こんにちは!ツカザキ病院 整形外科の松村です。
最近は尋常でないくらい暑いですので私はクーラーをかけながら寝ていますが、クーラーでは冷えてしまうのでクーラーはかけないで寝る!という方もいるのではないでしょうか。
この夏の蒸し暑い季節になるとタイトルのように「夜中に足がつります」と言って外来を受診される方も多いです。
本日は足がつる、つまり俗にいう『こむら返り』のお話です。
こむら返りの「こむら」とはふくらはぎのことです。よく「こぶらがえりになる」と言ってこられる方がいますが、決して「コブラ」ではありません!(笑)医学的には「有痛性筋痙攣」と称します。つまり腓腹筋の筋痙攣のことです。
若い方でもこむら返りにスポーツの後でなったことがある方も多いですと思いますが、特に中高年層に多くみられます。では中高年層の方はなぜ寝ている時によく起きるのかについて説明します!
筋肉は体内のミネラルバランスが取れていればきちんと伸び縮みしますが、特に夏場で寝汗をかくとミネラルが失われ、さらに冷房により足が冷え血管が収縮することで、血行不良を起こし足がつってしまうのです。特に中高年になってくるとトイレに夜中に起きるのが嫌なので、水分を取らない方が多いのですが、脱水になると同時にミネラルも体内から失われミネラルバランスが崩れてしまいます。ですので、寝る前は必ず脱水予防の為にコップ一杯の水をとるようにしましょう。
その他の足のつる原因としては運動不足や、逆に長時間の運動で筋肉が疲労していることも関係していると言われています。運動不足の方は常に腓腹筋が緊張状態にありますので少し筋肉が伸びただけでこむら返りを起こしてしまいます。
治療法といたしましては筋弛緩薬や鎮痛薬を使用する場合もありますが、漢方が非常に有効です。
薬を飲めば良いというのではなく、やはりこむら返りは発症時はかなり痛いのでやはり予防が大事だと思います。日頃からお風呂上がりのストレッチ、バランスのとれた食事、寝る前に必ず水分をとるようにしましょう。そして適切な室温を保てるようにクーラーを使用しましょう。クーラーが苦手な方は扇風機等で部屋の空気の循環をするだけでも全然違いますので、色々工夫して見ましょう!睡眠の質を上げることが体調の良し悪しに関わってきます。
最後になりますが、足がつるのが一時的な方は問題ないと思いますが、頻繁に足がつるというのは動脈硬化、糖尿病などのシグナルの可能性もありますので自己判断せず必ず医療機関を受診しましょう。
ではまた!