スポーツに興味がありません。昔からそうです。
ただ、今年は高校野球を見なければなりません。
お手紙を頂戴したのです。しかも、十七年も前に手術した方のお母さまから。
以下、無断ながら引用させていただきます。
- 十七年も前に先生が××××医療センターで勤務されていた頃に生後四ヶ月だった息子〇〇の手術をしていただきました。<中略>あの時、先生が当直でなかったら息子の今は無かったかもしれません。心より感謝しています。術後の息子に「〇〇君、頑張ろう」と声をかけてくださったことを今でも鮮明に覚えています。そんな息子も高校二年生になりました。中学卒業後、親元を離れて◇◇高校でお世話になり、日々、野球を頑張っています。周囲の方々の支えもあり、気持ちの強い優しい子に成長してくれています。三月十九日から開催の選抜高校野球では□□と対戦します。元気に成長してくれて、それだけで親としては嬉しいかぎりです -
その頃の僕は駆け出しの脳外科医で、約20万の都市を3人の脳外科医で支えるチームの一番下っ端でした。
毎日病院に泊まっていて、なにか緊急があったら、他科の先生にも、「廣瀬がいるだろ!呼べ!」と呼ばれて救命処置をする毎日でした。
正直、あの頃は手術に追い回されていて、お手紙を下さった方のお顔は覚えておりません。もっとも、お会いしたのは生後四か月ですし、今、立派に成長された青年を見てもわからないでしょうが。
コロナ禍でうつうつとする毎日。また、中間管理職?として慣れない業務をこなしながら、あの頃が、自分の医師としての青春時代だったなぁ。と、感慨深く読ませていただきました。
それにしても、十七年の間に数々の病院を渡り歩いた僕を、よくぞ発見してくださったものです。
スポーツに興味のない僕ですが、今年の選抜は、観なければなりませんね。