こんにちは。9月に入ってからまた夏が戻ってきましたね。
体調はいかがでしょうか?
私は暑いのが苦手でして2度目の夏バテを経験しています。
さて、先日当院で姫路市長である清元先生が来院されて私達にお話をして頂きました。
御存知でしょうが、清元市長は医師としてのキャリアを積んでいらっしゃいます。
医師としてのキャリアをお話し頂きました。
非常に印象に残ったのが、東日本大震災の時に東北大学にいらっしゃって被災もされながらも災害医療に携わられた経験でした。
最近、日本でも大きな災害をしばしば経験しますが、医療という立場からしても極めて厳しい状況です。
なぜならいつもであれば普通にできている医療がある瞬間を以て突然できなくなるわけです。
電気・水道なんかは医療には必要不可欠な物資です。
それが断たれてしまうとどのような状況になるか皆さん御想像が尽きますでしょうか?
手術は清潔な物品は洗わないといけないので水は必要です。
カテーテルも放射線を使うので電気がないと血管造影装置も単なる箱です。
物資もない、状況が分からない中で現場での判断を求められることもあります。
その時の様子を教えて頂きながら、突然そのような状況に放り出されたら自分はどうなるだろうか、厳しい状況でどのように対処するかはどうやって身につけるのかな、と不思議に思いました。
最後に質問の時間があり、直接伺ってみたところ、「病棟で周りに人が集まってくる先生がいるでしょ?そのような「人間力」がある人間になれば良いんです」と教えて頂きました。
とても含蓄のある言葉だな、と思ったんです。
多分、仰ったのは「人望」ということなのでしょう。
災害などの特殊な状況では常識・通常の手続きができないことがままあります。
混乱した状況だからこそ完全な正解でなくとも決断し、組織として率いていくためには、優秀な医療技術でも爽やかな弁舌でもなく、人望なのかもしれないですね。
「人間力」、これは一つの技術ではなく、総合的な魅力なのでしょうね。
仕事のウデ・優しさ・強さ・厳しさ・ユーモア・・色々思い浮かんできます。
これらが統合されたときに人間力という魅力が完成するのだと思います。
でもこれって災害などの特殊状況ではなくいつもの業務でも重要な事なのでしょう。
さて、そんな哲学的なことを考える日もあれば、先週末に当院近くの宮田地区のイベントで胸骨圧迫とAEDの講習会をさせて頂いてきました。
119番にかけてから救急車到着まで日本で平均7-8分とされています。
成人における最大の心停止の原因は急性心筋梗塞症による致死性不整脈とされています。
倒れたらすぐに救急車を呼んで下さいますよね。
救急隊が到着してからは蘇生行為も行われますし、我々も厳しい状況ながらベストを尽くして心筋梗塞に対する治療に当たります。
でも、心停止になって8分は脳にとっては厳しい。
カテーテル治療は上手くいっても集中治療室で低酸素脳症(脳に酸素が行かなくてダメージを受けること) になってしまって、御家族が肩を落とされている後ろ姿は主治医としても悲しいものです。
ですから救急隊が到着するまでの7,8分がその方の人生を分けます。
勿論、救急医学は100点を取れない医学の中でもある種冷酷な分野です。
私達がやっている救急医療の目的は「患者さんの社会復帰」です。
消防署や地域のコミュニティーでも行われていますが、一般市民の方々に参加して頂くのは地域の救命・社会復帰率を上げるのにとても重要な事なのです!
てなことで土曜日の当直明け、夏を思わせる良い天気の日に宮田公民館に行ってきました。
皆さんお休みなのに参加頂きました。
初めて胸骨圧迫を経験される方も指導員をしていらっしゃる方もおいででした。
疑問点を積極的に質問される方もおいででしたし、元私の患者さんにもお目にかかることができました。
こんな感じで結構盛り上がったんですよ。
胸骨圧迫が頻回に役に立っては困りますが、一人でも多くの方に、いざという時には少しでもお役に立てていれば良いですね。
休みできてくれたスタッフも以前は院内での患者家族講習会でも「おどおど」感が後ろ姿からにじみ出ていたのですが、先日は後ろ姿を見ていても大丈夫でした!
やはり指導する方も経験ですね。
講習は真面目に楽しくする物ですが、講習が終わればお楽しみです。
みんなで帰りにお昼ご飯を食べてきました。
色んな部署のスタッフが参加していたので、面白かったですよ。
久しぶりに喫茶店でデザートを食べました(中年男一人で「アイス」とか「パフェ」は言えないのです・・)。
美味しかったですね。
あ、そうそう隔週で土曜日に胸骨圧迫講習会を開催しています。
入院していなくても参加できますので、病院ホームページや院内の掲示で見てみて下さいね。
まずは「やってみよう!」から始まりますので。
そんなこんなの秋の日でした。
早く涼しくならないかなぁ・・。
講習の写真・・・皆さん、顔出して大丈夫!って言っていただきました。
御参加いただき、ありがとうございます!