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松村Dr

免疫力を増強させるには補中益気湯!

 こんにちは!ツカザキ病院 整形外科 松村です。

 なんとか新型コロナウイルスも終息に向かってきてはいますが、まだまだ油断はできませんね!今日は免疫力を増強させる漢方のお話です。
 みなさんは風邪をひいた際に病院に行くと、解熱剤と痰切れをよくする薬を出してもらって帰った経験ありませんか? 普通はそれで治るのですが、例えばインフルエンザに罹患した際には数日間高熱が続いて、熱が下がった後もなかなか体力が戻らないといったようなことを経験された方もいると思います。こういった場面では『補中益気湯(ほちゅうえっきとう)』が有効です。
 中(胃腸の働き)を補い、気(元気)を益す(増強する)が処方名の由来です。

 基本的にはこのように病み上がり、食欲不振、疲労倦怠感、術後の体力低下に使われる漢方ではありますが、実はウイルス感染症等を予防する効果があることがわかっています!中国では新型コロナウイルス感染症に対して、未感染者の感染予防として内服が推奨されています(コロナウイルスガイドライン China2020)。しかし補中益気湯は直接ウイルスに作用する訳ではありません。
 では補中益気湯の作用機序、少し難しいのですが、できる限りわかりやすく説明します!

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 インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などは、ウイルスが体内に入って、次々に細胞に感染していくことで症状が引き起こします。ウイルスの侵入に対しては、人の体内では「インターフェロン」という物質をだすことで、他の細胞へ感染していくのを抑えることができます。感染前に補中益気湯を内服することでインターフェロンの前駆段階であるIRF7を作っておくことができるので、感染した際にインターフェロンをすぐに作り出すことができ、生体防御機能が高まるのです!
 インターフェロンは様々な遺伝子の発現を経て何日かかけて作られるので、ウイルスが増殖してからでは遅いのです。本当はもう少し複雑なので、かなり大雑把に説明しましたが、なんとなくわかりましたか?

 そして例のごとく…(笑)私はこれを飲んでおります!決して毎日ではありませんが、風邪ではないけど少し今日は疲れているな、とか気持ちが乗らないというような時は早めに飲むようにしております。これは新型コロナウイルスが流行する前からしていることです。風邪ではないけど、少し疲れているという時は免疫力も落ちていますので感染症にかかりやすいと考えられます。個人的には朝飲むと昼頃には回復してきます(←あくまでも個人的な感想です笑)
もちろん手洗い、うがい等の感染予防は当然ではありますが、こういった漢方も体調の手助けにはなります。また興味のある方はご相談ください。
ちなみに漢方苦手な方も多いとは思いますが、補中益気湯は比較的苦くないと思います。もう私が慣れてしまっているだけかもしれませんが(笑)

 そして私は先日、医局でこれを飲んでおりますと、泌尿器科Drに「おっ、先生、補中益気湯か!」とニヤニヤされました。漢方には様々な効果があります(苦笑)。

 ではまた!

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