キービジュアルの画像

泌尿器科

診療内容

当院の泌尿器科では、尿路・精路を中心に後腹膜腔の臓器に生じた疾患へのアプローチを行っており、その診療分野は多岐に渡ります。腎結石・尿管結石・膀胱結石といった尿路結石、前立腺肥大症をはじめとする排尿障害、腎がん・腎盂がん・前立腺がん・膀胱がんをはじめとする泌尿器科悪性腫瘍、副腎腫瘍などの良性腫瘍の診察・検査・治療を行っています。
生活習慣の変化と人口高齢化に伴い、泌尿器科が担うべき役割は年々大きくなっており、より高い専門性が求められています。それに応えるべく、常に新しい医療技術と医療機器をもって患者さんへの治療に従事しております。

特に尿路結石については、平成27年5月に体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)を導入し、平成27年は98件の体外衝撃波結石破砕術を施行しております。
ESWLは、尿管あるいは腎臓の中の結石に対して、体の外から衝撃波を当てることで結石を細かく砕き、排石を促す治療です。細かく砕いた結石は尿とともに排出されるので、多くの場合は外来手術で対応でき、より患者さんへの負担が少ない低侵襲治療を行うことが出来ます。
平成28年にはレーザーを用いた内視鏡手術(経尿道的腎尿管結石砕石術、TUL)を導入し、これまでESWLでは難しかった結石に対する治療も可能となりました。入院期間も1週間以内ですむことが多く、比較的短期間でより治療効果の高い方法を選択いただけるようになりました。
多くの男性が罹患する前立腺肥大症に対しては、内服薬での治療が難しい場合は代表的な内視鏡的治療法である経尿道的切除術を行っております。当院では生理食塩水を用いて手術が可能な機器(TURisシステム)を導入し、患者さんへより安全な治療を行っております。
前立腺がんは近年増加率が高いがんで、男性がんの中で患者数は第1位です。診断には前立腺針生検が必須です。当院ではその臨床実績を多く有し、迅速かつ的確な診断を行っています。治療に関しては根治療法として前立腺全摘除術、内分泌療法として精巣摘出術をはじめとした各種抗癌治療を行っております。
当院では腹腔鏡下手術を導入しております。副腎腫瘍・腎がん・腎盂がん・尿管がんなどに対しては腹腔鏡下手術を第一選択とし、患者さんによりレベルの高い治療・より侵襲の低い治療の提供を目指しております。
尿が出にくい・勢いが弱い、残尿感がある、トイレに何度も行く、もしくは血尿が出るなどの症状でお困りの方は、ぜひ一度診察にお越しください。 当院の治療方針としましては、ガイドラインに沿った標準的治療を第一に考えております。
高度な治療を行うのは当然のことですが、最終的な目的はあくまでも患者さん本位の治療を行うことです。
患者さん不在の治療とならぬように、じっくりとコミュニケーションをとりながら、柔軟に患者さんひとり一人にベストな治療法を提供することを目指し、全スタッフ一丸となって尽力して参りたいと存じます。

主な疾患

●尿路結石

体外衝撃波破石術(ESWL)

当院では平成27年5月1日より、体外衝撃波砕石術(ESWL)を導入しました。
ご存知のようにESWLは非常に低侵襲な治療であり、尿路結石治療における重要な位置を占めることは周知の事実です。
2017年は94件、2018年は93件の施術を行い、良好な結果を得ております。
そして昨今の尿路結石は手術機器の進歩も伴い、新たなる治療の選択肢も出てまいりました。
それが、今回紹介する経尿道的尿管砕石術(TUL)です。

手術症例 2015年 2016年 2017年 2019年
体外衝撃波砕石術
(ESWL)
98 85 94 93

経尿道的尿管結石破砕術(TUL)

◆ TULはより高い治療効果が期待される内視鏡手術です。

これまでのESWLは体の外から衝撃波というエネルギーを結石に加え、破砕する治療でした。
結石の大きさや場所によっては必ずしも良好な結果が得られるわけではなく、適応に限界がある治療でした。
また、抗凝固剤を内服されている方には休薬していただく必要があり、心血管イベントの発症リスクの点から慎重に適応を選ぶ必要があります。

◆ TULは麻酔をかけて内視鏡手術を行う治療です。

ESWLが不得意な場所の結石や大きな結石に対して高い治療効果が期待されています。また抗凝固剤を中止する必要がなく、心血管イベントの発症という点でも優れた治療であると考えられます。
当院では手術デバイスとしてオリンパスメディカルシステムズ株式会社の腎盂尿管ビデオスコープ OLYMPUS URF-V2と処置用コンパクトウレテロレノスコープを導入し、より低侵襲でより高い治療効果を狙った手術を行っております。
また、破砕デバイスにはエダップテクノメド株式会社のパルスホルミウム・ヤグレーザー Quanta Litho レーザを導入し、より高い砕石効果を期待しております。

処置用コンパクトウレテロレノスコープ

手術症例 2015年 2016年 2017年 2019年
経尿道的尿管結石破砕術
(TUL)
0 49 63 82

2018年は82件のTULの施術を行いました。(ESWLは93件)

AUA:American Urological Association(アメリカ泌尿器科学会)、EAU:European Association of Urology(ヨーロッパ泌尿器科学会)といった海外の泌尿器科学会でもこのTULは結石治療の根幹として位置づけられており、今後ますます発展していくものと思われます。

経皮的腎破石術(PNL)及び軟性尿環境と細径腎盂鏡を併用した治療(ECIRS)

本年より経皮的腎破石術(PNL)及び軟性尿環境と細径腎盂鏡を併用した治療(ECIRS)を開始しました。 これにより20mm以上の巨大な腎結石を効率よく安全におこなうことが可能となりました。

塚崎 秀樹

理事長

ツカザキ ヒデキ

塚崎 秀樹

専門分野:

泌尿器科一般

専門医 etc:

  • 日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医
  • 厚生労働省認定卒後臨床研修指導医
小林 智治

部長

コバヤシ トモハル

小林 智治

専門分野:

泌尿器科一般

専門医 etc:

  • 日本泌尿器科学会 泌尿器科指導医、専門医
  • 日本移植学会移植認定医
  • 日本泌尿器内視鏡学会 泌尿器腹腔鏡技術認定医
  • 産業医ディプロマ取得
月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前 小野 塚崎 秀 小林 小林 塚崎 秀
- - 塚崎 秀
(予約のみ)
- 小林
(予約のみ)
午後 - - 塚崎 秀 - 小林
  • 午前の初診受付は11:00までです。

臨床実績(~2023/12/31)

泌尿器科手術症例・症例数

手術症例

2019

2020 2021 2022

2023

前立腺全摘除術 ロボット支援前立腺全摘除術 - - - - 27
腎(尿管)摘除術 ロボット支援腎摘除術 - - - - 5
ロボット支援腎部分切除術 - - - - 5
ロボット支援腎尿管全摘除術 - - - - 3
腹腔鏡下 20 15 10 11 6
開腹 1 0 1 1 1
膀胱全摘除術 回腸導管 4

2

6 6 4
尿管皮膚瘻 1 1 0

1

0
代用膀胱 0 1 0 0 1
再建なし 2 0 0 0 1
経尿道的膀胱腫瘍切除 TUR-Bt 70 76 49 73 60
精巣腫瘍・肉腫等悪性腫瘍手術 2 5 3 0 1
体外衝撃波結石破砕術 ESWL 101 74 61 94 84
経尿道的尿路結石砕石術 TUL 83 55 67 80 92
経皮的腎結石砕石術 PNL 6 14 8 4 6
経尿道的前立腺切除術 TUR-P 7 8 0 5 3
経尿道的前立腺蒸散術 Thu VAP 0 16 5 6 15
膀胱結石砕石術 8 19 19 17 26
包茎手術 3 9 5 4 3
精巣固定術 3 2 1 0 0
手術合計 311 297 235 302 343
前立腺生検 TPPB 69 66 53 80 112
ページトップヘ