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松村Dr

風邪だけじゃない!肩こりに葛根湯。

風邪だけじゃない!肩こりに葛根湯。

 こんにちは!ツカザキ病院 整形外科 松村です。
先日はインフルエンザに対する『麻黄湯』についてお話しをしました。本日は肩こりに効く漢方のお話についてしてみたいと思います。皆さんはタイトルを見て、「肩こりに葛根湯?あの風の時に飲むやつ?」と思った方にいるかと思います。
 
 実は葛根湯は感冒だけでなく、肩こり、頭痛、筋肉痛、ニキビ等、幅広いトラブルに効く、便利な漢方薬なんです。今日はその中でも整形外科でよく遭遇する肩こりについてです。

 外来でみる場合は実際は「肩こりです」と言って受診する方はほとんどおらず、首の痛みや肩の痛みを主訴に来院される方が多いです。よくよく問診をしてみると実は頭痛もあったりで、肩を触診してみるとめちゃくちゃ肩が張っており、「肩こり」と診断します。もちろん、頚椎症や胸郭出口症候群などの器質的疾患のひとつ症状として出現する場合もあるので、きちんと検査した上での診断となりますが、まず肩こりがあると判断した場合は葛根湯を処方するようにしています。では「なぜ肩こりに葛根湯が効くの?」ということについて説明したいと思います。

 肩こりの原因の一つにパソコン等の仕事でずっと同じ姿勢をとることにより、肩の筋肉の緊張して血液の流れが悪くなっている、いわゆる「血行不良」が挙げられます。血行不良の状態になると、肩の筋肉に十分な酸素や栄養が運ばれなくなり、これが「肩こり」になって現れます。
 葛根湯は主薬の「葛根」をはじめとする7種類の生薬からできています。その中に前回説明した「麻黄」も含まれており、発汗作用が現れ、血流が改善し肩こりが改善してきます。そのほか「甘草(かんぞう)」や「芍薬(しゃくやく)」といった生薬は鎮痛作用があり痛みも改善してくるとされております。このように葛根湯には様々な生薬が組み合わさってできており、風邪だけではなく肩こりにも効果があるとされているのですね!

 実際私が使用した感想ですが、「ちょっと肩周りがこわばるなー」と思った際にすぐに服用するようにしていますが、服用後2時間後くらいでじわじわ血流が改善してくる印象です。
風邪の場合には前回と同様、ゾクッときた時にすぐに服用するということがポイントです。
風邪の場合は葛根湯の発汗作用で体を温めて発熱をさせて、ウイルスを撃退するということですね!

 「じゃー麻黄湯と葛根湯は何が違うんですか?」ということですが『葛根湯よりも麻黄湯は強力!!』と覚えておいてください。人によって効果の出方は違いますが、私の場合は37.5度以上あって寒気が強い場合は麻黄湯にするようにしてます。現在流行している新型コロナウイルスには特効薬がないとされております。これは個人的な意見ですがもし新型コロナウイルスにかかってしまったらインフルエンザ同様、自分の免疫力で治すしかありませんので麻黄湯が有効と考えております。

 「周りで咳をしていて新型コロナウイルスにかかってしまった人がいて、その人接触した可能性がある。その後喉が痛くしんどくなってきた。」

 このような際は比較的初期の段階で麻黄湯を服用してください!麻黄湯は強力な発汗作用でウイルスを撃退を助けてくれる可能性があると思われます。まずは手洗いうがいなどできることをしっかりして、もし何か風邪にかかってしまったなと思うときは漢方も一つの治療法ではないかと考えています。

 本日は肩こりの話から最後は新型コロナウイルスの話になってしまいましたが、漢方にご興味がある方は一度試してみてはいかがでしょうか。ではまた!

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