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松村Dr

あなたはシャワー派?湯船派?〜整形外科医が教える正しい入浴方法〜

 こんにちは。ツカザキ病院 整形外科 松村です。

 まだまだ暑い日が続きますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?暑いからもうシャワーだけでいいや!なんて方も多いのではないでしょうか?今日は正しい入浴方法について説明します!特に肩こりがある方は必読です!

 外来で診察していると、肩周辺の痛み、首筋の痛みを訴えられて受診する方が多いのですが、肩を触診してみると肩や首周辺の筋肉が非常に固くなっており、いわゆる肩こりに関する症状として肩の可動域制限や頭痛をきたしている方を数多く診察します。
最近では30代や40代の比較的若い方を多い印象です。
こういった方に
「お風呂に入っていますか?」
と質問すると
『エッ?入ってますけど?』という顔をされながら
「はい、入ってます。」
と言われますので
慌てて
「湯船に浸かってますか?」と再度質問すると、8割くらいの方が『シャワーだけ』と答えます。残りの2割の方も入っているが、忙しいし暑いから少しだけと答える方が多いです。
こういった方には必ず湯船に浸かるように指導しています。ではなぜ、湯船に浸かることが大事なのでしょうか?

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 医学的に説明していきます。

 入浴には温熱効果、静水圧効果、浮力効果の大きく3つの効果があります。
温熱効果とは湯船に浸かり、血のめぐりが良くなることで、血液中の老廃物が運びされます。これによりドロドロの血液からサラサラの血液に変化します。これはシャワーを浴びるだけでは得られない効果です。
 次に静水圧効果ですが、水圧で身体の末端に滞った血液を心臓に押し戻すことで、これによりむくみの解消につながると言われています。
 そして最後の浮力効果ですが、水中では浮力により体重が軽く感じられます。実際は体重の約10分の1程度に感じると言われています。これにより全身を支えていた関節や筋肉が重力から解放され、リラックスした状態になります。

 もうみなさんわかりましたか?

 肩こりの方は肩周辺の血流が停滞していて筋肉が硬直した状態となっています。ですので湯船に浸かることで、肩周辺に溜まった血流を流し、血のめぐりをよくし、むくみを解消し、関節、筋肉の重力を解放し、これにより肩こりが改善してくると考えられます。

 そして具体的な入浴方法ですが、最適温度は40℃です!私はあつーいお風呂が好きだったのですが、最近は40℃を実践しています。42℃以上の熱いお湯に入ると交感神経が高まるので、興奮状態になるので、血圧が上がり、汗をかき筋肉は硬直してしまいます。一方で40℃くらいのぬるいお湯は副交感神経が刺激され、心身がリラックスし、筋肉も緩みます。はじめはぬるく感じますが、血流が良くなり40℃でも身体は十分温まります。
 入浴時間は10〜15分です!長く入らなければいけないということではありません。あくまでも目安ですので体調を見ながら、脱水にならないように注意してください。
 さらに肩こりの方はホットタオルを首に巻きつけながら入浴することも効果的です。ホットタオルは水に濡らしたタオルを1分くらいレンジでチンすると簡単にできます。(やけどに注意してください)ホットタオルを首に巻きつけることで、首がじわーっとほぐれるのが感じることができます。

 本日は 医学的観点から正しい入浴方法をご紹介しました!

 肩こりの方だけでなく、夏場で疲れが溜まっているなーと思っている方は一度試してみてはいかがでしょうか?

 ちなみに…炭酸風呂にするとさらに血液の循環が良くなると言われております。炭酸風呂はよく温泉施設等で見かけますが実は家庭でクエン酸と重曹を使えば自宅でもできるようです!これに関しましては外部サイトを参照ください!

 ではまた!

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