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ピックアップ Pickup / Column

楠山Dr

顔は見ているんだけどなぁ

急に寒くなってきました。
皆さん、お元気でしょうか。
最近、コロナウイルスの話題が漸く落ち着いてきたと思ったのですが、世界のどこかではまた新しい種類のウイルスが見つかったとのこと。
折角ちょっと落ち着いてきて少しは以前の生活を取り戻すことができるのかと思っていたのですが、敵もさる者、なかなか安心させてくれませんね。

このコロナの問題で私の周りで大きく変わったのは人との距離でしょうか。
以前はもちろん友人・同僚と学会や研究会で会うことはできましたし、一緒に働いている業者の方も直接顔を合わせて議論したり新しい情報を得ることはできていました。
しかしながら、ここ数年は会うことができなくなったのは皆さん御存知の通りです。

そこで急速に発展したのは Web 会議のシステムです。
会社ではテレワークという言い方でしたでしょうか。
学会や研究会も Web 開催となりました。
確かに画面を通じてお話をすることはできますし、スライド資料も見ることはできます。
ただ、会場で開催して直接同じ部屋で議論するよりは質問も少ないですし、どうしても議論していてもぎこちなさを感じます。

あとこれは暴露話になりますが、研究会を聴講しているときWeb 開催ですと他の仕事もできてしまうんですね。
ダメなんですけど、ちょっと興味が薄れて急ぎの仕事があったりしますとやってしまったことがあります。
反対に会場ですと、携帯電話から「先生、急変が・・・」ともし言われたとしても姫路から離れてしまっていてはどうしようもありません。
「うう、すまん(>_<)。病棟当番の先生にお願いして・・・」と言いながら電話を切り幸運を祈るのみになります。

ただ、どうしても家を空けることができない場合でも学会参加することができるようになったという話も聞きますし悪いことばかりでは無いんですけどね。

ただ、直接会った方が意思疎通が取りやすい、ということに関してはその通りだと思います。
昔縁あって成人教育論を勉強させて頂く機会があったのですが、その時に印象に残っているのは
「コミュニケーションでは言語的な部分は 30%、非言語的なアプローチは70%」と言われてビックリしたことを覚えています。

非言語的アプローチとは、雰囲気のことですよね。
顔つき・視線・言葉遣い・声色、意識・無意識に関わらず皆さん感じている物です。
それが70% って凄くありません?
確かに学生時代の電話では相手が怒っているのか、分からなくて苦労したこともあります。
電話ですと表情は完全に分かりませんが、Webでは表情は分かるんですけど、確かに最初に比べるとだいぶ慣れてきているのですが、何か違うんですよね。
もしかしたらその非言語的なコミュニケーションが完璧にはできないのかもしれないですね。
その人の周囲から出てくる雰囲気・オーラが無いように思えます。

コミュニケーション、これだけではないですね。
会社、クラブ、家族、色々な組織の中でも大切な物です。
例えば、全く日常意思疎通が無い相手と仕事をすることは非常に難しいことです。
それだけじゃ無くてコミュニケーションは「生もの」かもしれませんよ。
「生もの」は腐ることもありますね。
ほら、皆さんも経験があるでしょうが話をしなくなると心の距離も遠くなることがありますよね。
そうすると更に話しにくくなります。
そんな時には早めに対処した方が良いように思います。
本当に離れてしまいますとお互いにストレスをためてしまって修復が難しくなることもありますから。

色々な考え方があるのが社会だったり会社だったりします。
日常の挨拶やちょっとした雑談も悪い物ではないです。
それが意思疎通の始まりですから。
また新年度が近づいてきました。
僕自身は人事異動で病院が変わると人間関係が全て御破算になってしまうので、それなりにストレスを感じていました。

でも最初は挨拶、一緒に入った処置での会話をしていると不思議と廊下ですれ違っても笑みや黙礼でコミュニケーションを取ることができるようになっていました。
人とのコミュニケーションを形成していく過程は楽しいですよ。
人事異動で緊張している人を時々見ます。
これはどの会社でも起こること。
新天地も大変かと思いますが、それを醍醐味にしてみません(^_^)

冬の朝です。キーンとした空気が気持ちよいですね。
気を引き締めないと。

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