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ピックアップ Pickup / Column

楠山Dr

新しいカテ室が完成しました!

「暑い」という言葉では表現できないぐらいの厳しい暑さが続きます。
皆さん、大丈夫ですか?
先日、夕方に車に乗ったら、気を失いそうになりました。
私が子供の時代の暑さとは質が違いますね。
まだ7月です。どうぞ皆さんも身体には十分気をつけて下さいね。

最近、当院ではあっちこっちで工事が行われているのにお気づきかと思います。
皆さんには御迷惑をかけております。
病院東側の救急外来入口に写真のような構造物がくっついたのは御存知でしょうか?

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実はこれ、カテーテル検査室なんです。
最近、脳神経外科でも脳梗塞症や動脈瘤に対する血管内治療は行われていますし、当科でも足の動脈を含めてカテーテル件数は増加傾向にあります。
更に治療自身も複雑になり時間もかかるようになりました。

しかも予定一杯の時に、緊急の方が入ってきたりしたら・・・カテーテル検査室が1つだった時では予定の方に横入りさせて頂いて治療を行っておりました。
そうなると最後の方のカテーテル開始は夜7時とか・・・。
イヤなことを待つのってイヤですよね。
皆さんの手術・検査とは一緒にならないかもしれませんが、私にとっては試験に似ています。
試験が始まってしまえば踏ん切りついて頑張れたんですが、試験前数日ぐらいから待つのが苦しくなったのを覚えています。

しかも状況が分からない状況で待つのは更にツラいですよね。
皆さんの心づもりもあるでしょうし、病棟に上がって自分の患者さん、御家族に状況をお話しして「ごめんなさい・・」を申し上げるようにしています。

お陰様で皆さん良い方が多く、状況を御理解いただけ、色々思いはあるかと思いますが、御協力いただいておりました。
しかし、最近では、計算外のカテーテルが頻発して、結構皆さんに御迷惑をかけることが多く、私の「ごめんなさい」の価値も大暴落しておりました。

74日に新しいカテ室が稼働しました。
記念すべき?第1例目は不整脈でショック状態となった急性心筋梗塞症の患者さんでした。
本来であれば予定検査からスタートするべきなのですが、当院らしいといえば当院らしいですね。
丁度、これまでのカテーテル検査室が他の手術で使用されていた時でした。
その患者さん、緊急でカテーテルで血管を広げて、補助循環を入れてその日にバイパスの手術になり、今ではお陰様でお元気にリハビリをしていらっしゃいます。

もし、これが新しい検査室が完成していなかったら・・・と思うと非常にコワい状況ですね。
診断がついてやるべき事は分かっているのに医療資源の問題で治療が出来ない。
これは医者としては悪夢です。

本当にその日がカテーテル検査室の稼働日で良かった。
命を1つ拾うことが出来た「良き日」でありました。

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このカテ室は仮設で北側の建物が完成すれば更に引っ越しをするので、実は少し手狭ですが、十分検査・治療を行うことが出来ます。
これで少し皆さんの待ち時間や緊急カテーテルが対応不可能でお断りせざるを得ない状況は減らすことが出来るのではないかと思います(しかし最近、満床で救急お断りが頻発と聞きます・・・(>o<)、野戦病院ではないので「廊下に寝て下さい」とは言えないんですよね。多分保健所の皆さんにも叱られます・・)

あとは先程書きましたように緊急カテーテルが入っても、予定のカテーテルを予定通り進めて行くことが出来ます。
先日も当科緊急カテーテルの裏側で粛々と予定検査・手術を進めることができました。
お陰様で1730分全てのカテーテル終了!
これが結果として待ち時間減少で患者サービスの向上に繋がれば嬉しいですね。

確かに昼間に医師・看護師をはじめとしたコメディカルの人的資産を集中させないといけないですが、患者さん・御家族にとっても良いことかと思いますし、我々にとっても夜間に長い間カテーテルをしているのは、職員の残業や夜間救急の人手が足りなくなるなどの問題もありますので、病院としても一歩前進かな、と思います。

次はカテーテル検査・手術の質は実は医師の実力もさることながら、関係するスタッフの実力も大きな因子です。
実は来年にはカテーテル検査室が3室になることが決まっております。

そうなりますとコメディカルスタッフの質の強化が必要になりますね。
北館完成まであと1年。
頑張って厳しくコメディカルと一緒に勉強していこうかな。

明るい救急外来。
楽しいカテ室が私のモットーですが、そこには厳しさが底流に流れていないといけないですもの。

実は私、結構こう見えてスパルタなんですよね。
皆さん、覚悟して貰いましょ。

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