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呼吸器外科

ご挨拶

呼吸器外科 常塚(つねづか)です。
呼吸器外科の対象疾患は胸部全体の様々なもので、肺、縦郭、横隔膜などの疾患です。肺では肺癌など、縦郭(左右の肺の間)では胸腺腫などの腫瘍の他、自然気胸、外傷(気胸、血胸、肋骨骨折)などです。
肺癌は早期診断、早期治療が重要となります。漫然と経過を見ることなく、気管支鏡や胸腔鏡手術など低侵襲な手技で確実な診断・治療が根治のためには有効です。比較的サイズの小さな縦郭腫瘍や重症筋無力症の治療のひとつである拡大胸腺摘除術などは胸骨を切開しないで3㎝くらいの上腹部の創で内視鏡手術が施行可能です。
また、気胸に対しては教科書的には第一が胸腔ドレナージとなりますが、気漏量が多い場合や嚢胞が確実に存在する場合などはドレナージせずに、もしくは極細管のみで脱気した上での迅速な手術の方が再発、入院期間の観点から好ましいことがあります。
特に学生の方や仕事のために早期退院を望まれる場合は、希望に沿った治療を行います。
また、特殊な疾患として手掌多汗症というてのひらが普段から汗でべとべとになり、筆記具も持ちにくいなどの症状がありましたら、胸部交感神経切除という方法で腋のごく小さな創から手術して治療することも可能です。手術の適応の有無に関わらずご相談ください。

診療内容

昨年4月より三栄会ツカザキ病院にて西播磨・中播磨での胸部疾患の治療をさせていただいています。今、当院は可能な限りの緊急対応を取る体制が出来ています。緊張性気胸などに対する胸腔ドレーン留置などは当院の多くの医師が施行可能です。また極めて優秀な放射線科医による的確な診断が可能ですので検査で胸部疾患が疑わしいと思われた場合は、遠慮なくご紹介ください。
肺や縦郭の腫瘍の治療に関しましては、これまで近隣の施設が無かったことから大変不便な思いをされていた患者さんが多くおられました。今後は当院であらゆる治療が可能です。
例えば肺癌は手術をするだけで治療は完了しません。術後創の経過を見たり、肋間神経痛などの治療が必要なこともあります。術後や術前に通院や入院で化学療法などが必要な場合もあり、また定期的に来院していただき再発の有無を検索する必要があります。
最近は1疾患だけでなく、ベースに脳疾患や循環器疾患、耐糖能障害、腎疾患(透析)などの複数の疾患を同時に抱えられた患者さんが多くおられます。術後、普段お世話になっている先生方の外来に戻っていただいてからも、連携を取り合いながら術後検査や治療を進めたいと思います。今後ともご教授ご鞭撻のほど宜しくお願いいたします。