こんにちは。お元気でしょうか。
今日は雨が降っています。今日はシトシトした雨で落ち着きます。
熱い珈琲を淹れてちょっと目をつぶってから書き始めました。
早いもので新年度が始まってから2ヶ月が経ちました。
皆さんは仕事に少しは慣れてきたでしょうか?
自分の経験からすると3ヶ月ぐらいは何をやっているか分からず目の前の仕事を先輩と一緒にこなしている時期であったように思います。
回診して処方したり、採血をしたり、レントゲンをお願いしたり、勿論カテーテルもエコーも自分一人ではできませんので、せいぜいそれぐらいでした。
点滴を入れる時に患者さんとお話しすることができるようにはなってきてた時期でしょうか。
ただ、仕事全体像はまだ把握できていなかったように思います。
出勤して言われたことをするので精一杯でした。
当院の研修医のシステムでは最初は内科からスタートすることになっています。
私の所では2ヶ月間研修した先生が丁度先日、次の科へ旅立っていきました。
まだ研修医の数が少ないときには3ヶ月間まで取ることができたのですが、全員が回らないといけないので、ちょっと短縮です。
研修医の先生はどのように思っているかはともかく、2ヶ月間って最初は特に短く感じました。
特に最初ですから医師としての部分を教える必要もありますしね。
つい3ヶ月のつもりでゆっくりしていたら最後は少し駆け足になってしまいました。
医師になって最初の2ヶ月で循環器内科の深みまで案内することは難しいですが、臨床の奥深さを実感してもらえたら目標達成と行ったところでしょうか。
最近、ニュースを見ていますと退職代行サービスというものもあるようですね。
入社数日で退職を決断される方もいるとのこと。
退職って人事ですので、最初は自分で言うべきことのように思います。
勿論、所謂ブラック企業ってヤツで辞めさせてくれない、となれば間に入ってくれる人は必要かもしれませんが、退職の意思表明・片付けまでしてくれるというのは、私は少し違和感を覚えました。
それが1つの商売として複数の会社が立ち上がっているとのこと、何とも複雑な気分です。
数日仕事をやって仕事が分かった、自分と合っていないと考えて退職を決断されるようですが、ホントなんでしょうか。
医師をする前は小さな塾で事務員のバイトをしておりました。
確かにそんなに沢山の職業経験をしているとはいえませんが、医療業界の中では、研修医・内科医・循環器内科医・大学院生・蘇生教育のインストラクターなどを経験させてもらいました。
それぞれ立場が違っても結局数日では仕事の内容・深さが理解できていたと思ったことはないですね。
先のサービスを使われる方のお話では、自分が考えていた仕事内容ではなかった、ということで退職を決断されるケースもあるとか。
私も大学院ではカテーテルのチームで研究する予定であったのですが、色々あって気付けば実験をすることになっていました。
正直最初はふてくされた時期(2週間ほど)もありましたが、実験の指導教官・同僚に恵まれて実験に関して3年間教えてもらいました。
ちゃんと実験した論文を書いて卒業し、最低限の基礎研究を経験した上で、自分の進路を臨床医に選択しましたが、今の仕事で実は大学院で実験していたことがとても役立っているんです。
自分が思う部署じゃなくとも役立つパズルのピースはあると思うんですよね。
学生時代はそのようなピースは学校から与えられてきたのでしょうが、社会人になると自分で見つけに行かないと誰も教えてくれないように思います。
もし今は役立たないと思った部品でも時が経てば、部品の意味が分かったり、使うべき場面に遭遇したりするはずですので、自分の道具箱に入れておくと得するんですけどね。
更にもしかしたら、やってみたら自分が当初思っていた進路よりハマってしまうこともありえますよね。
石の上にも三年、という言葉があります。
勿論、何も見つからない (もしかしたら見つける事ができない?) 可能性はあり、タイパ(コスパが費用対効果であれば時間対効果か) が悪いとするのも良いですが、必要な無駄を経験しておくと将来のどこかで役立つことがあるように思います。
あと、自分で役に立つことを見つけてくる能力は人生で非常に強い力も持つように思います。
人生至る所に青山あり、ですね。
嗚呼、おっさんの愚痴になってしまいました。
ここまできたら言ってしまいますが、どの仕事でも数日で中身が分かるものではないし、そこで決めつけるのは視野が狭小であるが為である可能性は高いでしょうね。
ま、世の中の全てがそうとはいえないのが、皆さんには申し訳無いところですがね。
ただ、石の上にも三年、この言葉は正しかった、と私は言える経験ありますよ。
さて、2ヶ月間私の下にいた先生方は私から何を持って帰ってくれたのでしょうか。
今、役立たなくても良いのです。
その人の人生のどこかで「楠山、これを言っていたのか~」と実感してくれたら嬉しいです。
私もやってもらってきたことですから後輩に返さないといけないのでやっているだけです。
ただ先輩ほど上手くできているかは疑問ですが・・・。
日差しが強くて木陰が気持ちよい季節になってきました。
これぐらいで止まってくれると有難いのですが・・・。
もう春の緑の色じゃないですね。