に十分に配慮しながら、病棟・外来等にて受持医として診療にあたります。
医師臨床研修では、研修医が診療した患者さんの医療情報が東京大学内に設置されている大学病院医療情報ネットワークセンター(UMINセンター)に個人情報を取り除いた形で送られます。この医療情報の移送・管理にはオンライン臨床教育評価システム2(EPOC2)が使用されます。EPOC2は厚生労働省・文部科学省の支援の下、国立大学病院長会議が開発した、臨床研修制度指導ガイドラインに準拠したオンラインのシステムです。全国の多くの臨床研修機関で使用され、研修医・指導医・看護師その他医療職が、研修評価のために使用するもので、高度なセキュリティにより守られています。
このEPOC2によって集められた医療情報は、臨床研修プログラムの策定・改善、医師臨床研修指導ガイドラインの策定・改善などを含む臨床教育等に使用されます。さらに集積された医療情報は医師の研修・教育などに関する研究に二次的に利用されることも考えられています。
これらの登録情報は匿名化され、患者さんに不利益が生じることはありません。また、登録については患者さんの自由な意思によりますので、拒否することが可能です。ご自身のデータを使用されることを拒否される方は、担当医にその旨お申し出下さいますようお願い致します。
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