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ピックアップ Pickup / Column

楠山Dr

今年が終わりますね

おはようございます。
今朝はとんでもなく寒かったですね。
朝、ある看護師さんが「車の上に雪が乗っていました!」って言っていました。
今年最後のブログです。

今年はあんまり季節感が無かった1年でした。
新年は皆さんも御存知のようにコロナの件で色々と御心配・御迷惑をおかけしました。
日常を取り戻してから日常臨床をしながらコロナ病棟で新型コロナウイルス感染症と科を越えて内科医みんなで診療しておりました。

秋口からは少しコロナ以外のことも考えられるようになってきたので漸く循環器内科医に戻る事ができたように思います。
なんか書いてみると味気ない1年です・・・。

急に寒くなってきたのでまだ自分の中で1年を振り返るという所までは来ていませんが、自分にとっては(もしかしたら皆さんもかもしれませんが)、これほど周辺の環境が大きく変わった1年は無いのではないかと思います。
病院の中では入院患者さんと御家族の面会ができなくなりました。
コレは自分にとって大きかったですね。
コロナ前は病棟を徘徊しているとよく着替えをお持ちになった御家族と出会って病棟からお呼びする正式な病状説明ではなく、立ち話をさせて頂いておりました。
病状のことや御家族の不安・疑問点を吸い上げることができたのですが、最近はちょっと齟齬が出てしまったりします。

以前も意思疎通に関して書いたことはあった様に思いますが、インターネットを介した面談ではなく、直接会うことは非常に重要である事を実感した年でもありました。
同窓生は関西の病院に散って、それぞれの場所でそれぞれ頑張っているわけです。
学会は同窓生と会う唯一のチャンスでもあります。
しかし今年は学会活動が一気にネット化した年でした。
少しは zoom 等で議論をすることに慣れてきましたが、やっぱり会場で直接お目にかかって議論を闘わせる方が好きですね。
友人にはその時しか会えないので、そのまま一緒に緊急飲み会が施行されることも、まあありました。

一方 Web では、「○△先生、いかがですか?」と座長が呼びかけても参加しているはずの○△先生が行方不明になっている・・・
(
サボっているわけではなく、自施設から参加されているから病棟やカテ室から呼ばれた、と信じています)
とか、ネット環境の問題でしょうか。
発表最中や議論の時に声がゆがんで進行が止まってしまい、間を持たせる座長のウデがいきなり問われるとか、視聴者のマイクが入ってしまい、どう考えてもJR の車内アナウンスが発表の BGM として流れる・・・etc. etc.

まあ、上に挙げた事例は Web 開催における放送事故の一端だとは思いますが、会場での議論の方が自然な感じがします。
休憩時間に非公式な質問もできますもんね。

ある会社では社長から社員に「コロナが終われば直接顧客に会いに行きましょう」と手紙が来たとのこと。
どの業種でも直接会うことの重要性を実感しているのでしょうね。

そういえば今年当科に加わってくれた先生の歓迎会さえできていません。
仕事場では話はしますし一緒に手術も行います。
でもそこには職業人としての上下関係があり、壁がどうしてもできてしまいます。
年齢差という壁はあるかもしれませんが、やっぱり私服を着て仕事以外の話でその人を知ることが楽しい。
一緒に仕事している仲間でもあるので仕事のことだけのつきあいは寂しいな、って思うのは古いのでしょうか?

私も研修医時代、病棟では「怖い先輩だな・・・」と思っていた先輩が病棟を離れて一緒にご飯を食べていると、とても笑顔が素敵で楽しい人である事に気付いたこともあります。
病棟では見ることができない一面を探すこと、それを見付けたときの驚きは好きですね。

数十人規模の宴会(病棟単位の歓迎会など)も活気があって好きなんですが、みんなと話すことができないので、私は少人数飲み会の方が好きです。
だって全員で同じ体験をすることができます。

あとこの時期はお世話になった部署にクリスマスプレゼントと称して小さいながらお菓子を配っておりました。
それも今年は感染対策もあって残念ですが無しです・・。
配っているときに短い時間かもしれないですが、色々な部署の人と話すのも楽しかったんです。

そう考えるとなんか世間は味気なくなってしまったように思います。
比較的ドライとされている御時世ですと飲み会・プレゼントって無駄って言われるかもしれませんが、「無駄」も悪くないと思っています。
意味のある無駄、本当は仕事の進みをよくする潤滑油みたいな物ではないでしょうか。
ま、無駄が過ぎるのは良くないですけど・・

あって当たり前の物って失って初めてその大切さに気付くことがあります。
それが本当に大切な物なのでしょう。
今年は私にとってはそういう意味では非常に大きな年でありました。
先日Line のスタンプで「コロナくたばれ」と言っている生物が感染対策主任から送られてきましたが、正にその通りです。

コロナ後の世界は元には戻らないとのこと。
勿論、コロナをきっかけに大きく進んだ分野はあるかと思いますが、私が望んでいる無駄は戻ってきて欲しいものです。
来年は良い年になりますように。
今年もお付き合いありがとうございました。

写真は先日講習で出かけた梅田の夜景です。
いちょうとクリスマスデコレーション、なんか不思議だけど綺麗でした。

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