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ピックアップ Pickup / Column

楠山Dr

当院で初めてのワークショップ

こんにちは。皆さんはお元気ですか?
世間では夏休みが始まっているようですね。
最近通勤は自家用車になりましたが、大阪で働いていたときは急に電車の朝のラッシュが楽になって夏休みを実感したことがあります。

さて、皆さんはワークショップって御存知でしょうか?
横にあったスマホで調べてみますと「参加型・体験型の学習の場」とのことです。
カテーテルの世界ではお勉強だけでなく、実践も重要視されます。
カテーテル専門医更新の必要条件には学会の参加だけでなく、「ライブを伴った講習会への参加」と明記されております。
有り体に言いますと、「手術するんだから座学だけでなくお上手な方の講習会で勉強してきなさい!」って事ですね。

でもこれは珍しい考え方ではないですよ。
音楽だって、オーケストラの合宿で練習ばっかりしているわけではなく、各パートにトレーナー(大体はプロオーケストラの奏者か音大の先生です)がついている場合は、「公開レッスン」ってみんなの前でレッスンを受けて共有する、という手法もあります。
多分、お茶・華道もそうでしょうし、スポーツもそのような教育形態があると思います。

正規の学会や講習会ではありませんが、それを先日当院のAIMITで開催させて頂いたわけです。

流石にこれは私だけで開催は勿論できません。
先日もお話ししたように私もまだまだ修行中の身です。
指導して下さる方、開催に向けてサポートして下さる会社の方、一緒に勉強して下さる他院の先生、勿論、教育という観点から御協力いただく患者さん、当院のスタッフと様々な方の協力が必要です。

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縁はひょんな事です。
実は姫路・赤穂地区の循環器内科って仲良しなんです。
同じ商売だからライバルで「バチバチ💢」やってんちゃうん?って思うでしょ。
残念ながらハズレです。
みんないい人で定期的に集まってカテーテルの勉強会をやっています。

その勉強会の後の懇親会(飲み会)の時、矢坂先生が軽く「な、今度先生のとこでワークショップしょ」って仰ったんですね。
以前にも矢坂先生には当院まで来ていただいて手技を教えていただいた事もありますし、実は本ブログでも出演していただいています(201810月の学会のブログです。その時は匿名)

以前も当院で指導を頂いて非常に勉強になりました。
お忙しい方なのでこちらからは言い出せなかったので、渡りに船と「はい!」と返事しました。

で、同時に頭の片隅で更にもう1人大学院時代にお世話になったカテーテルの先輩にも「楠山君、またワークショップやろうや!」と言われていたのを思い出しました。
片岡先生、こちらは確かラガーマン、やはり体育会系・・・。

追い詰められた楠山、頭の中で「僕の好きな先輩2人呼んで勉強会したら楽しいし勉強になるかも」と考えて開催に至りました。
よく考えたら矢坂先生・片岡先生はカテ業界では御高名な方ですのでとんでもなく贅沢なことを考えていたようです。

でもお二方、快諾して下さりワークショップの開催に至り、西は赤穂・東は淡路から来ていただきました。

その日は朝10時からその日の3例の症例と手術戦略の提示。
矢坂・片岡両先生からの指導を頂いて参加者皆さんでディスカッション。
その後、3例の治療を行いました。

指導的立場の先生や他院の先生に見ていただきながら手技を進めます。
写真の通り、矢坂先生の真剣な目は緊張しますし、片岡先生の優しいながらも見逃さない目はちょっと(だいぶ?) 緊張しつつもなぜか不思議な安心感があるんですよね。

いつの間にか年を重ねていつものカテなら自分が一番上で責任を取らなきゃ、という気持ちでいるのですが、その日は自分の手技を採点されているかも、という緊張と指導して下さる方がいるって幸せだな、といくつかの感情が交じっている感じですね。

 

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実は片岡先生、2例目は急に「楠山君、久しぶりに一緒にカテしようや」って一緒にして下さったんです。
カルテに書くなら「術者 楠山、指導的介助 片岡」です。
ふっと卒後5年目の大学病院のカテ室に帰った感じでした。
「楠山君、どっちする?」など術中にテストが行われたのも変わりません。

更に時々、大切なときに矢坂先生が来られて大切なコメントをして下さる、贅沢ですよね。
いつもの自分ではしない手術をする。
これは指導者がいるからできるわけで、そこで私の手術の引き出しが増える、わけです。

最後の症例は矢坂先生にお願いしていました。
楠山、介助、いやお手伝いに入らせて頂きました。
学会と違うのは、参加された先生方も気軽に指導者の先生に声をかけて議論させてもらえることです。
お二方は優しい方なので、私達の質問にもきっちり答えて下さる。

難しい症例なんですが、先生にかかると普通のカテに見えてしまう。
実は難易度の高いことをされているのにそう見えない。
術中の先生の呟き・先生の手元は学会のライブでは聞けないところです。
カテーテルはチェスと同じで論理的な手技です。
値千金の言葉でした。

しかも先生の手技は速い。
急がないといけない所があったのですが、ギアが変わった感じで、ついて行くのが必死でした。
お上手な先生は決断も手技も速いんですね。

そんなこんなで夢のような1日が終わり、お楽しみの懇親会です。
その時は先生方のお顔はとても優しい。
カテ室の真剣なお顔も魅力的ですが、非常に楽しい時間を過ごさせて頂きました。

矢坂先生や片岡先生の今日のカテの話や矢坂先生の海外でのカテでの信じられない話・・・、楽しい時間でした。

ね、写真からもにじみ出ていませんか?

 

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後日カテ室の技師さんや看護師さんからも「知らない世界を見た」、「刺激になった」と言っていただきました。
ルーチンも大切ですが、大きな世界を見ることも大切ですよね。
私達の病院にとってもレベルアップの機会を頂いたのだと思います。

矢坂先生・片岡先生、御指導ありがとうございました。
やっぱり持つべき物は素敵な先輩です。
私も先生方のような術者を目指して精進しますね。

また機会あればチャンスを頂けるとのこと。
その時までに私もカテ室もレベルを上げておきます。

最後に御協力いただいた患者さん・参加して下さった皆さん・当院スタッフ・サポートして下さった皆さんにこの場を借りて御礼申し上げます。

またここをスタートに前向いて頑張って行きましょう!

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