こんにちは。まちの減災ナースです。
前回のコラムに引き続き、姫路・西播磨地区の皆さんと一緒に災害に強いまちづくりを目指していけたらと思い、「減災・防災」について定期的なコラムを発信していきます。
今回のコラムは、「今すぐできる7つの備え」のその4、「災害から命を守る」1)についてです。
前回の「その3」では、地震災害における室内の備えについて、家具の固定や配置についてお伝えしました。
地震による家具の転倒や転落によって、負傷してしまうことは既に判っていることですよね。
しかし、災害がない・経験したことがないことの安心から、減災に対する備えを怠ったばかりに命を落としてしまうケースもあります。
後悔しないように、大切な家族を守るためにも備えを見直しましょう。
今後おそらく起こるであろう「南海トラフ地震」ですが、そもそも、世界の地震災害の8割は、アジアで発生しています。
さらに、日本周辺で起こっている地震の20%は震度6以上と言われています。2)
また、近年は全国各地で大雨の被害が報道されていますね。
このコラムの「その2」でもお話しましたが、みなさんがお住まいのこの西播磨地域は、地震災害より水害によるものが防災マップに反映されていましたね。
今回のコラムでは「災害から命を守る」ための、正しい知識と日ごろの備えについて、地震・水害・土砂災害についておさらいをしたいと思います。
「その3」でもお伝えした内容ですが、家具が倒れるメカニズムを知っておくと、倒れない工夫と倒れても大丈夫な位置をあらかじめ決めておけるので安心に繋がります。
また、気象予報などでよく見かける3種類の前線の見方や意味を知っておくと、より豪雨の備えを行いやすくなります。
近年、③の土砂災害の被害がよく報道されていますね。
これは、②の集中豪雨の後によく発生するものです。
大量の雨が降った後には、土砂災害が起こることを忘れず、警戒情報と素早い行動と、日ごろからの備えが重要です。
温暖化などの気候変動によって、今まで経験したことがない未曾有の災害が至る地域で発生しています。
今後は、7月上旬と8月上旬の梅雨前線に伴う集中豪雨が、近畿・東海・関東甲州で有意に発生頻度が増加するという報告もあります。4)
「土砂災害警報情報」が流れたらいち早く避難することが大切ですが、上記のような前兆現象に気づいたら、見に行くのではなく自治体や警察、消防に通報しましょう。
今回のコラムでは、それぞれの災害に対する備えを中心にお話しいたしました。
それぞれの災害に対して、正しい知識を持ち、必要な対策を行うことで命を失う可能性は下がります。
今日は1月17日ですね。
阪神・淡路大震災から28年が経ちました。
私たちは、この震災から多くの学びを得ました。
本当にたくさんの犠牲者からの学びです。
同じ過ちをしないように、この震災からの学びを言い伝えていく必要があります。
決して忘れてはいけないと、毎年この日が近づくと身が引き締まります。
これは、カランコエという花です。「あなたを守る」という意味を持っています。
自分自身をご家族を、おとなりさんを守っていきましょう。
そして、心から感謝とご冥福をお祈りいたします。
今回のコラムが、みなさんの平時の安心につながりますように。
次回は、その5「日ごろから準備しておきたいもの」についてです。
1)内閣府(防災担当):減災のてびき-今すぐできる7つの備え-,2009年3月.
2)JICE国土技術研究センター. 国土を知る/意外と知らない日本の国土. 2022/11/29
https://www.jice.or.jp/knowledge/japan/commentary09
3)気象庁国土交通省ホームページ: 2022/11/10,
https://www.data.jma.go.jp/eew/data/nc/shikumi/shikumi.html
4)中北英一:気候変動に伴う梅雨期の集中豪雨の将来変化に関する領域気候モデルを用いた基礎的研究,土木学会論文集B1(水工学),Vol.68,N0.4,I_427-I_432,2012.
当コラム執筆者のツカザキ病院 城尾 教育担当部長が取り組まれている、「まちの減災ナース」について神戸新聞社様に掲載して頂きました。まちの減災ナースになったきっかけ、現在取り組まれている活動などを取り上げて頂いています。是非ご覧ください。
記事はこちら:看護師ボランティア「減災ナース」の育成に取り組む女性 平時から防災知識生かし活動
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