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ピックアップ Pickup / Column

楠山Dr

時変われば人も変わる

おはようございます。
今日は冷えました。
今日は早出(午前7時に引き継ぎです)で駐車場を歩いていると身体が冷えました。
カレンダーを見たら10月も前半が終わりで晩秋の時期ですから当たり前といえば当たり前です。

この10月から11月の時期はご飯も美味しいですが、私の業界では学会・研究会シーズンです。
先週末はカテーテルの地方会がありましてそこで役割を頂いて出席しておりました。

その学会では初めての座長でした。
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人で座長をするのですがもう1人の先生はカテーテルの世界では御高名な先生で職場が近いこともあり、常々御指導頂いている先生でした。

先日からこのブログでも書くように最近40歳を過ぎてから、初めての経験をする機会が多く、またもや緊張してその時間の前に御挨拶に伺うと・・(ここからはLINE 風に)

 

「座長は初めてで御指導よろしくお願いいたします」

                       「お、よろしくな。全部やってね」

「え?」

                       「いや、俺引退しているし・・・」

「まさか?先生現役でらっしゃいます」

                  「ほら、地方会の幹事は引退してるし(笑顔!)

「はあ・・」

なんとも端から見ていると笑っちゃうやりとりになってしまっていました。
多分、私もとぼけた顔をしていたのだと思います。

しかし、実際本番になると発表が終わると先生から適切な質問や議論の口火を切って頂いたり、発表時間が延びてくると時間厳守を促して頂いたり・・
(
私は「どう声かけよう・・」と心の中で悶絶していました)
背中で座長とはなんたるかを示して頂きました。
学会から座長を言われたとき、私が座長をさせて頂くのは些か早熟、と自分では思っていたのですが、多分その先生は私に教育して下さっていたのかと思います。
勿論、座長のお手本だけでなく、先生のコメントは非常に重みと示唆に富んだコメントで先生の知識と経験の深さを感じました。

その先生はカテーテルの世界では御高名な先生です。
私はこっそり尊敬しているのですが、その先生の隣で一緒にお仕事をさせて頂けたのですから有難いお話です。
外見は「お父さんと息子」って感じだったのかもしれません。

子供の時、ピアノを弾いていたからでしょうか。
先生のやることを盗むということは技術の商売では重要な事と思ってきました。
カテーテルでもそのことは非常に重要なことで、他人から言われて聞くのではなく、自分で上手な方の手技を見て、自分で解析して咀嚼して、自分の物にする、という手順を踏まないと本当に自分の手技にならないんですよね。

私の研修医時代の話になりますが、大学病院時代に先輩の半歩後ろを歩きながら「さっきのカテ、どうやったんですか?」では教えてくれなかった先輩がいました。
でも「先輩はこう考えてこうされたんですか?」と聞くと「オー、そうやで」とか「いやいや、違うよ楠山。アレはな・・・」と教えて下さいました。

ですので、聞き方を間違えると教えてもらえない、という事になるわけですが、その先輩、臨床能力が非常に高く憧れちゃうんですよね。
魅力があるとついつい後につきたくなりますよね?

今の教育はそのような放置ではなく、適切なアプローチを使って先生側が生徒に興味を持ってもらえるように働きかけること、という考え方もあるようです。
どっちが間違いというわけではなく両方とも正解ではありますが、自分が使うテクニック・知識であれば、同じ物であっても、人に与えてもらった物と、助けてもらいながらでも自分の力で見つけてきた物では全く価値が違うように思うのは私だけでしょうか?

学会で御一緒した先生や先程の先輩のような後ろ姿を持つ人間になりたいですね。

実はその学会、同じ時間に同窓生(私が18歳の時からの)が隣の会場で同じように御高名な先生と座長を一緒にしておりました。
プログラムを見たら同窓生が隣の部屋で座長をしている。
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人とも違うキャリアを積んできたのですが、ここで道が出会った感じで何故か嬉しくなりました。
学会前から連絡を取り合い、終わったら一緒に食事に行く約束をしておりました。

同窓生とはいってもなかなか仕事を始めると会う機会はなくなります。
彼は奈良、私は姫路と近畿地方の逆で働いていますからなおさらです。
梅田で私がよくお世話になる店に行ってきました。

学会で顔を合わせることはあってもゆっくり話す機会もなく、今日の学会で2人が同時に座長デビューを果たし、2人とも御高名な先生に指導を受けることが出来た喜び、最近の仕事の事、共通の友人の消息、研修医時代に飲んでいるワインより(その時は美味しく思っていました)ちょっとは美味しいワインを飲むことが出来るようになったありがたさ、などなど話題は尽きなかったですね。

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天王寺の居酒屋の座敷で騒ぎながら「もうワインないんです」と迷惑そうに店員さんに言われながらも、飲みまくって騒いでいた研修医もこんな風に一応静かに飲むことが出来るようになるんです。
そんなことを話していたら、私のお気に入りの「Vin 樹亭」オーナーの二宮さんも「テレビに最近出る機会を頂くんですよ!」と教えてくれました。

なんか、自分の知っている人がちょっとずつでも前に進んでいき、そのような仲間と分かち合える。
とても嬉しい事ですよね。
時には昔を思い出すのも悪くないことですよね。

ただ、飲み会の後のけだるさは昔より悪化してきています。
これは年齢を重ねてきたからでしょうか・・・。
これは成長の代償ということかな。

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