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ピックアップ Pickup / Column

楠山Dr

冬の嵐・・

こんばんは。お元気でしょうか?
今、風呂上がりで、ウィルキンソンの炭酸を飲みながら、どうしても今日は我慢できず「ホワイトロリータ」2本を囓って、パソコンに向かっています。
(
栄養科の皆さん、ごめんなさい・・)

あ、中年男の風呂上がりですし、あんまり想像しないでくださいね。
こう言うと皆さん、大体想像しちゃいますよね。
ま、会社・病院で噂を広めたいときには「ねえねえ・・、これヒミツなんだけど・・」と言いながら話すと、その内容が数日後には各部署に広まっている時と一緒です。
なんで、やってはいけない事はやりたくなるのでしょう。
ま、人間の性って所でしょうか。

さて、どうでも良い内容でスタートした本稿ですが、前回とかなり間隔が空いていることにお気づきでしょうか?
サボっていたわけではなく、書けなかったのです。

11月中旬から急に寒くなっていたのは皆さん御存知かと思います。
そこから急に当科繁盛してしまって・・・。
科内は別にサボっているわけでもないのですが、カンファレンスでみんなが顔を合わせることもできず、家庭内別居状態・・。
更に心不全や虚血性心疾患で結構重症な方もおいでで、患者さんも御家族も当院スタッフもてんてこ舞いでありました。

このような時期はあっという間に時間が過ぎていくんですよねそう。正に
テンパスフュジット(光陰矢の如し) です。
ま、そんな日は矢が私に「プスッ」って突き刺さっていることもありますが・・(>_<)
最後のカテーテルをしたときに朝した仕事が遠い昔のように感じている日は大体ヤバいですね。
以前も同じ話をしたような気がしますが、そのような時は私達も気づかない間に精神的にも身体的にも追い込まれていることがあります。

何か、自分が怒りっぽくなっている、とか何となくいつもより楽しくない、なんてことがあると注意信号ですね。
ある程度、予防措置をとるために休みの日は病院から離れるようにしています。
ま、所謂昔の人間ですので今の働き方にはそぐわないのでしょうが、自分の精神衛生の観点からも電話で患者さんの状況は聞いて必要な指示・お願いはしますけど・・。

その後は忘れて歩いて外出をしたり、読書をしたり、気分が乗ればピアノを弾いたりしています。
意外と自分が疲れていることに気づかない人もいるようです。
なかなか忙しい時期ですと他人に気遣うことができる余裕が失われることもありますよね。

こんな時は危ないときです。
私自身医師という仕事はパイロットに似た部分があると思います。
勿論、病棟徘徊、いえ回診では患者さんを診て検査・投薬・治療方針や処置・手術の決定等決断をしますし、手術・検査をやるとなったら、患者さんの生命に対して全責任を負う覚悟でカテ (外科医はメスかな?) を執るべき、と考えています。

検査・手術では基本的に患者さんの情報は頭に入れておくべきですよね。
空港でもパイロットは自分の機を確認しますよね。

結局、始めたら終わるまで周囲に人はいますが、結局は独力で終わらせないといけません。
(
指導医がいる場合もありますが・・)
無線はあるでしょうが、操縦を代わってもらえません。
ほら、私達医師の仕事も何か決断するという観点からはパイロットと似ていません?

パイロットは健康に関するチェックが厳しいと聞きます。
体調管理はパイロットの仕事、と書かれた本もあったように思います。
そういう意味では私達医師も健康管理は良いパフォーマンスを出すためにも必要かな、と思っています。
プロ意識を持っているのも一緒だと思っています・・・。

というものの、私なんかはちゃらんぽらんな部分もありますし、今日頑張って全部できないのなら、最低限の事は終わらせて、明日に回す…などちょっと手の抜く工夫をしています。
最近の先生方で真面目な方はその辺が上手く使えるようになったらよいですね。

今日、うちの子(私に付いている研修医) は心臓血管外科の手術に入っていました。
術前から動脈硬化は非常に厳しいことは分かっていたのですが・・やはり大変な手術であったようで、疲れた顔をして出てきました。
その時にうちの子は「いつもの先生とは違う顔を見ました」というような事を言っておりました。
私が信じている心臓血管外科医も流石に苦労していたようですね。

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どうやらその研修医、本当の手術の厳しさを見たのかもしれません。
どれだけ私達もベストを尽くして準備して頑張っても苦労することがあるのも医療の現実。
これは患者さん側から御理解を得る事が100%できないかと思いますし、主治医としては言えない事ですが、患者さん、私達が悪いわけではなく、病気が悪い、としかいえない事もあります。
その状況で闘うのはとても厳しい。

それを今日の手術室で研修医が上司から何かを感じることができれば、今日の日はその研修医にとって大きな意味がある日であったのでしょう。

いつの日かその研修医がその手術の主術者の位置に立ってそれを感じる日がきたとき、その先生は何を思うのでしょうね。
その日が楽しみなようなコワいような・・。

でも、おそらくマトモに医者をしていれば誰もが一度は通る道。
堂々と踏み越えてやって欲しいですね。心配ありません!
そうすれば、次の更に大きな山が待っていますので(あ、私は皮肉家です)
兎も角、その患者さん良くなってくれることを祈ります。

おっと、ちょっと感傷的になってしまいました。
ま、いずれにせよ自分の体調管理は大切ですよね。
そろそろ明日のカテに向けて休まないと。
明日、私は完全に詰まっている血管を掘る工事です。
お休みなさい。

ちょっと休みの散歩で気になった風景を写真に撮ってみました。
薔薇ってこの時期でしたっけ?とても綺麗でした。
散歩って悪くないですよね。

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