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ピックアップ Pickup / Column

楠山Dr

ユーモアとは...

皆さんいかがお過ごしでしょうか。
また恐ろしい時期がやって参りました。
え?皆さん、お分かりにならない?
試験じゃありません。

衣替えです。

1年に2回、自分の体型が変わっていないかのチェックの時です・・。
恐ろしすぎます。
幸いまだ暑いのでチェックは行われていません・・・。

 

さて、世界的なニュースになっておりましたが、先日エリザベス女王が崩御されました。
在位は70年間ということで私の人生より長い間公務に就かれていた方です。

私みたいな姫路のすみっこで生息している循環器内科医とは異なり、公人としての職務を果たしてこられたというのは、言葉に尽くせないような気苦労と努力があったのだろうな、と想像します。

世間知らずな楠山ですので、失礼ながら今回の事で色々とエリザベス女王の歴史を拝見しました。
若くして女王になられたこと、とても責任感のある方であったのだな、と感じるところがありました。
しかしこんな私でも実は2つのことで存じ上げておりました。

1つ目はロンドンオリンピックの開会式の時にジェームスボンドにエスコートされてヘリコプターから降下してきたお話。
2つ目はプラチナ・ジュビリー(即位70周年)の時に作成されたパディントンとのお話でしょうか。

多分、皆さんの方がよく御存知かと思いますが、もし見たことが無い方が居れば、You Tube でも見ることができます。
非常にそれぞれが格好いいんですよね。
“Cool” という単語で合っているのでしょうか。

公人としてのお顔とはまた別の表情で出演を楽しまれているように思えました。
お話では女王自身も製作に意見を出されていたとのこと、非常に色々大変な仕事をされながらもユーモアをお持ちの方なのかな、と想像しました。

ま、ボクとしてはピアース・ブロスナンの方がダニエル・クレイグよりちょっと好きですかね。
昔、ピアース・ブロスナンが戦車の上でネクタイを直している場面にしびれて、スーツとネクタイは綺麗に着こなしたい!と思った男ですので・・。

 

さて、『ユーモア』。
非常に大切な物だと思います。

私達の仕事も緊張感を持ってやらないといけない業種です。
時として緊迫した状況になることもありますし、どの仕事でも同じかと思いますが、余裕を失うと良い仕事をしません。
手術や救急の現場でも粛々と進めていくことが大切なのですが、非常に混乱した状況に陥るときもあります。

以前もこのブログで書きましたように余裕が無くなると人間、信じられないことをします。

我々の仕事はパイロットと同じように常に冷静である事を求められると思っています。
でも難しい手術や重症患者さんの救急対応ではこちらも必死になりますので、雰囲気が固くなってくることもあります。
そのような時こそ、ちょっとみんなが笑えるような一言が言えるかは非常に重要です。

みんながちょっと「クスッ」と笑える一言が言えるのであればまだ大丈夫です。
みんなも笑えているわけですからまだ状況としては大丈夫な状況と言えます。
もし、誰も笑えない状況であればだいぶん追いつめられているということでしょう。

診療中に不真面目な・・・、という声も聞こえそうですが緊迫しているときに緊張をほぐすのは大切な上の仕事です。
そうやって上手くいくのであれば許されることだと思っています。

私自身も突然の挿管(人工呼吸器の管を入れること)が上手くいかないとき、通りがかりのとある女性麻酔科医に「代わって!」ってお願いしたら、選手交代せずに介助についてくれて「大丈夫、大丈夫ですよ!」と明るく小声で声をかけられてやってみると、あら不思議、上手くいってしまうんです。
にこやかに去って行く後ろ姿が神々しかったですね。

そうそう。
学生時代にある大きな病院の救急部で7週間の実習をしていたのですが、そこのトップの先生も格好良かったですね。

研修医や専攻医の先生方が上手くいかない時でも明るく朗らかに「アホか。頑張らんかい!」と指示?を出しながら、どうしても難しいときは最後に「うーん、難しいねぇ」と言いながら綺麗に決めちゃうんです。

学生の特権でその先生の後をついて行くと廊下を歩きながら、
「先生、あの状況でも僕が焦ったらダメだよね。一番上の雰囲気は大切だよ」
と静かに仰ったのは今でも手本にしていることです。

ダメなのは、ユーモアと言っても品の無いユーモアでしょうか。
人のことを悪く言ったり、品が無い行動は絶対ダメですね。
一時、バイトテロと言われる様な飲食店をはじめとした所で信じられないような動画を上げたりしている事件が相次いで話題になりました。
あれは、品がなさ過ぎますね。

どうしてそれを見たときに他の人がどう感じるかを考えることができなかったんでしょう。
理解に苦しみます。
あれはユーモアとしては非常に質が悪い物だと思います。

 

ユーモアって、その人自身の人生の中で起こったことや出会ってきたことが如実に出る部分ではないかと思います。
勿論、その経験を良い意味で咀嚼して自分の物にできている人は、良い意味で人を巻き込むユーモアを持っているのでしょう。

私の尊敬する先輩方も当然厳しい部分はありましたが、スゴい人は特にユーモアも抜群であった様に思います(一部はやや・・・)。
もしかしたら今の御時世、人気が無いタイプかもしれませんが、古い物も良い物があるはずです。
厳しいけどユーモアのある優しい人を目指したいものですね。

そう考えるとエリザベス女王は勿論、お目にかかったことは無いですが、とても素敵な方だったのでしょうね。
動画を見ると笑顔が気品と迫力に満ちておいてです。
御冥福をお祈りしております。

自然の写真

実家の近くの池なのに、光に惹かれて写真を撮ってみると、あら不思議。
見えますか?池の水面に逆向きの虹が映っていました。
エリザベス女王崩御の時は二重の虹がかかったとか。
もしかしたらちょっとだけ微笑んでくれたのでしょうか?
・・・・まさかね(^_^)。

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