こんにちは。楠山です。
皆さんお元気でしょうか?今日、日差しは夏のような天気でしたね。
車に乗ると車が焼けていました。
夏、駐車場で車に乗ったとき、熱くてハンドルが持てなかったり、クーラーが効いてくるまでじっとりと汗をかく、あの時期が近づいてきたようです。
ただ夕方になると少し過ごしやすくなってきました。
窓を開けていると気持ちよい風が流れてきます。
ホッとするひとときです。
さて私、楠山は最近追い込まれておりました。
え?借金ではないですよ。仕事です、しごと。
皆さん、医者って患者さんを診て治すのが仕事って思っていますよね?
勿論、それは医者としては非常に大切な仕事です。
ただ、医者も実は色々な側面を持っています。
私も研修医の時は先輩方に教育されてきましたし、皆さん御存知のように当院も臨床研修病院ですから研修医教育、ここまでは皆さんも想像がつくことと思いますが、私達は他にも科学者の一面も持っていなければなりません。
最近も論文の不正がニュースになっておりましたが、やはり新しい治療法、今使っているお薬が適切であるか検討したり・・・と研究者の一面も持っています。
え?ツカザキで研究してるの?研究所とかなさそうなのに・・・って声が聞こえてきます。
当院現在あっちこっちで建築ラッシュですが残念ながら、研究所は建設しておりません(多分)。
研究って皆さんが思われている試験管を振り回して、妖しい煙がフラスコから出てきている、っていう風景だけではありませんよ。
確かに私が大学院生の時は大学のラボ(研究室)で自分の白血球を使った実験をしておりました。
定期的に60-80cc ぐらいを同期に採血してもらうんです。
白血球だけ分離して、色々なお薬を振りかけてどうなるかを見ていました。
採血してくれた同期は隣で確かネズミさんの心筋梗塞を作って研究していたように思います。
友人でもそこまで彼の研究テーマを詳しく知っているわけではありません。
閑話休題。
当院がやっている研究は全国で50施設ぐらいの共同研究で心臓のカテーテル治療を受けた方にお願いして、薬剤の投与内容の検討を行っています。
今、健康保険で使用されているお薬を使った研究ですので、怪しさはないのですが、これも立派な研究です。
もし我々が思っている結果が出れば、少し(1つだけど)お薬を減らすことができそうなんですよ。
「お薬多いよな~」って思っている患者さんの顔を思うと頑張ってみたくなりますよね。
臨床研究って言うんですが、それも医療のレベルを上げていくのには必要なことなんです。
さてその研究、インターネット上でデータを入力することになります。
ちょうどその研究を手伝ってくれていた人が長期のお休みを頂いているので、なかなか手が回らず進んでいなかったんですね。
宿題をためるとどうなるか・・。
皆さん御存知のように貯金は貯まらないのにナニワ金融道の如く雪だるま式にたまっていきます。
先日、研究事務局の方から締め切りの優しい催促と思われるメールを頂きました。
毎日の業務は手を抜くわけにいきませんから、どうしてもお休みの日に夕ご飯を食べ、お風呂に入ってから病院にこっそり潜入することとなります(>_<)。
内線電話が鳴らない深夜って仕事進むんですよね。
ただ、一度だけ救急外来で目撃されて、その後心筋梗塞の方が搬送されたとき、「楠山、見たで!」でいきなり内線がかかってきて気付けば手術していたこともありますが、それは御愛嬌です。
だって、院内にいるし「当番と違うから」なんて言ったら医者が廃ります。
何回か秘密裏に夜病院で過ごしておりますと、流石の楠山も疲れてきます。
30歳代までは大丈夫だったんですけどね。
昼抜きで手術をしていた日の夕方、漸く医局に帰還して「あー、しんど~」って電子カルテの前でぼやいていたら、横から紫色の箱がスッと出てきました。
写真のようにニコッて椅子に隠れて笑っている同僚がおりました。
とらやの羊羹です。
実は羊羹好きなんですよ。日本茶と頂くと美味しいですよね。
疲れたときは甘い物がほしくなります。
非常食を隠し持つのは医者の常識ですが、羊羹とはなかなか珍しい・・と思いながら見てみると「ラムレーズン」です。
最近、とらやも色々工夫しているんですよね。
一口サイズの包装にして色々な味を出しているみたいです。
羊羹と言えば、殴れば大けがしそうな大きな直方体というイメージでしたが時代に追いついていますよね。
一口食べたときの甘さと優しさ、疲れが癒やされました。
お陰様で手術記録もしっかり書いて仕事をやり遂げて帰ることができました。
ああやって甘い物をもらえる環境って有難いですね。
今度はいつかお返ししないと。
あとやっぱり無理はできないから宿題はためないようにしないといけないですね。
お陰様で研究も締め切り1日前に仕事は完成しました。
昔の先輩のお言葉「楠山、経過はいらんから、結果出してこい!」を思い出しました。
うーん。ある種の真実ですね。
あの時、小学校で習った事って何だったの?!と苦笑いで思ったことを覚えています。
何とかS先生のお陰で結果出せました!
羊羹、ありがとうございます。
あの甘さは羊羹の甘さではなく、先生の優しさだったのでしょうかね。