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ピックアップ Pickup / Column

楠山Dr

誕生日

こんばんは。皆さんお変わりありませんか?
白衣で外に出ると身体が凍ってしまうような寒さは感じませんでした。
まだ遠いですが春が少しずつ近づいてきているのでしょうか。

実は私、もうすぐ誕生日を迎えます。
誕生日というと皆さんいろんな思い出があるのではないでしょうか?
懐かしい思い出、楽しい思い出、甘い思い出、ほろ苦い思い出・・・。

私の誕生日は最初から少し事件?でした。
私が生まれた年は「うるう年」でした。
初産って元々予定日より少し遅れることが多いと聞きます(本当にそうなんでしょうか?)
で、私もどうやら予定日から遅れていたようです。

229日であったらどのように誕生日が来るんだろう、と家族は考えたようで看護師さんに聞いてくれたようですが、「228日と31日の間に年を取ります」と言われたようです。
ちょっぴりびっくりしたようです。

結局、杞憂でその前に生まれまして、そのようなラッキーにはなりませんでした。
私も子供の時は「229日生まれだったら、今2歳やん!」と小学校で言っていた記憶があります。

中学になってからは定期試験があります。
私の誕生日はいつも3学期の期末試験でした。
両親も誕生日である事は覚えてくれていて祝ってくれるのですが、記憶に残っているのは余り浮かれた気分にもなれずに試験勉強を誕生日にしている記憶ですね。

実は大学入試前期日程(もうこの制度はないのでしょうか?) 2日目でもありました。
勿論、当家にお祝いムードはなく「おめでとう」の一言をもらって試験会場に出陣した記憶があります。

でも20歳の時はちょっと感傷に浸ったと思います。
だって一応成人ですもの。
これで合法的にお酒が飲める訳です。
当時は医学部チェロ科に在籍していたので、教室と部室とバイト先を転々としている生活でした。
バイト先のお酒の飲み方を教えてくれた先生方がお祝いして下さって、たくさん飲んで大変だった記憶があります。

今、あの飲み方をしたら翌日は人間として行動できないでしょうね。
最近は弱くなったと感じます。
これも年齢を重ねた証拠でしょうか()

仕事を始めてからは、御存知の通り体育会系のクラブ活動、いえ丁稚奉公みたいな研修医生活でしたのでなーんも無かったですね。
家族は「おめでとう」と祝ってくれますが、日常に埋没していたような気がします。
誕生日の記憶が無いのです。
彼女もいなかったので多分、その日も夜遅くに病院の通用門から「フラフラッ」と出てきて電車に疲れた身体を押し入れていたのだと思います。

一度だけ患者さんの御家族に祝って貰ったことがあります。
とても重症な方を担当していて集中治療室で長く病院で泊まっていたことがあります。
流石に拘禁症状がでたのか、集中治療室のカレンダーに「くっしー、○回目の誕生日」と書いてしまいました。
基本的にはプライベートは患者さんに話さないのが我々のマナーですが(と習いました)、無意識に書いていたんでしょう。

誕生日数日前に病状説明をしていたときに御家族の目に入ってしまったんでしょうね。
その日に御家族から優しいお言葉と一緒にケーキをいただいた事があります。
「何で御存知なの?」とびっくりして伺ったら「カレンダーに書いてありましたから」と。
そのケーキ、食べながら優しさにマジで泣いてしまったことがあります。
しょっぱいけど美味しかった・・・。

40歳になったときに「不惑かあ」と思いながら30代と別れを告げましたが、論語のようにはいかず、まだ人生、迷いまくりで最近、誕生日は自分の中では1つの区切りと思うようになりました。

ただ、区切りって大切ですね。
毎日漫然と生きていたら進歩はないでしょうが、この一念で「〇〇をしよう」という目標を立てるようにしています。
今は年齢が1つ上がることより自分の目標を設定する日にしています。

今年は「ちょっと早いけど・・」と言って病院でこっそりお祝いをくださった方がいました。
何で知ってるの?と聞いたら「先生、話してましたよぉ」と私から話していたようです。
でも誕生日を覚えてくれていてお祝いしてくれる。

先程は「誕生日も日常の一日だ!」とカッコつけていっていましたが、そうやって祝ってもらえる、うれしいことですね。
この1年はいいことありそうです。

さて皆さんはどんな誕生日を過ごされていますか?
私は今年こんな誕生日を過ごしています。
お、時計が午前0時を過ぎました。誕生日の始まりです。

「今年はカテーテル検査室も増えますし、皆さんにも喜んでもらえるような飛躍の年にしたいですね」

(時間経過して・・・)

今、あと1時間22分で誕生日はおしまいです。
今日、神様は私に「お仕事」という誕生日プレゼントを下さったみたいです。
とても充実?した日でした。

最初は回診が終わって給湯室でコーヒーを淹れていると、とある女性医師(内科・形成専門)に「誕生日おめでと」と言われました。
とても朝からほっこりした気分で良い日になりそうと思ったのですが・・・

30分後にはとある病棟で「おめでとう」と言ってもらいながら除細動(医療系ドラマでやってる電気ショック)をし、自分の病棟では緊急の処置(しかも苦手意識あり)をして、ボロボロになって検査に行けば、カテーテル検査室では患者さんに「おめでとう」と言われて、恥ずかしいけどちょっと心が温かくなり、昼下がりに自分の病棟でリーダー看護師からケーキとコーヒーを頂き、師長にお祝いして貰い、最後はカテ室の師長に「おめでとう」と「言わせて?!」業務は終了しました。←これ一文です。一息で読んで下さい。

更に帰りに両親から電話を貰い、帰宅して家族に「おめでとう」と言ってもらいました。
いろんな方に言っていただいた「お誕生日、おめでとう」、良い言葉ですね。幸せ者ですね。
この1年も良いことがありますように。

さて私の誕生日は終わりましたが、私の知人の家族で丁度今この世に生を享けようとしている命があります。
その子は私の誕生日と一日違いですね。
どうか安産でありますように。

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