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ドクターインタビュー DOCTOR INTERVIEW

ドクターインタビュー

みんなが Happy になる医療を

循環器内科 主任部長 楠山 貴教

どのような診療を行っていますか?

循環器内科の診療範囲は心臓だけではありません。心臓を養っている血管のトラブル(心筋梗塞症・狭心症)、心臓の弁の異常、大動脈や足の動脈のトラブル、不整脈、そしてこれらの病気の結果ともいえるうっ血性心不全を主に診ております。
循環器内科を標榜しておりますので、上記疾患に関しては専門家としてお手伝いできるようにはしております。

PRしたい疾患・治療法について

やはり現在専門にしている虚血性心疾患(急性心筋梗塞症・狭心症)でしょうか。皆さんも御存知の虚血性心疾患に対するカテーテル治療は1977年に初めて施行されてから急速に発展してきた分野です。
私は学生時代に心臓に興味を持っていたのですが、病院実習で胸を切らずに狭心症を治すことができるのは素敵だな、と思い、循環器内科の世界に入りました。その時に比べるとカテーテルの治療技術・器材の進歩はめざましく、治療成績の向上や以前はできなかった治療も今ではできるようになってきました。
ロータブレーターなどを使用した高度石灰化に対する治療、慢性完全閉塞病変など難易度の高い手術もありますが、安全な手術が提供できるようになってきました。

虚血性心疾患に対する治療は?

  1. 冠動脈バイパス術
  2. カテーテル治療

を挙げることができます。

御存知の通り、冠動脈バイパス術は心臓血管外科での手術、カテーテルは循環器内科の手術です。同じ虚血性心疾患に対する手術でありながら何故両立するかと申しますと、冠動脈バイパス術とカテーテル治療はお互いに補い合う関係だからです。

当院の自慢の一つとして、心臓血管外科と循環器内科の垣根の無さがあります。両方の選択肢がある状態で患者さん・御家族と一緒に、その人それぞれに適した治療方針を選択するようにしています。

また私は内科医です。ですので、カテーテル治療だけではなく、動脈硬化に関して興味を持っています。急性心筋梗塞症・狭心症に対する血管の治療だけではなく、高血圧症・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病に関してもお近くのかかりつけの先生方と一緒に管理することが虚血性心疾患を始めとした動脈硬化による病気を予防するために、重要と考えています。

虚血性心疾患以外に診る疾患に関して

循環器一般に関して診療しますが、やはりうっ血性心不全の患者さんを診せて頂くことが多いです。うっ血性心不全は当科ホームページにもありますように虚血性心疾患を含めて色々な原因で引き起こされます。
また私達の間では「心不全パンデミック」という言葉があります。うっ血性心不全は今後も増えていきます。少しでも心不全にならないように、もし心不全を発症しても適切な治療と多職種による生活指導を行い、再発なく日常生活への復帰を目指しています。

また虚血性心疾患を診ておりますと動脈硬化疾患でありますので、下肢閉塞性動脈硬化症や大動脈瘤など全身の動脈硬化病変にも遭う機会が多いです。

どのようなことを心掛けて診療に当たっていますか?

近年、病院の機能分化が進んでいる事もあり、当院で治療をした後の通常の診療はかかりつけの先生にお願いすることになっています。循環器疾患は治療して終わり、ではなく、虚血性心疾患にしてもうっ血性心不全にしても、生活習慣病や生活習慣そのものが上手く管理できないとまた同じ病気になってしまいますし、繰り返せば繰り返すほど治療は難しくなります。
入院でも外来でも限られた時間ではありますが、ツカザキを卒業して頂いた後にできるだけ再発しないよう、生活習慣や冠危険因子と言われる高血圧症・脂質異常症・糖尿病・喫煙・肥満などの管理を目指して看護師や薬剤師、栄養士、リハビリテーション、ソーシャルワーカーなど多職種で介入し、かかりつけの先生方とも連携して、それぞれの日常生活をできるだけ良い形で取り戻して頂くことを目標にしています。

そうなると私のモットーの様に患者さんや御家族が Happy になると思いますし、それは私達の Happy になると思って診療しています。

最後に読者へメッセージをお願いします。

循環器内科は心臓・大血管に関して総合的に診る科です。心臓からの循環は全身を巡っているように、心臓にフォーカスし過ぎるのではなく、視野を広く患者さんを診るように努めています。
患者さんとお話ししていますと日常生活で胸が苦しくても、息が苦しくても「まさか自分が・・」と思われることがあるようです。確かにそのお気持ちはよく分かります。
身体を動かしていて、いつも胸が苦しくなったりするようでしたら、一度受診して頂ければと思います。
ちゃんと検査をして問題なければ、安心して日常生活を送って頂けますし、もし病気があったとしても一緒に考えて病気を治していきたいと思います。

地域の皆さんの循環器疾患に関してお手伝いできれば嬉しいです。

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