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ピックアップ Pickup / Column

楠山Dr

先日、お客様をしました

こんにちは。段々春の足音が聞こえますね。いかがお過ごしでしょうか?
朝晩は寒いと感じることがありますが、朝の出勤時などふとした瞬間に春の香りを感じます。

題名にありますように先日お客様をしました。
勿論、お茶を飲みに当院までお運びいただいたわけではありません。
カテーテル業界ではまだまだ駆け出しの楠山でもありますので、手術で100点を取ることができるわけではありません。

以前のブログでもお話ししたかもしれませんが、心臓のカテーテル治療にはまだ解決するべき問題があります。
動脈硬化というぐらいですので、生まれたばっかりの赤ちゃんの血管は弾力のあるゴム管、それが使っているうちに固くなってくるわけです。

人によっては動脈が石灰化してくる方もいらっしゃいます。
固いところにステントという金属のメッシュの管を置いてきても広がらなかったり、石が残っていてステントを破断させてしまってはまずいですよね。
ステントを置くまでに石灰化をどうやって処理して長期に良い成績を得てくるか、非常に重要なところです。

もう一つの問題点は慢性完全閉塞病変です。
私達の手技はとても簡単で「広げたいところに細いワイヤーを通して風船やステントで広げる」、ただそれだけです。
勿論、その一文の中に色々な血と涙と冷汗や脂汗(?!)と苦労と疑念と後悔と発見と歓びがあり、カテは人生の縮図ではないか、とカテーテル検査室で孤独感に包まれながら思う時もあります。

こんな感じでまだ悩み多き楠山です。
先日の広報の暴露により不惑が過ぎていることが発覚しましたが・・・(-.-#)

今回、患者さんの許可を頂いて、難しい手術をしていただくために三田市民病院から吉川先生をお招きして手術をして頂き、同時に私達に手術手技を教えて頂く会を開催させていただきました。

確か去年10月に友人が働いている施設に手術見学に伺ったブログをあげたと思います。
その時の先生です。
その時も書いたようにとても優しく紳士的な方で・・とお話しした方です。

手術の準備をしているときに先生がおいでになりました。
操作室から優しい顔で手を振って下さるんですよね。
カテ室に入ってこられたら部屋の雰囲気が変わるんです。
指導的なお立場の先生なんですが、とても優しく当院の看護師にも優しく声をかけてくださいました。
ウチの看護師さん、一目惚れしたかのようなキラキラした眼をしていましたね~、ちょっと嫉妬するかな。

手袋、清潔なガウンを着用され横に立たれて「よろしくね」と言われると私も初めての吉川先生の介助で、「先生の足手まといにならないかな~」と緊張していたのですが、とても柔らかい気持ちになりました。
術者で手術室の色は変わりますね。

その日は同級生2人も来てくれて、同窓会兼手術の勉強会となりました。
やっぱり同期って良いモンです。

実際に先日勉強した手技のお手伝いをしたのですが、勉強するのと実際にやってみるのでは大違い・・・。
初めてで先生をうまくお手伝いしないといけない立場なのに、優しく教えて頂きました。

先生の手術の雰囲気、隣で無いと体感することができない息づかい、先生の術中のツイート、機材の選択の決断までの思考の進め方は先生の隣に立たせて頂かないと体験できない貴重な時間でした。

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ただ同期2人は先生と議論しているんですが、ボクは必死で議論に混じる余裕なしでした(>_<)
今回も先生の眼と私の眼では見えている物が違うんだな~、と実感し気付けば完全に閉塞しているところも綺麗になっていました。

その後、先生と同期・当科のスタッフでお話する時間を頂きました。
今日のことだけではなく、先生のこれまでの経験や大切にされていることをたくさん伺うことができました。
循環器専攻医の先生も専門を循環器に決めた研修医の先生にとっても先達のお話を聞くだけでも大きな財産になったのではないかと思います。

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井の中の蛙ではダメですよね。
自施設の中で毎日を頑張ることも大切ですが、時々外の世界を見てもらうような機会を提供するのも仕事になってくるのかもしれませんね。

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今日もカテ室に行ってきま~す。
良い手術ができますように。

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