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ピックアップ Pickup / Column

楠山Dr

一緒の空間を過ごすことの大切さ

こんばんは。お元気でしょうか。
今日は連休の最終日です。生憎の雨でした。
今の時期は一雨一雨涼しくなってきているような感じがします。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
今日はゆっくりできました。もう1日お休みがあったら良いのに・・・・。

金曜日の午前からちょっと出張に行っておりました。
学生時代の同期(循環器内科)が働いている、ある大阪の病院に手術見学です。
同期の手術を見に行ったわけではありません。
その日は私達がやっている手術の指導的立場に立っていらっしゃる先生が来て手術をされるのです。

勿論、同期のカテを見るのも悪くないですが、やはりお上手な先生の手技を見ることは非常に勉強になります。
その先生の手技全てを盗むことは当然不可能ですが、部品の1つでも自分の物にできるのであれば、大収穫です。

最近は学会でもWeb 開催も多くあります。
勿論、どうしても病院を離れることができなかったりした場合は、自分のパソコンから場所を選ばずに出席できるのは大変助かります。
最近では手術のライブ(上手な方が手術しているところを見て、議論したり勉強する会)もWebでされることが多くなりました。

たくさんの人が遠方でも参加できるので非常に良いのですが、どうしても勉強中の楠山としては講義、Webの中で手術中にされる一時的な議論ではなかなか手技を盗むことが難しいです。
ですので金曜日は楽しみにして病院を急いで後にしました。

昼間に病院を抜けるのは少しワルいことをやっている感じがして良いですね。
ちょっとぼけーっとしていたらあっという間に新大阪に到着し病院へ向かいました。
カテ室に伺うと同期の先生とその指導医の先生が既に1例目の手術をしてらっしゃいました。

その手術は途中から見学し、お昼御飯の後、午後の症例検討に参加しました。
贅沢にもその日は同期と私だけがべったりと参加しており、人見知り?の私でもその先生と直接議論することができました。

実はある1つの手術の方法論に関してこれまで幾つかの講演を聞いたのですが、やっぱり学会などですと一方向の講義で一度分からなくなるとそのまま脱落しておりました。
その日お目にかかったのは、その方法論にも精通している専門家の先生でした。

緊張しながらも「最初から教えて下さい」と正直にお話しすると快く、その先生の血管造影写真の捉え方から教えて下さいました。
良い手術をするためには、きっちりした準備が必要です。
全然レベルが違いました・・。
言われてみればその通りですが・・そうやって見てたんだ・・とビックリです。

多分、極少人数の非公式な勉強会ということもあったのでしょうが、とても丁寧に私にも理解できるように教えて下さいました。
本当にその道に長けた方は他人に理解することができるように上手に教えて下さることができるのでしょう。

更に一緒に並んで座って血管造影を見ていますので同期や私の顔も見ていただきながら、説明を変えて下さったり、大切なところは繰り返して下さったように思います。
1回で完全に習得したとは言えないですが、何となく正しい入り口に立つことができたように思います。

そのような勉強会は術前に十分議論をしてから手術に入ります。
すると以前と違って先生がされる行動の意味がちょっと(全部とは言えない…)は分かるんです。
当然の如く手術は成功。綺麗に仕上がっていました。

初めて直接ディスカッションをさせて頂いた先生ですが、やっぱり学会の遠い所から議論を聞いているよりも、とても有意義な時間を過ごすことができたように思います。

後は教えて頂いたことを実際の現場で使って更に自分の物にしていく作業をしていくことになります。
最近思うのですが、駆け出しの頃と比べるとカテーテルの腕もなかなか目に見える上達が無くなってきているように思います。

カテーテル始めて数年は、経験すれば経験するほど自分でもできる事が多くなってきたような気がしていました。
どの仕事でも当たり前なのかもしれませんが、その仕事を20年続けていると、みてすぐ分かる上達はできなくなってきているのでしょう。

登山と一緒で、ここからは自分に厳しく修行してゆっくりとでも良いから一歩一歩踏みしめて上っていかないといけないのかもしれないですね。
そうなってくると先程書いたように「修行」という言葉が合うように思いますので、これに関しては指導して下さる方と一緒の空気を吸って仕事してエッセンスを吸収していく事なので、Web ではちょっと無理かな~、って思います。

当然教えて下さった先生は私よりずーっと上のレベルで戦っていらっしゃいます。
でも不思議なんですが、とても笑顔も優しくてお話しやすい素敵な先生でした。
Webで拝見するよりも直接お目にかかると人となりまで感じることができます。
あんな上手くて魅力的な先生(多分仕事に関しては非常に厳しい方だと思いますが・・)になりたいものです。

やっぱり時々外の世界を見てきて、今の自分を見つめ直す時間は必要ですね。
気をつけないといけませんが、井の中の蛙ではいけません。
特にコロナでどうしても井の中にこもる傾向が世間全体でも出てきたように思います。
機会を「見つけて」外の世界を見てくることは重要ですね。

どうやら良い刺激を受けたようです。
僕も頑張らなきゃ!ちょっと元気でたような気がします。
あの先生の様な手になることができたら良いのになぁ~。

手の画像

では、皆さんごきげんよう。

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