キービジュアルの画像

ピックアップ Pickup / Column

楠山Dr

先生、変わりました?

先日、講演会でお話をさせて頂く機会を頂きました。
テーマは虚血性心疾患ではなく、高血圧です。
実は色々な業界のルールがあって高血圧に関しては以前比べると勉強会、講演会は減っているように思います。
その業界のルールを言い出すと色々問題が出たり、痛くもい腹を探られそうなので止めますが、高血圧患者さんって多いんですよね。

先日のブログでも私自身が血圧計を見て「・・・」となりましたし、少し古いデータですが日本人に4300万人いるそうです。
それって3分の1って事ですよね。
私も高血圧に関しては勉強する機会を頂いており、風邪は万病の元、という言葉はありますが、高血圧も万病の元です。

その講演会で大西哲存先生と御一緒しました。
先生は最後に播磨地域の疫学を含めてお話し頂きました。
兵庫県下で播磨地区って心疾患多いみたいですね。

さてその大西先生実は以前から存じ上げておりました。
先生はエコーの超専門家、私は血管工事業者で全く専門は異なるのですが、姫路循環器病センター時代から時々御一緒することがありました。

最近は循環器内科領域でも弁膜症に対してカテーテル技術を用いて治療する手術も出てきました。
私は門外漢で間違っていたらお叱りを頂きたいですが、心臓超音波検査(心エコー)は検査だけではなく、手術の一部として治療の技術の部分が大きくなってきたような気がします。

そういう意味では私がさせて頂いている心臓のカテーテル治療よりも今後発展する分野なのかもしれないですね。
元々、心エコーの先生は心臓の動きを見て診断をしていくことに長けている先生ですので非常に理論家で頭が良い先生が多いのですが、大西先生も例に漏れず頭脳明晰な先生でした。

先日大西先生、御開業をされたとのこと。
新たな道へ一歩踏み出されたわけです。
講演会が終わったときに先生から「一緒にご飯食べに行かない?」と誘っていただいた時には嬉しかったですね。

しかも先生の馴染みの店を紹介して頂けるとのこと。
やっぱりこれって嬉しいですよね。
私もお客さんをすることはありますが、大切なお客さんには自分のよく知った店に連れて行きたいですよね。
ほら、いつも行っている店ですと安心できますもんね。

先生が電話一本でとってくださったお店はこぢんまりとして落ち着くおでんのお店でした。
人間は二人とも変わったわけではいですが、お話していると大西先生に何か違いを感じたんです。

久しぶりに先生と飲みながら「何が違うんだろ?」と思いながら楽しくお話をしているのですが、ちょっとしていると大西先生の病院勤務医時代と比べると視線というか眼の輝きというのでしょうか。
眼の深みが増したように感じました。
ふと自分の焼酎のコップを見ながら、話の内容を思い返していると漸く気付いたんです(写真参照)

eb109f8cc74f4256c43494bf2f032e59-1750043151.jpg

色々な話をしましたが、実は高血圧に関しては話をしていません。
自分達の仕事の事が主になるのですが、多分先生が変わったようにえたのはある種、経営者としてのやり甲斐と苦労をされているからかもしれません。

病院勤務医には到底想像もつかないことですが、クリニックを運営していくとなりますとこれまでの医師としての働き方だけではなく、一国一城の主ですので経営・人事・対外的な業務など、全てを切り盛りしていく必要があります。

私は有難いことにツカザキ病院では大西先生がされている業務をやっておりませんが、特に立ち上げ段階は非常に大変です。
きっと私なんかにはお話にはなりませんが、沢山の努力をされてきたのだと思います。

実は先生、病院勤務医の間に MBA (経営学修士) も取られていたとのこと。
お酒を一緒に飲んでいると非常に楽しい方なんですが、実は努力家ですよね。

ま、結局は楽しく飲んで旧交を温め、先生のこれからの洋々たる前途に乾杯したわけですが、とても楽しいけど自分にとっても考えさせられる時間でした。
私も60を越えてカテーテルを第一線でできるとは思っていないですし(55歳引退を目指す!)、組織として次の世代へのバトンタッチができていないと私の仕事としては「失敗」ということになります。

できれば若い先生に負けて退場したいですし、そのような先生を教育することが今の仕事の一部分になってくるのかな、と最近自覚したところです。
と考えて逆算すると時間がありません(>_<)
実は最近、少し焦りを感じます。

後輩の先生方には早く私よりずっとカテーテルを上手くなって頂いて私を臨床現場から「良い意味」で「追い出して」ほしいと思います。

その日がくるのは寂しいですが、いつかは訪れてほしい日です。
でもそうなるとそのまま社内失業ならぬ院内失業もマズいですので、これからその後の仕事も考えていかないといけないですね。

医者って結構つぶしきかないんですよね・・・。

とても楽しかったけど私にとっても考えさせられた充実した飲み会でした。
最近の心の中の曇りが一部晴れたような気がしました。
大西先生もお身体には気をつけて頑張ってくださいね!
また飲みに行きましょうね!

533aaf1347a7724e446ad7269c549e9d-1750043216.jpg

一覧へ戻る

ページトップヘ