昼間は暑いですね。
お元気でしょうか?楠山です。
先日、11年間定期的に呼んで頂いていた講演会に行ってきました。
コロナの時は開催が難しく数年空いてしまいましたが我々の病院と良く連携させて頂いております朝山徹先生が主催されている勉強会でした。
第1回目は2012年5月23日に開催されました。
実はこの講演会、対象はコメディカルスタッフです。
今を去ること11年前になります。
現在ではチーム医療の重要性が広く認識されるようになり看護師をはじめとしたコメディカルスタッフへの研究会・勉強会は様々な領域でなされておりますが、先生は11年前に「コメディカルスタッフのレベルアップをしなければこの地域は発展しない。地域ぐるみで勉強会を開こう」と私にお話され、研究会を立ち上げられました。
私も先生のお考えに賛同させて頂き、ずっと参加させて頂いておりました。
当時は非常に珍しい形態の講演会で、先生のお人柄もあってか色々な施設から参加頂いたように思います。
今から考えますと非常に先進的なお考えをもってこの「基礎から学ぶ循環器教室」を立ち上げられたのだと思います。
先生の御慧眼に感服です。
テーマはいつも朝山先生が御指定になります。
循環器疾患に関連はしているのですが、先生が御指定になるテーマは様々です。
循環器の中でも虚血性心疾患・心不全・弁膜症・不整脈・心筋症・高血圧症などの生活習慣病・・・と沢山のテーマがあります。
循環器内科医でも全部に精通している人は多くは無いと思います。
やはり私も得意・不得意はありますのでスライド作りが上手くいくこともあれば、全く元となるスライド・資料が無くって苦戦した回もありました。
てこずる回の資料って最初がなかなか思いつかないんですよね。
スライド作りを始めるために半月ぐらいウロウロしていたこともあります。
難産の時もありましたが、気がついてみれば色々な分野の資料を作ることができましたし、資料を作る時って結構、勉強するんですよ。
人様にお話しするのですから先日のブログにある様に120%の理解が必要となります。
当時(2012年)私も医師対象の勉強会ではお話しした経験はあったのですが、コメディカルスタッフの皆さんにお話しする機会はなかなかありませんでした。
必要とする情報も職種が異なれば欲しい情報も異なるのは当たり前の事です。
朝山先生の講演会に寄せたメッセージを見てみると・・・
①基礎を再確認し、循環器病診療のスタンダードを学べること
②地域医療の一翼を担うものであり、医療従事者のレベルアップに資するものであること
③薬剤師他のコメディカルにとっては、より臨床に近づけるものであること
と書いてあります。
ですので、スライドも単に循環器の専門用語を並べたら良いのでは無いですし、話す内容も皆さんが実臨床に興味を持って頂き、ちょっと現場で役立つ情報をお話ししないといけません。
相手が「来て良かった」と思ってくれないと失敗ということになります。
朝山先生とお目にかかれるのは楽しみながら、実はいつも緊張している講演会でありました。
今回は最終回ということ。
更に先生からは循環器内科で使用する新しい薬剤に関して話が聞きたい、と希望を伺いました。
と言うことで、2つの講演をさせて頂くことになったのです。
1つの講演会で2つのテーマに関してお話しするのは私も初めての経験です。
パソコンのデスクトップに2つのスライドを予め出しておいて準備しておりました。
さて本番が始まって講演を始めるときに出したスライドが後半のスライドです。
私も緊張していたのか気付かずにそのまま発表を始めてしまいました・・。
1/4 位進んだときに漸く「おかしいな~」と思い始めて冷静に見てみると、違うスライドのプレゼンテーションをしていることに気がつきました。
どうしよう・・(>_<)、って思ったのですが、ここでスライドを変えて違う話をすることはできません。
ピアノのレッスンで先生に「間違っても絶対に止まってはいけない、弾き続けなさい」と言われたことを思い出しました。
講演会の案内状と異なったテーマを話し出す、正に前代未聞の放送事故でありますが茨の道、いや地雷原をそのまま突っ切らせて頂きました。
この精神状況はかなりヤバかったです。
最終回ですので、綺麗にまとめたい、という悪魔の囁きがこんな形で襲ってくるとは・・・。
ピアノの発表会、大学のオーケストラ、カテーテル手術でも格好良く決めようとするとコケる、という宇宙の真理はこれまでイタい思いをしながら体得してきたはずなのに・・・。
時間管理は結構自信があったのですが、動揺したためか気付けば時間オーバーしていますし、前半はかなり早口になってしまいました。
評価は聞き手がする事ですので謙虚に受けなければいけませんが、自己評価は「最終回でコケて申し訳無いです(>_<)」という感じでしょうか。
あーあ、格好良く大団円を迎えたかったのになぁ~。と帰りの車の中で敗北感に包まれて会場を後にしました。
写真を見ましたが、心なしか私、窶れているような気がします・・・。
まあそんなこんなでコロナで中断した期間はありましたが、11年間にわたって朝山先生が主催されていた「基礎から学ぶ循環器教室」はここで一区切りです。
第1回の時から参加してくれている方もおいででしたし、今回は Web でも参加頂いたとのこと。
御参加頂いた皆さん、ありがとうございました。
放送事故もありましたが、何かお役に立てば幸いです。
皆さんは11年前、何をしていましたか?私はまだ30代半ばでした。
10年経つと人間も変わっていないとダメですね。
スライドを見直してみると自分の考えがちょっと変わってきているように思います。
そろそろ親(朝山先生)離れしないといけない時期でしょうか。
朝山先生、11年間勉強させて頂きありがとうございました。
また御一緒できる機会を楽しみにしております。