みなさんこんにちは!ツカザキ広報編集部です!(*’ω’*)
あたたかい日が続いています。これから暑くなりますので、熱中症にも気を付けて水分をしっかりとっていきたいですね!
今回は貧血予防として、鉄分の摂取について管理栄養士がお話します。
※病院食ではありませんのでご注意ください。
鉄とは、ミネラルのひとつで赤血球を構成する成分で全身の細胞や組織に酸素を運ぶ役割をしています。
赤血球の細胞寿命は120日間ですが、寿命が尽きた赤血球内の鉄はリサイクルされるため体内の鉄は簡単には不足しない仕組みがあります。
体内には、酸素を実際に運ぶ働きをしている機能鉄と、機能鉄が不足した時のために蓄えられている貯蔵鉄があります。
体内鉄(機能鉄と貯蔵鉄を合わせたもの)の喪失は1日平均で成人男子1mg、女子2mg程度です。鉄の収支のバランスが崩れて鉄の不足が生じ、その不足分を貯蔵鉄で補いますが、貯蔵鉄の枯渇により鉄欠乏(鉄欠乏性貧血)が起こります。
1日の鉄の目標摂取量は、成人男性で約7.5mg、成人女性で約6.5mgです。女性の月経時は約10.5mgの摂取が推奨されています。
耐容上限量(過剰摂取による健康障害を起こすことのない最大限の量)は成人男性で約50mg、成人女性で約40mgとなります。
貧血には種類がありますが、その大部分は体内の鉄が減少ないし欠乏して発生する鉄欠乏性貧血です。
貧血の種類 | 原 因 | 治 療 薬 |
---|---|---|
鉄欠乏性貧血 | ヘモグロビンの構成成分である鉄が 何かの原因で不足 |
経口鉄剤 非経口鉄剤 |
巨(大)素芽球性貧血 (悪性貧血) |
赤血球の合成に必要な造血ビタミン (ビタミンB12、葉酸)等の不足 |
ビタミンB12、葉酸 |
再生不良性貧血 | 骨髄機能の低下 | 造血機能亢進を目的に、タンパク同化ステロイド、 糖質コルチコイド使用、輸血 |
腎性貧血 | エリスロポエチン産生低下 | エリスロポエチン |
溶血性貧血 | 赤血球の破壊が亢進し、造血が追いつかない | 糖質コルチコイド、免疫抑制薬 |
などが挙げられます。
項 目 | 基 準 範 囲 |
---|---|
ヘモグロビン | 成人男性:≧13g/dL 成人女性:≧12g/dL (小児、妊婦、高齢者はそれぞれ基準値あり) |
めまいがしたり体がふらついたりする症状を思い浮かべる方が多いかもしれません。この症状は、低血圧が原因の症状であることが多いです。
実際の症状としては、体を動かしたときに息切れや動悸、頭痛、めまい、立ちくらみ、疲れやすくなるなどの症状が見られます。また鉄が不足することで、爪が割れやすくなる、唇の端や舌に炎症が起こる、氷などを無性に食べたくなる、髪が抜ける、肌が荒れるなどの症状が見られることもあります。
はっきりとした理由が見当たらないにもかかわらず、イライラしたり倦怠感を感じるときは、鉄欠乏性貧血を疑うと良いかもしれません。
※参照:ドクターズ・ファイル
栄養素の鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」と呼ばれる2種類の鉄があります。お肉や魚に含まれるものを「ヘム鉄」、ひじきやごぼう、ほうれん草、プルーンなどに含まれるものを「非ヘム鉄」といいます。
消化管からの吸収率では、ヘム鉄は非ヘム鉄の5~6倍もあります。ヘム鉄はもともとタンパク質にくるまれて吸収されやすい形になっているので、比較的すんなりと吸収されます。
一方、非ヘム鉄の吸収率は非常に低く、吸収されるときに活性酸素を出して粘膜を攻撃してしまいます。また、非ヘム鉄は一緒に食べたものに簡単に影響されてしまいます。
ヘム鉄 | 吸収率:15~25% |
---|---|
非ヘム鉄 | 吸収率: 2~5% |
野菜などに含まれる鉄を非ヘム鉄と言います。非ヘム鉄はそのままでは体内で吸収されにくいので胃から分泌される胃酸と口から摂取したビタミンCと結合して体内で吸収されやすいヘム鉄に還元され小腸から体内へと吸収されます。
鉄と一緒にビタミンCを摂取することで、鉄の吸収効率をアップさせることができます。
非ヘム鉄の体内への吸収率を高めるためには、他の栄養素を組み合わせるのがポイントです。次のような栄養素をプラスしてメニューを考えましょう。
【+ビタミンC】
非ヘム鉄はビタミンCと一緒に摂ると体内に吸収されやすくなります。ただし、ビタミンCは加熱すると失われやすいので、いちご、グレープフルーツ、キウイフルーツなど生で食べられる果物を食後のデザートなどにプラスするか、じゃがいもやピーマンなど加熱してもビタミンCが壊れにくい食品を組み合わせるとよいでしょう。
【+タンパク質】
動物性タンパク質(肉類・魚介類・牛乳や乳製品)と一緒に摂ると、鉄の吸収率が高まります。特に赤身の肉や魚は、タンパク質と鉄が一緒に摂取できるので貧血の予防・改善におすすめです。引用:明治の食育「貧血解消の強い味方!ビタミンCやタンパク質が鉄分の吸収率を上げる」より
タンニン・シュウ酸は鉄と同時に摂取することをおすすめしません。
タンニンはコーヒーやお茶、シュウ酸はほうれん草などに含まれています。
これらは非ヘム鉄の吸収を阻害してしまいます。
鉄分を簡単に摂る方法として、鉄製の調理器具の使用が有効です。
調理の際に南部鉄器や鉄鍋などを使用すると気軽に鉄分が摂れます。鉄鍋に含まれる鉄は「吸収されやすいヘム鉄」で調理器具を変えるだけで鉄分が豊富な食事へと変わるなんて助かりますよね。
エネルギー:706kcal
たんぱく質:44.3g
脂 質:41.8g
鉄 :19.6mg
食 塩:7.7g
エネルギー:783kcal
たんぱく質:51g
脂 質:53.9g
鉄 :23.3mg
食 塩:1.7g
おいしく貧血予防、ぜひ皆さんも試してみてくださいね。
次回の栄養コラム配信もお楽しみに✨
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