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ドクターインタビュー DOCTOR INTERVIEW

ドクターインタビュー

『しぶしぶ受ける』のではなく、『受けたい』と思える治療が目標です。

循環器内科 部長 萩倉 新

どのような診療を行っていますか?

狭心症や心筋梗塞(心臓の周りの血管が狭くなる・詰まる)だけでなく、心臓弁膜症(心臓の弁の病気)など心臓の大きな部品に対してもカテーテル(細い管)を使った治療の提案ができるようになりました。特に最近広がりを見せているのは、後者の心臓弁膜症など大きな部品に対する治療です。当院ですでに90歳以上の方にも受けていただき、元気に退院されています。すべての病気に対して行えるほどの状態とはなっていませんが、今後数十年で多くの病気をカテーテルで治せるのではないかと考えています。

心臓低侵襲治療外来について

心臓弁膜症を始め心臓を形作る大きな部分の治療は、古くは開胸術といって胸を大きく切り開いて血液の流れを機械任せにしないとできませんでしたので、大きな治療を受けるか苦しいままか、といった選択を強いられました。特にご高齢の方やそのご家族には悩ましい状態でした。また狭心症や心筋梗塞といった心臓の周りの血管の病気も、胸を開く手術が勧められているけど…カテーテルでどうにかならないか、といった希望があることがあります。その他、ちょっと詳しい話になってしまいますがステント治療の代替手段を求められる患者さんもいらっしゃいました。
ご希望もお伺いしながらカテーテル治療も含め、広く適した提案ができる外来にしたいと思っています。また『病気』とわかっていなくても『動いたらしんどいな』とか、『検診で心雑音があるといわれました』とか、心臓の病気の面で我々が提案できる範囲があるかもしれません。ぜひ相談をいただけたらと思います。

カテーテルを使った治療法について

狭心症や心筋梗塞に対するカテーテル治療は約半世紀の歴史がある確立された治療です。我々循環器内科は『カテーテル』を使った検査や治療を一番行っている科でもあります。また大きな部品を扱う治療だけに、治療中のトラブル(合併症)の際は、やむを得ず胸を開く手術が必要となることがあります。そのためカテーテルを用いた治療の際には必ず心臓血管外科と連携をして治療にあたっています。
2002年にフランスでヒトを対象に世界で初めて行われた心臓弁膜症(大動脈弁狭窄症)に対するカテーテルを使った人工弁治療は、時を経て現実のものかつ多くの方に受けていただける治療となり、当院でも行っています。今後は、心臓の中の抜け道(卵円孔)が原因となり脳梗塞となってしまう方がいらっしゃるため、その抜け道をカテーテルを使ってふさいでしまうような治療の導入を検討しています。

心臓弁膜症以外の疾患について教えてください

以前より狭心症や心筋梗塞に対するカテーテル治療のトレーニングを積んできました。ロータブレータと呼ばれる高速回転式アテレクトミーと呼ばれる治療法、またDCAとよばれる特殊なカテーテルを使った方向性冠動脈粥腫切除術という治療法も行っています。
脈がゆっくりになる症状がある方に対する、ペースメーカー治療の提案もしています。通常の有線のペースメーカーと、線がない超小型のカプセル型のペースメーカー治療の提案も可能です。

どのようなことを心がけて診療に当たっていますか?

受けたい、と思える治療にしていきたいと思っています。心臓弁膜症や心臓の大きな部品の治療は大動脈弁狭窄症という病気に対するカテーテル治療が一番多いのですが、この治療は命が伸びるだけでなく、症状が良くなり動く範囲が広がったり、普段の生活の質が良くなったりすることがわかっています。簡単にいうと『元気になる可能性』のある治療です。『健康食品』や『サプリメント』を増やすのではなく、医学的に効果が確かなカテーテル治療という選択肢もあるんだな、という事を知っていただけたらと思います。

最後に読者へメッセージをお願いします。

なんでもご相談ください。『受けたい』と思っていただける治療が理想です。ご本人ご家族のご希望と、医学的に適する方法とすりあわせ、それぞれの方に最適と考えられる治療法を病院内の治療メンバー(ハートチームといいます)で相談し提案をさせていただけたらと思います。

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