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楠山Dr

メリークリスマス・良いお年を

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こんにちは。楠山です。
急に冬らしくなりましたね。
草木も自然の流れに追いついていないような気がします。
漸く近所の紅葉が赤くなりました。
でもコレって実はクリスマスイブなんです。
ほら、その日家の中ではクリスマスツリーが飾られています(なぜかペンギン?)

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実は楠山は秋が好きです。
ちょっとネクラではないか?その通りです。
皆さんが外見から考えていらっしゃるよりは明るいヤツではありません。
少し背筋が伸びるような秋の朝の冷たい空気、綺麗な色の葉っぱ、ちょっともの悲しい雰囲気、そして美味しいご飯、良いですよね。
でも最近は地球温暖化のためか厳しい夏から急に厳しい冬になります。
半袖シャツからジャケットを通過してセーター・コートになってしまいました。

この1年も色々ありました。
当院のカテーテルの通し番号は一昨日(1226日現在)998だそうです。
多分本日で1000例です・・・。
心臓血管外科の田内先生は心臓の手術(バイパスと開心術)100例、当科 河野先生は下肢の血行再建も100例を越えた、と申しておりました。

「良い病院」などの雑誌ではどうしてもわかりやすいベンチマークとして手術件数が挙げられます。
勿論、件数は非常に大事なんですが、内容を振りかえること、これはとても私達の仕事では重要な事と思います。
それぞれの先生は1年を振りかえっておられ、田内先生は週1回の心臓外科・循環器内科合同カンファレンスで自分の足跡(それぞれの手術件数や経過のまとめ)を教えて下さいました。

手術はしっぱなしではダメですよね。
自分の手術をもう1度見直してみると反省するところが見つかったり、その時には思いつかなかったことも出てきます。
また一例一例では見えないことも1年分をまとめると見えてくることもあります。

何にしても謙虚に自省することが大事です。
色々あって(術後、忙しくてとか、心乱れて)振り返りをすぐにはできない時もあります。
その時は時間をおいてやってみると冷静にできます。
上手くいったときよりも上手くいかなかったときは特にツラくても振りかえること、それが手術・手技が上達する人となかなか進まない人の差の1つだと思います。

どうしても私達は皆さんの不幸を喰い物にする商売です(悪く言えば)
特に心臓グループはその最たる科の1つでしょうか。
悔しいことにどこまで行っても努力をしていても100点満点は取れない商売です。

医療である以上当然ですが、今年も私は全員の方を助けることができなかった。
その中には救急外来に心停止で搬送されてくるような非常に厳しい状況の方もおいででした。
でも御家族にしたら「何とか・・」というお気持ちはあるでしょう。

語弊がありますが、医療、特に救急医療は賭け事的側面がどうしてもあります。
自分の命であれば自分の責任ですが、他人である患者さんの命を預かっているのですから、博打打ちは腕が良くないといけない。
どうしても越えられない部分はありますが、実力でねじ伏せることができる部分は我々の実力でねじ伏せないといけない。

先程も書きましたように皆さん御存知のように人間がする以上、完璧は不可能な医療業界です。
しかし、それでも絶対実現不可能な100点を目指して自分で自分の鍛錬を続けていかないといけないのでしょうね。
そうやって賭け事的要素の部分をできるだけ小さくすることが大切なのだと思います。

これって、マゾヒスティックな人間性のヤツが合う業界で、ブラック企業ができる完全なる母地がありますね。こりゃヤバいわ。

コホン。どのような業種でも技術商売は、本番でありトレーニングなんですよね。
だから、私達にできることは1症例1症例を大切にしながら自分を磨いていくことしかできないのだと思います。

研修医1年目の時、動脈からの採血が上手くなかった時期に「先生、やってごらん」と心不全でしんどいのに言ってくれた患者さん、その患者さんに「先生、上手くなったやん」と言われたときは嬉しかったですね。
研修医2年目での初めてのカテーテル検査、手が震えていました。

私にとっては今も研修医の時と一緒です。
ただ、動脈採血が今はカテーテル手術・患者管理に変わっただけで何も変わっていないのでしょうね。
思えば、遠いところまで来たものです。

来年は当院のカテーテル検査室が3つに増え、「低侵襲治療」というテーマが臓器・科を越えて考える年になりそうです。
カテーテルも低侵襲治療の一部です。
地域の皆さんの信頼に耐えうる科でありたいと思います。

さて今年最後のブログを書いて私の今年の仕事も終わりです。
明日(1229)午後から当院は年末年始体制に入りますが、心臓に関しては年末年始も当直はしております。
どうか開店休業状態でありますように。

メリークリスマス、そして皆さん良い年をお迎え下さい。
今年もこのブログにお付き合いいただきありがとうございました。

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