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ピックアップ Pickup / Column

楠山Dr

男子、三日会わざれば刮目してみよ

さて、こんにちは。
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月に入ってからも寒い日が続きますね。
最近、ニュースではお隣の国の感染症の話題で持ちきりですね。
日本国内でも患者が出ているとのこと。
感染症の歴史をひもといてみるとヨーロッパで14世紀に「黒死病(ペストです)」が知られています。
まだ医学も発展していなかったときで、大変沢山の方がなくなったとされています(5000万人とか)

実はその時よりも状況は複雑になっているのではないかと思います。
だって、1日あればだいたい地球の何処でも行くことができます。
ということは、細菌やウイルスも1日あれば世界の大部分に行くことができるって事です。
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世紀ではヨーロッパにとどまっていましたが、現在は世界中に広がるのは当たり前のことかもしれません。

実は感染症の封じ込めは最初が大切とされています。
インフルエンザの学校や会社での勤務停止も同じ考えなんですよね。
ほら、ビー玉をばらまいてしまったら全部回収するのが大変ですよね。
更にそこここでビー玉が増えていったら、全部回収できるでしょうか?

確かに感染した方、感染が疑われる方にとっては厳しい措置の様に思えますよね。
実は医学は科学の一分野で時として冷酷な一面を持つ科学です。
蘇生学もまず自分が安全でないと助けてはいけないと書いています。
私も学生時代、公衆衛生学でアウトブレイク・パンデミックは習いました。
アウトブレイクって映画でもありましたが、時として批判はされてもそのような決断をせざるを得ない可能性がある職業とは自覚しています。

勿論、感染を広げないことが重要ですが、ワクチンも鋭意作成中とのことですが、ここまで来るとインフルエンザもコロナもウイルスである事には変わりありません。
うがい・手洗い・マスク(品薄とか・・)・不必要に人混みの中に出ない、ちゃんと体調を整える。

これぐらいしか思いつかないですね。
でも皆さんができることをして頂くことも大切です。

さて、こんな寒い時期に当院を久しぶりに訪ねてくれた人がいます。
その名は田村先生。
当院のホームページで専攻医募集のページで紹介されている先生です。
最初、当院で1年間研修医をして、大阪市立大学で1年間研修して、専門を循環器内科に決めて当院で3年間後期研修をした先生です。

今は、大阪市立大学で大学院生しています。
彼が今度、循環器専門医試験を受験するそうです。
もうそんな年になったんですね。
専門医試験も単にテストを受ければ良いのではなく、これまで診療した患者さんのサマリーを提出が必要になってきます。
そのサマリーの症例を見直しに来たようです。

実は彼とはほぼ2年会っていませんでした。
今、田村先生は不整脈を専門に選んで研究や手術の研鑽を積んでいます。
彼が仕事をしているところに乱入してきました。
「なんや、コイツ」みたいに迷惑であったかもしれませんが、彼はちゃんと話し相手をしてくれました。

嬉しい事に彼は大きくなっていましたね。
別に太ったとか、お腹が出た、とかではありませんよ。
そうですね、身体に纏っている雰囲気が後期研修修了5年目と比べるとしっかりしてきたという感じでしょうか。
たった2年しか経っていないのですが、大学という環境、大学院という自分で自分の課題を見つけて勉強していかないといけない環境が彼を育ててくれたのでしょうか。

医者のキャリアとしては最初の2年が研修医という見習い状態、自分の専門を決めて能力を深めていく専攻医(卒後3-5年目)、その後は自分の専門分野をゴール無く深みにハマっていく感じでしょうか。
かくいう卒後20年目の私もまだ自分の成長のために課題を探しているところです。

私は研修医の時、先輩方に
「楠山君、5年は死ぬ思いで駆け抜けなさい。そこで医者の実力は決まるから」と言われましたし、今でもそれは事実と思っています。
多分、医療技術だけではなく、医師としての生き方が決まる時期なのでしょう。

さて、余りサマリー作成の邪魔してもダメですが、今やっていること、これからの彼の目標・考えを聞かせて貰いました。
ちゃんと自分のやりたいことがはっきりしてきたようです。
勿論、カテ室見学もしてもらい、当院も不整脈の専門医を募集してるよ!って勧誘もしました(^_^)

彼が帰ってから、昔の写真をスマホで掘り出しているとやはりありました。
当院で働いているときに一緒に学会出張して寿司を食べに行った時の写真です。
どうやら20167月の写真のようです。
懐かしいですね。田村先生も私もまだ若い!
先日の写真と並べてみましょう。
彼の雰囲気が落ち着いてきたと思いませんか?
なんか見ていても安心感があります。

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医者って医療技術だけでは面白くない。
人間味があって初めて医療技術が生きてきます。
そういう意味では若いときに色々な医学にとどまらない経験を自分から積んだ方が良いと思います。

彼が年を重ねて成長すると言うことは私も同じだけ年を取るということです。
これだけは絶対的に人間平等ですよね。
彼に負けないように私も時間を大切にして自分を磨いていかないといけないですね。

タムちゃん、試験頑張ってな!また先生と働けるのを楽しみにしているよ。
やることはいっぱいあるぜ!

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