こんにちは。急に寒くなってきましたね。
お元気でしょうか。楠山です。
コートを今日は出してきました。週末に学会がありますので・・・。
先日、当院で市民講演会が開催されました。
目新しさのためか、たくさんの方が興味を持って下さったようです。
ホラ、写真のように満員御礼ですって!たくさんの方に興味を持っていただけたのは有難いことです。
多分、検査科の藤原さんの新型コロナウイルスのお話も丁度皆さんの興味のある分野であったのでしょう。
実は市民公開講座はなんかの会議で「やるんだなぁ~」って他人事の様にお話を聞いていたのですが、ある日「第1回目は先生で行きましょか・・」と天気のお話をするような雰囲気で言われました。
チラシにあった様な感じで楠山にとっては青天の霹靂でありました。
他人事から我が身にいきなり変わるのは、結構衝撃的ですよ。
そうなりますと準備を始めないといけません。
講演時間を聞いて、テーマを決めていきます。
スライドは大切ですが、人様の前でお話をするときにはテーマ・ポリシーを決めていく必要があります。
実はここが一番大切だと思います。
実は楠山は真面目な方でして大学の講義は全て(多分)出ていました。
面白くない、と噂を聞いていた講義も出ていました。
だって、もしかしたらその時しか聞くことができない知識があるかもしれないですよね。
授業料も払ってるし勿体ない、という気持ちがありました。
実臨床に出てから「あの講義はこのためか!」という講義もありましたし、全方向に講師から放射される睡眠光線にやられたのもありますし、人気無いけど実は興味深かった!と思える講義もありました。
同じ講義をしても聴衆の興味を引くかどうかに関しては、お話しする人が聞く人達のことを想っているかだと思います。
先程のその時は分からなくても医者になってから理解した講義は私が十分基礎知識がなかったという問題もありますが、もう少し医学部生とは言え、素人ですので優しく教えてもらいたかったなぁ~。とも思います。
さてそのようなことですので講演に関しては、話す人と聞く人の適切な関係が一番大切じゃないかと私は思います。
講演に関しては先程のポリシー位は持ち合わせていますので、今回頂いた仕事は非常に難しく思えました。
医療従事者同士での講演会では専門用語をガンガン使っても問題ないですが、今回は市民の皆さんがお客様です。
今回は真面目かつちょっとは楽しくないといけません。
だっていきなり楠山が小難しそうな顔をして「急性心筋梗塞症患者さんの二次予防に重要とされている包括的リハビリテーション・・」って言い出したら、途中でお家に帰りたくなりますよね?
専門用語を禁じ手にして病気の話のスライドを構成していくわけです。
これは簡単に見えて実は非常にチャレンジングな仕事です。
で、約30-40分程度のお話でスライドは約80枚を用意しました。
30分の講演スライドを新規に作るのは自分のペースでは1ヶ月以上かかります。
1ヶ月と言っても仕事の合間にスライドを作りますのでずっとスライドとにらめっこはしていませんよ。
これまでのスライドを使うことになります。
勿論、言葉を換えたりイラストを入れたり少しは改造していますが、基本的には医療従事者用の講演会に使っていたスライドを使用しています。
同じスライドでも皆さんに楽しんでもらうには、話す内容を変えたら良いんです。
この辺は前職の塾の事務員が役立っています。
折角、週末の大切な時間を使って来ていただくわけですから、笑って帰って頂きたいですもん。
これって学生オーケストラに所属していたときに考え方が似ています。
舞台関係の基本的な考え方だと思いますが、お客さんに「意義ある時間」を提供することがミッションになります。
(なんか前回のブログも同じようなこと書いたような・・・。アイディアの枯渇か?絶筆近し? 以上楠山の心の声)
さて当日・・・・。テストと同じで始まるまでの直前1時間がとても苦手です。
学会・講演会でもそうです。始まってしまえば、もう迷うことはないです。
ただただ全力を尽くすだけです。
私にとっても皆さんとのあっという間の45分でした(ちょっと延長しちゃった・・・)。
狭心症や心筋梗塞のことがちょっとでも身近になって、興味を持って頂くことで皆さんと二人三脚で治療に当たれると良いですね。
孫子は言いました。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」
実はカテーテルや手術の写真をたくさんお見せしましたが、一番大切なのは、高血圧・糖尿病・高脂血症・喫煙・肥満などの動脈硬化を進める病気を良くすることです。
私も皆さんの家庭訪問をするわけにはいきませんので、皆さんの積極的な協力が大変重要になってきます。
今回の勉強会がそのきっかけになるのであれば幸いです。
皆さんが楽しんで下さったのかどうかに関しては私には分かりません。
これは話した人間が評価するのではなく、私は評価される人、皆さんが評価を下す人です。
Negative な評価は自分を育てる。と言う言葉もあります。
皆さんの忌憚ない意見が楽しみです。
同時に皆さんがあの時間を楽しんで頂けていたのであれば良いのですが・・・。