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ピックアップ Pickup / Column

楠山Dr

文房具

こんにちは。朝晩寒くなってきましたね。
楠山です。今日は文房具のお話です。

私の白衣の胸ポケットには名札といくつかのペンが入っています。
あ、銀色のは心電図を測るディバイダーってヤツです。

1つは四色ボールペン、これはHCU(ハイケアユニット)で使います。
HCU
の指示簿は紙です。
点滴の指示は重症患者さんになるとわかりにくいので、事故防止の観点からも私は赤字で書いています。
赤字で一杯になったら青色、緑色も使う事もあります。
やはり書き心地からすると Jet Stream が一番です(別にUni からお金は出ていません)

2つめはクロスのボールペンでしょうか。
当院は電子カルテになってはいるものの、やはり直筆のサインを必要とする書類があります。
例えば、検査同意書や手術同意書、院内の文書でも指示に関する事では直筆のサインを求められる事もまだあります。
やはりその時はこのクロスのボールペンでしょうか。

仕事での署名ですし、大切な文書故にちゃんとしたボールペンで書きたいですよね。
最初はデパートの文具売り場で何種類ものボールペンで試し書きさせてもらって決めたのを覚えています。

そこからはその黒のクロスを数年大事に使っていました。
実は持つところが剥げてしまって、元々黒いボールペンだったのですがそこの部分だけ金色になってしまいました。
更に愛着が湧いてしまって大切に使っていたのですが・・・。

ある日、無くしてしまったんですね。
救急外来などでつい「ポイッ」と投げ出してしまったのでしょうか。
聴診器はよく忘れてしまい、患者さんの聴診をするときに首に掛かっていない事で気付くのですが、ロッカーで白衣を脱いだときに気付いたんです。

我が子を探す親鳥のようにその日に行った病棟・医局・救急外来・検査室・トイレ?! と様々なところを探したのですが、無いんです!不思議ですよね。
緊急手術や苦労をともにしてきたボールペン。
私を捨てて行くはずは無いと思ったのですが。
やはり酷使しすぎて「やってられるか!」といって出て行ってしまったのでしょうか(>o<)

数日は他のボールペンで過ごしていたのですが、やっぱり我慢ができなくなり文具売り場に駆け込みました。
同じモデルに黒がなかったので、今は青のクロスになっています。
やっぱり落ち着きます。

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さて、自宅で少し改まったお手紙やお礼状などを書くときはやはり万年筆です。
今使っているのは祖母が誕生日に贈ってくれた万年筆です。
結婚式の芳名録を書くのが苦手な楠山ですが、やはり万年筆のインクは好きですね。
不思議と素敵な文房具って機能的で美しい物が多いような気がします。
ついついシリーズで集めたくなってしまいませんか?

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私も仕事ではメールを多用しますし、メールで講演会翌日の挨拶を済ませてしまう事もあります。
でもメールって言葉の使い方は気をつけるのですが、どうしても機械的な印象が否めません。
一方で自筆の手紙という物は頂くと嬉しいですよね。
その方の人柄や気持ちを感じる事があります。

私の万年筆も書くときにはインク壺からインクをペンに吸い上げます。
病院ではバタバタしているときが多いですが、不思議とインクを吸い上げているときは心が落ち着きます。
墨を擦る(摩る、磨る、とも書くそうです)時の気持ちに似て、心が空っぽになる感じですね。
ま、勿論、集中していないとインクが飛び散っちゃうこともあるのですが・・・。

気持ちをゆったりしてお手紙を書くと違います。
相手の事を思いながら書くと悪筆ながらも自分なりに満足できたような気がします。
封筒に入れて封をして切手を貼る、いつもの病院での行動とは違うんです。
その後、コーヒーを淹れて目を細めながら熱いコーヒーを啜る。
うん、完璧な休日です。(笑)

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今日はペンのお話でしたが、文房具やネクタイ・カフス・タイバーなんかはお洒落でありたいと思います。
心の余裕ができそうですもんね。
さて、では時間になりましたので午後のカテーテルに行ってきます。

追伸:さっき、蒔絵のボールペンをメモ書きに使ってご主人に驚かれたとおっしゃった同僚がいましたが・・・。
良い物故に使わないと意味が無い、でも勿体ない・・。
私も意外と気が小さいので難しいですね。
ま、病院ではなくしそうなので仕事ではそのような素敵なペンを使うのはやめておいた方が良いですよね。

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