みなさんこんにちは!ツカザキ広報編集部です!(*’ω’*)
血圧を測ったら上の血圧が140mmHg以上だった!それでも大丈夫だと思われていませんか?
今回はツカザキ病院 循環器内科 主任部長 楠山貴教医師による、
高血圧について~後編~を動画でご紹介いたします。
※動画には音楽・音声が入っております。再生場所や音量にお気をつけください。wifi環境での閲覧を推奨します。
動画を見ることができない方のために、動画の内容を文章で読んでいただけるよう内容を解説しています。
血圧・高脂血症(脂質)・コレステロール・血糖の検査値はご存じでしょうか。
実は楠山外来で150人ほどの方にアンケートを取ったんですが、血圧は血圧手帳を付けておられるためか検査値について97%の方がご存じです。
空腹時の血糖や「HbA1c」のことも皆さん興味を持っておられるので、血糖の検査値は82%の方がご存知です。
狭心症は心筋梗塞を含めてコレステロールのコントロールが重要とされていますが、脂質は皆さんどれくらいご存じかというと驚くことに3分の2(67%)であります。
血圧や血糖は(HbA1cのような)見やすい数値がありますが、コレステロールは数値がいくつかあるので認知度が下がってくるのかもしれません。
しかし、検査値は皆さん興味を持っていただけているなと分かります。
「血圧・コレステロール・血糖の治療目標値を知っていますか?」ということに関してアンケートを取っています。
「大体しか知らない」はおそらく「知らない」に分類すると、正確に治療目標値をご存じな方はどれくらいるのでしょうか。
検査値については血圧は90%以上ご存じだった方も、治療目標値は3分の2(67%)しか正確にご存じではありませんでした。
血糖は約半分(55%)、脂質に関しては正確にご存じな方は3分の1(37%)でした。
そういった目標値に対して情報提供や、診療の中で限られた時間にお話しないといけなかったり、カテーテル検査を受けた時にある程度のことをお話しできる環境は今後も必要です。
皆さんからも検査値に関する質問を私たちにしていただいてもいいのかもしれませんね。
高血圧は心不全にとても関係があるという話をしましたが、最近では心不全パンデミック※1という言葉があります。
※1 病気が全国的・世界的に流行すること
今は2021年ですが、2035年~2040年にかけて日本の心不全患者さんは増えていくと言われています。
それを考えると心不全のリスクステージが低い高血圧の段階からしっかり治療をし、心不全の段階に至らないように高血圧の治療を重要視していただきたいと思っています。
先程の楠山外来でアンケートを取った150人の患者さんに「現在治療を受けている病気はなんですか?」と聞きました。
私の患者さんですので狭心症の患者さんが多いですが、グラフのように重なり合っている部分が約25%あることから高血圧・高脂血症・糖尿病を1つだけ治療している人は少ないんです。
治療の目標は非常に重要です。各先生方によって違うと思いますが私自身は手術・内服などを行うことによって心血管の病気(狭心症・心不全・心筋梗塞など)を制圧・抑制し、患者さんが制限のない日常生活を取り戻すことが目標です。
生活習慣病は非常に重要ですが、最近新たな敵がいます。誰でしょうか?皆さんご存知の通り新型コロナウイルスです。
このウイルスが世界にしたことは残念なことに、医療分野のみならず経済社会を大きく変えることになってしまいました。
新型コロナウイルスによる医療体制の変化がどのように起こったでしょうか。
医療従事者側も患者さんもご家族も感染症対策を行うことで病院に行きにくくなり受診抑制がかかってしまいます。
お薬を飲まないといけないけれど、病院にはなかなか行きにくくなることでお薬を飲まなくなったり治療の中止が起こります。
生活習慣病は毎日のお薬が大事ですよね。
実は、生活習慣病が悪化して高血圧・高脂血症・糖尿病が悪くなってしまうと新たに動脈硬化性疾患が起こってしまいます。(心臓のみならず頭の病気もあります)
当院も、24時間体制で虚血性心疾患や脳血管障害に対応できるように医者は頑張っていますが、病院が感染症対応で大変な状態になっていると緊急医療体制ができないという状況が起こります。
病院に行きづらかったり、対応できる病院が少なくなると、病気は対応の遅れによって1分1秒争うことがありますので、救命率の低下が起こります。
私達にとっても厳しい(辛い)ことですが、出来ることをしていかなければいけません。感染防御をすることは当然です。
外来の扉を肘で開けていただく・アルコール消毒をお願いする・待合の間にビニールのカバーを付けるなどの感染対策を行っています。
皆さんも手洗い・うがい・マスクをしてくださっています。
ところが、コロナは病院と皆さんのお家の架け橋を壊してしまいました。
私自身は患者さんのとお会いして直接治療を行い原因を探らないと分からない部分がありますが、診療は継続しないといけないのでテレビ電話での診療を行いました。
患者さん・ご家族さんにも医療を継続する重要性を啓発していかなければいけません。
処方箋も、電話診療を行った際に「お近くの薬局へ行ってくださいね」とお伝えしました。
現段階では法的な問題もありますが、通販みたいにお薬が送れるようになったらいいなと思います。
アメリカではスマホを利用して血圧や血糖の手帳を薬剤師と共有するプログラムがあります。
コロナを機に新しいものを作る気持ちでないとやっていけないのかもしれません。
そういった意味ではコロナウイルスは感染症のみならず、循環器内科医にとっては動脈硬化を引き起こし生活習慣病も悪くすることで我々も困った状況にあることは事実です。
少し古いデータですが平均寿命を黄色いバーで表しています。
2016年で男性は80.98歳、女性は87.14歳です。我々の先輩方のおかげで戦後から平均寿命がとても延びてきました。
健康寿命は赤色い矢印までとなり、男性は72.14歳、女性74.79歳です。
逆に言えば、残りの間の男性8.84年と女性12.35年は不健康寿命です。
どうせ生きるのであれば、自分のことは自分でしたり色んなことを楽しんだりすることが必要です。
そういった意味でも、狭心症・心筋梗塞・心不全というのは大きく生活の質を低下させる病気でもあります。
大きな病気にならないために、高血圧を始めとした脂質異常・高脂血症・糖尿病・肥満・たばこ(喫煙)に関して、当院の循環器内科に来る前に皆さんと一緒に考えて出来るだけハッピーな人生を歩んでいただけたらと思います。
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