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ピックアップ Pickup / Column

楠山Dr

やっぱり先輩は良いものです

こんにちは。楠山です。
朝夕は少し秋の涼しさを感じることはありますが、昼間は暑いですね。
日曜日、簡単な掃除をしていたんですが汗ばんでしまって冷凍庫に転がっていた懐かしの井村屋のあずきバーを咥えて先日の扇子をパタパタやっておりました。

さて、今週は忙しかった・・。
学会に地域の蘇生講習会、研究会、当直と毎日イベントに事欠かなかったのですが・・・。
ひとつ特に楽しみにしていたイベントがありました。

御存知の通り私の仕事は血管工事、特に対象は心臓を養っている血管です。
新聞や雑誌では風船治療、ステント治療など記事を読みますが、実は治療の方法はそれだけではありません。
動脈硬化と申しますように動脈は硬くなりますので、ダイヤモンドで石を削ったり、音波で割ったりもします。
その中にレーザーもありまして・・・。
ま、殆どSF の世界やな、と思っていたのですが、ちょっとしたきっかけで当院にも導入することになりました。

造っている会社の名前は絶対皆さんも御存知の会社で、電動歯ブラシやひげそりを作っている会社ですが、彼らは血管造影機器や超音波検査・モニター・エコーなど多岐にわたる機械を製造・販売しています。

その中にそのレーザーもあります。
実はこういう特殊な治療機器の新規導入はしっかり管理されておりまして・・。
学会への申請、お国への申請、製造業者の教育プログラムの受講(一応テスト付き)です。
それが終わると最後はプロクタリングです。

実際に症例を手術して、それをプロクターの先生が見て指導を行う実技試験みたいなものです。
プロクターって辞書で調べてみると試験監督って意味があるんですね。
じゃあ勉強したこと、ちゃんと頑張って良い手術しないとね。と思っておりましたら、その試験監督、私の先輩でした。

以前もこのブログに出ていらっしゃったように若いときから私を指導して下さった方です。
会社の配慮なのか、有難いですよね。
失礼ながらまさか先生がそんなに偉い先生とは思っていなかったのです・・。
全く知らない先生より絶対有難いですよね。
試験がとても楽しみになっておりました。

勿論、手術を成功させることが目的ですので、いつもの通り事前準備は万全です。
その日は片岡先生のレクチャーを聴講した後に現場で手術を見ていただきます。

規則で2例手術をして、問題なければ当院でも使用許可が下ります。
試験とっても私だけが受けるのではなく、カテーテル検査室(カテ室)の状況・看護師さんや技師さんの動きなどもチェックするはずです。
そういう意味ではカテ室の試験と考えると心地よい緊張を感じます。

大きなトラブルもなく、昔のように先生と色々な議論をして手術は成功裏に終了。
実はその予定が終わった後に緊急の方が来られて、その手術まで見てくださいました。

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その緊急手術が終わり、ヤレヤレと思って先生との合格写真を撮っていたら、横で除細動器の充電の音がするではないですか!
あんまり聞きたくない音ですので、「えっ!」って横向いた写真も残ってしまったのですが、流石先輩、一緒に横向いておりました。

心電図モニターは目で見るものではなく、耳で見るもの、と私は考え、教えていますので・・もしかしたらピアノ・オーケストラが役立っているのかも?!

数秒後には反射的に2人とも走ってカテ室に入って一緒に処置をしてその患者さんも安定して集中治療室へ収容となりました。
手術って終わったって思っても病棟に収容するまでファイティングポーズを解いてはいけないですよね。

その後は先生と私達で食事に行ってざっくばらんな席で姫路のお酒を楽しまれながら、当院の後輩達にも色々面白い話をしてくださり、いつもは日帰りされる先生が姫路にお泊まりとうことで二次会までお付き合いいただきました。
やっぱり先生、心筋梗塞症の患者さんがカテ室までに来る時間、急な事が起こった時の私達の反応速度を見ていらっしゃいました。

ふとした時に見ていた良い点を明確に誉めてくださるところは、流石管理者です
(
勿論、それは悪い点を見抜く眼でもあります)
そこは私も見習わないといけません。
実はこの先生、ある総合病院の院長なんです。
もっとも先生は「病院から出たら、僕はカテ屋だから」って仰りますけどね。

二次会は2人で行かせていただいたのですが、二人だからこそできる話もありました。
更に私の進路指導までいておりました。
もしかしたらそれが先輩、もう一つの目的だったのかな・・。

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ともかく気付けば午前1時30分です。
先輩は翌日朝6時30分ぐらいの新幹線で院長に戻り、楠山は普通に7時過ぎから回診してお互いいつもの一日が始まりました。

そんな日の思い出を大切に心に留めておくと大変な時、苦しい時でも頑張れるんですよね。
更に、その日の夜、心筋梗塞症の患者さんがおいでになり、丁度レーザーが役立つはず!と思って使うと非常に手術経過は良く終わることができました。
ちゃんと注意するところは聞いていたのでやったら一人でもできるやん!

嬉しくなって御礼ついでに手術内容・経過の報告すると、忙しい先生から返信が・・。
その本文は「ええやん」、一言。
簡潔な一言が嬉しいですよね。

やっぱり先輩って良いものだな~、と後輩の気軽さと心強さを感じた日でした。
ま、昔と違うのは体力が持たなくなってきたぐらいでしょうか・・。
お互い身体には気をつけないといけないですね。
先輩、ありがとうございました。
新しい武器?、良い手術できるように安全に効果的に使ってきますね。

また飲みに行ける日が楽しみです。
私も良い先輩にならないと
(「良い」という意味は非常に難しい・・・)

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